活用事例

授業を「教える」から「ファシリテートする」へ変化
‘動画をきっかけに学ぶ’
取り組みやすさで生徒の自主性を育成

焼津市立東益津中学校(静岡県)
2024.2.1
校長 寺田 徹 先生 
課題
  • これからの社会に必要となってくる「自ら考え判断し、主体的に行動する姿勢」をより育みやすい環境にしたいと考えていた。
  • いざ勉強をしようとしても何から手をつけてよいか分からない生徒もいた。
 活用ポイント
  • 数学の授業にて、単元とスタディサプリなどの教材が対応する箇所をまとめた計画表を配布し、一人一人が自身の学習方法に沿って学習するよう促した。
  • 授業では新しい単元を学ぶ際に、動画を視聴するよう声掛け。生徒はそれぞれのペースで視聴し、問題演習を行なった。教員は教室を回り、リアルタイムで生徒の取り組みを確認し、指導に生かした。
  •  学校に通いづらい生徒を対象にした相談室では、教科担当の教員がいなくてもスタディサプリで学習を進めることができ、学習機会の公平性を担保することを目指した。
 活用効果
  • 何から勉強していいか分からなかった生徒が「まずはスタサプで講義動画を見てみよう」と学習へのハードルが低くなり、問題演習で「できる!」という成功体験を積み上げられるようになった。

  • スタディサプリなどを活用して自己調整しながら生徒たちが学習内容を習得、教員は生徒のサポートに回り授業のファシリテータ―となる授業の進め方ができるようになった。


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スタディサプリ活用風景 

真面目で素直な生徒たち。
そこから更に一歩踏み出せる「主体性」を育みたい

海と山に囲まれた当校は、6年連続で魚類の水揚げ金額が国内第1位の焼津漁港を有する「さかなの街」焼津市にあります。1次産業従事者が多い土地柄から、地域全体で子どもを育てるという意識が高い環境となっており、街と学校の連携が図られています。そのような環境で育った当校の生徒は、何事にもきちんと取り組む真面目で素直な子が多い印象です。一方で、これからの社会で必ず必要になってくる、自ら選択をし決断をするなど、自分自身で一歩を踏み出せるような「主体性」を身に付けてほしい、そう考えるようになりました。そこで自主性の向上を図るため、学校の重点目標に「やってみよう」という言葉を掲げたり、校長から「学びを生徒に委ねる」「変わる・変えることを恐れない」というメッセージを発信したりと、生徒と教員それぞれが新しいことにチャレンジしやすい環境づくりを行い始めました。

そんな中、当校ではこれまで、遠方ゲストと繋ぐリモート講演会や、各教室からリモートで全校集会を行うなどのICT活用を進めていましたが、新たに自主的な学びの選択肢の一つとして、動画教材によって概念の理解から習得できる環境を整えられるよう、スタディサプリの導入を行いました。
中学3年生 数学 國光先生

一方的に教えず、生徒一人ひとりの自主性を養う。
家庭でも授業内でも生徒自身で選択した学習を実施

「先生から一方的に教えない」「知識をインプットするためにスタディサプリを積極的に活用しよう」という校長からの声がけのもと、まず数学での新しい学習スタイルを運用し始めました。これまでの授業形式では教師から一方的に知識をインプットしていましたが、新しい授業方式ではまず単元の計画表を授業の初めに共有。生徒は単元計画表に記載されている様々な教材から、それぞれの学習進度に沿って自分に必要な教材を選んで学ぶという、「自律的な学習」の授業形式にしています。その教材の選択肢の一つとしてスタディサプリを活用しています。特に新しい単元を扱う際に、スタディサプリの対応動画を見るように声掛けをし、それぞれのペースで一時停止と再生を繰り返しながら視聴するケースが多いです。その後、演習問題を解きますが、その時の教材も教科書、ICT、紙ドリル、YouTubeの中から何を使って勉強するかは本人が選びます。教員は、教室を回って理解を進めるためのヒントを助言しつつ、リアルタイムで生徒たちの取り組み状況を教員用PCで確認する方法で活用しています。クラス全体に理解を促したい内容があり、スタディサプリの動画が分かりやすいという場合には、クラス全体に講義動画を投影し一斉に視聴することもあります。また、図やグラフなどの資料を生徒の端末に送信して、一人ひとりが見やすいように工夫して授業を行っています。

授業中問題演習を終え時間が余った生徒には、スタディサプリ内の単元テストを印刷し「理解度を確認するために使ってください」と声をかけています。

なかなか教室に来られない相談室登校の生徒たちも、スタディサプリを通して教員がその場にいなくても学習サポートができるため、学習機会の公平性が担保できるようになりました。

中学1・2年生 数学 中島先生

生徒たちの「できる!」の成功体験を積み上げ。
教員が「教える」から「ファシリテートする」スタイルへシフト

授業中や家庭学習での自主的な活用を促した結果、これまでは勉強をするにあたって何から始めれば良いのか分からず戸惑っていた生徒も「まずはスタサプを見てみよう」と学習に対して一歩踏み出しやすくなったようです。はじめに問題を解くのではなく、まずは動画を見てみることから始められるのは心理的にハードルが低く「できる!」という成功体験を積み上げられるようになってきた様子が見られました。

また、スタディサプリ導入の大きな利点として、教員が「一方的に教える」スタイルから「サポートする」スタイルに職員室の雰囲気が変化してきていることが挙げられます。従来の教員が教鞭を取る授業スタイルから脱却し、子どもたちの「学習のファシリテーター」になることで、前に立って板書を書くよりも「動画をきっかけに生徒が学びに興味を持ってもらうことができるんだね」という声が聞こえるようになりました。より子どもたち一人一人の学習を個別にサポートする時間が生まれています。また、全体に対して同じ分量で大量の宿題を課す教員が減り、生徒が自身に合った学習を選択できるようになりました。

教員の視点では、スタディサプリを無理に活用しなくてはいけないという意識ではなく、良いと思う部分から取り入れていくという活用方法で負担感なく導入できています。さらに、単元テストなどの活用により、プリント作成の手間が大幅に削減できたのもメリットの一つです。

このように今までのやり方にとらわれず、変わることを恐れない学校環境を作っていくことで、ICT活用が進み新たな学びが実現していくのではないかと思っています。

今後は「個別最適な学び」から、チャット機能などを用いながら「共同的な学び」にもICTを活用する方法を模索していきたいと考えています。

焼津市立東益津中学校(静岡県)
●生徒数:1年生 58人 2年生 77人 3年生 60人

ページ内容は2024年2月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
スタディサプリ
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