2015年、日本の15歳の学力はトップに返り咲いている
皆さん、改めましてこんにちは。ご紹介いただきました鈴木でございます。今日はお招きいただきまして、そして、教育の現場の最先端で頑張っておられる皆さま方に、直接、今いろいろなところで話題になっている高大接続改革について、その真意と背景をお話しさせていただける機会をいただきまして、ありがとうございます。
今日お見えの方は大体皆さんご存じかと思いますが、2020年から学年進行で、小中高の学習指導要領が変わります。大学入試センター試験というのは1979年に共通一次試験という形で始まりましたので、約40年ぶりの大改革ということになります。私は、8月に選ばれた林芳正新大臣のもとで4度目の文部科学大臣補佐官に就任いたしまして、この改革の取りまとめをさせていただいております。
今日は時間の関係上、高校・大学のお話に絞ってお話をしたいと思いますけれども、ざっと日本の現状について確認をしておきたいと思います。
今、私はOECDの教育スキル局、シュライヒャー局長のもとで、OECDの教育スキル局のアドバイザーもさせていただいていますが、15歳の学力、いわゆるPISA調査ということですが、ここにいらっしゃる方はもうご説明するまでもありませんけれども、2000年代はPISAショック、あるいは学力低下問題ということで、日本中が大騒ぎになったわけです。
それが今現在どうなっているかというと、2012年、そして2015年、読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシー、この3科目を総合すると、35のOECD加盟国中、日本の15歳は堂々トップに返り咲いていると。この事実をしっかりとまず皆さんと共有させていただきたいと思います。これは、まさに現場の教員の皆さん、あるいは地域の皆さんのおかげです。我々はやればできるということをまず確認してスタートをしたいと思います。
もちろん小学校も中学校も、いじめの問題だとか、不登校の問題だとか、あるいは発達障害に対する特別支援、そういった課題がもちろんあります。そうしたことについてはしっかりと取り組んでいかなければいけないわけですが、こと学力については、この素晴らしいパフォーマンスにある、ということです。
これはOECDのデータだけですが、TIMSSを見ると、これも非常にいいパフォーマンスを出していますので、そこはもっと現場の教員の方には自信を持っていただきたいなと思います。ただ、世界でナンバーワンの15歳を、高校で伸ばしているのか、大学で花開かせているのかと胸に手を置いて考えてみますと、私も大学に本籍を置く者ではありますが、そこはまだまだやるべきこと、認識を変えるべきこと、いろいろあるんじゃないかなと思っています。