インタビュー詳細
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静岡サレジオ小学校・中学校・高等学校(静岡) 校長 沼波 岳臣先生

日本初、幼小中高一貫の国際バカロレア認定校が大切にする教育のあり方


上智大学をはじめ、各大学の提携校として児童・生徒の進路を保証

当校は幼稚園から高等学校までが一つのキャンパス内に集う総合学園です。創立者ドン・ボスコが打ち出した独自の教育方法「予防教育法」は、彼の創設したカトリック修道会サレジオ会、女子修道会サレジアン・シスターズによって継承され、当学園の教育理念として現代に息づいています。

ドン・ボスコはこう述べています。「教育者は子どもたちを愛し、子どもたちに愛される存在であるべき」と。これは「子どもを愛する」という意味だけではなく、子どもの可能性は無限で、すべての子どもは「一流びとになれる」という意味が含まれていると考えています。つまり、子どもは出会う人や与えられた環境によって、それぞれ輝くことができるということです。そのため、当学園では子どもたちの心と体の成長に合わせて、小中高の12年間を4年ごとに区切った一貫教育課程「サレジオ4・4・4制(プライマリー・ミドル・カレッジステージ)」を採用しています。受験勉強にとらわれない独自の教育プログラムのもと、目指す未来や学び方の個性で選べる3コース制(エグゼ・ソフィア・フロンティアコース)を通じて、子もたちは社会に羽ばたいていきます。

「サレジオ4・4・4制」は、次のようなステージに分かれます。小学1年生から4年生までの期間は「プライマリーステージ」。ここでは学力と精神の両面から、基礎基本を身につけることを重視しています。基礎基本は「整理整頓と創造」という言葉に置き換えることができます。学びにおいては、基礎学力を身につけることで、難しい問題に立ち向かう時に「戻る」ことができますし、心においても、日常生活で思い通りにならない時に、正しさに「戻る」ことができる。その結果、新しいことにも失敗を恐れずにチャレンジできるようになる、と考えています。

小学5年生から中学2年生までの期間は「ミドルステージ」。5年生になると、スポーツのクラブチームで活動したり、学習塾で勉強したりと、家族以外の他者との関わりも増え、その関わり方も深くなっていきます。成長の発達において、また人間の心を育てる上で最も大切な時期であるこの4年間では、グループ学習や協同学習を取り入れ、様々な他者との関わりを通じて自主性や社会性、論理的思考力を養います。

中学3年生から高校3年生までの期間は「カレッジステージ」。これまでの学びを経て、一流びとになるための学びのスタイルを3つのコース(ソフィア・エグゼ・フロンティア)から選択します。ソフィアコースでは、日本のトップ私立大学の一つである上智大学との教育提携を活かし、同大学へ30名の特別推薦枠を用意。他者との関わりを大切にしながら受験勉強に左右されない真の学問の探求を行います。エグゼコースでは、医学部をはじめ、国公立大学や最難関私立大学に進学するための特別カリキュラムで質の高い学力を追求します。フロンティアコースでは、それぞれの進路や夢を実現させる備えとして、幅広い選択科目や、ボランティア活動など様々な活動を選択するサレジオメソッドを用意。東京都市大学との高大連携協定、関西学院大学とのフレンドシップ提携など、高大接続プログラムを推進し、生徒の可能性を最大限に伸ばしています。現在は120大学240学部の指定校推薦枠を保有し、より高水準の進路保証をしています。


日本初の国際バカロレア一貫教育校として子どもたちの「世界」を広げる

当校の教育のベースには常に、「自分を愛し、他者を愛する」というキリスト教精神と価値観があります。加えて、国際的な教育プログラム「国際バカロレア」を導入し、国際バカロレア認定校として、グローバル時代に対応した国際的な評価軸も得られました。日本国内で国際バカロレア認定校は175校あります。内訳はPYP(Primary Years Programme)認定校は55校、MYP(Middle Years Programme)認定校は30校、DP(Diploma Programme)認定校は61校。175校の中で、一条校として認定されているのは57校ありますが、PYP、MYP、DPの資格を同じ学校で取得できるのは、当校だけ。つまり、一条校として日本で唯一の、そして日本初の幼稚園・小学校・中学校・高校一貫の国際バカロレア認定校なのです。当校独自の「サレジオ4・4・4制」と、世界基準の教育プログラムを掛け合わせることで、幼少期から途切れない一貫した教育を提供できるようになります。

「国際バカロレア」というと、「英語教育」「大学入学資格」をイメージされる方も多いと思いますが、私たちが重視したのは、バカロレアの目指す「教育の本質」。もちろん英語教育も含まれますが、あくまで母語としての思考・判断・表現の幅を広げるための第二言語として活用しています。例えば「おはようございます」という言葉を考える時に、おはようという言葉に込められた想い、その言葉の由来を探究することで、文化を知ることができます。ここに「Good morning」という言葉が加わったらどうでしょう。おそらく文化に対する理解は深まり、世界はさらに広がりを見せるでしょう。ただ、「英語を話せる」のではなく、相手の文化を理解した上で、英語でも自分の意見を述べることができるというように、学びを通して世界につながる生徒の育成を目指しています。


子どもが好き、という情熱を忘れずに対話を通して信頼関係を構築する

創立者ドン・ボスコは、「愛」を伝えるために、「共にいること(イタリア語でアシステンツァ)」を教育の基本と定め、教育者に対して次のことを求めています。それは、慈愛の姿勢をもつこと・対話を通して信頼関係を築くこと(道理)・新しい人間像を示して教育すること(信念・信仰)です。2つ目の「道理」では対話を通して、子どもたちが納得し自由な心で先生に協力する関係を教育の大前提としています。例えば、児童や生徒を注意する際も「ダメ」だと叱るのは簡単なこと。しかしながら、子ども自身でダメだとわかってやっているケースも多いものです。その裏側には根源的な理由や打ち明けられない悩みが隠れているのかもしれません。「愛が信頼を生み、信頼が教育を生む」というドン・ボスコの言葉を大切にしながら、なぜそれをやってしまったのか、どんな悩みを抱えているのかまで深く聞き、対話を通して子どもたちとの信頼関係を築くようにしています。

多忙を極める教員生活の中で、忘れたくないのは当初教員を志した時の情熱や思いです。どんな行動を取ったとしても、「子どもが好き」「目の前にいる子どものために何ができるか」という情熱があるかどうかで、結果は大きく変わります。時にはうまくいかないこともあります。しかし、そういった時こそ、情熱を持ってチャレンジし続けることが大切です。情熱を持ってしっかり持って突き進むことで、子どもたちの表情は変わり、その結果として子どもたちの未来が明るくなっていくと信じています。




静岡県 静岡サレジオ小学校・中学校・高等学校(静岡県)

学 科:
普通科(エグゼコース、ソフィアコース、フロンティアコース)
生徒数:

小学校(1学年75名/2学年76名/3学年67名/4学年77名/5学年77名/6学年72名)

中学校(1学年89名/2学年85名/3学年61名)

高校 (1学年188名/2学年165名/3学年148名)



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