ただそれをやるためには、学校のリソースだけでは無理です。お金もありません。ということで、地域とか企業を学校にどんどん呼んできて、何か世の中に発信できることないかなと、うまいことご縁がつながったのがHPのコマーシャルです。
> 【HPビジネスPC導入事例】 日本全国に、HP。- 学校法人 滋賀学園 滋賀学園高等学校(動画)
制服も変えて、HPさんと共同で新しい授業をつくりましょう、ということになりました。立教大学経営学部さんがやっていたBLP(ビジネスリーダーシッププログラム)の授業がそのベースになっているんですけど、たまたまご縁があってHPとこういうことができたので、動画の中で持っていたタブレットを、1クラス分揃えることができました。
このCMは、首都圏も関西圏も九州なんかでも全国で放映されて、見る人が見れば、経済効果はばかにならんと思うよ、と。
ただそういうことを、学校現場ってわりと知らないので、「コマーシャルに出たってそんなもん何もなりませんやん」とよく言われるんですが、実際には数千万単位どころか、億ぐらいの先行投資があるよ、ということを聞かされました。
とはいえコマーシャルを打ったからといって、学校が実際にそういうことをやらないと駄目なので、それを象徴的に生徒に伝えるべく、2年前の入学式にこういうことをやったんです。
入学式は普通、式典が1時間ちょっとありますよね。それをきゅっと縮めて、後半45分は授業をやったわけです。子どもたちと保護者のいる前で、3年間でこういう課題に向かうんだよということを説明しました。
これはすごくいいのでぜひやってみてください。入学式にしょうもないお偉いさんの話はいりません。現場のトップなり、いろんな人が、リアルに生徒に語り掛ける、これはすごく効果がありました。保護者も含めて、アンケートの回答もすごく良かったです。45分バージョンがYouTubeに上がっていますので、ぜひご覧ください。
> 2016年度入学式「ワク熱! 安居教室」(動画)
最後に、こんな質問をされたら、どういうふうに皆さんお考えになりますか? ある動画がYouTubeに上がっています。アメリカのニューヨークだったかな。
> What’s Your Biggest Regret? (Nobody Wants To Admit The Worst One Of All)(動画)どこかの片隅に「あなたが後悔している一番の後悔はなんですか、書いてくれ」と書いた黒板を置いたときの映像です。いろんな年代、いろんな人種の人がそれを見て、自分が一番後悔していることを書きはじめます。
いろんな人が自分の今まで生きてきた中で果たせなかった夢とか、いろんなことを考えながら、後悔を書くんです。いろんな具体的なことを書くんですけど。
そこに出てくる言葉の中でnot、これが必ずついている。not何々。「したかったんだけれども、できなかった。」
never。毎日新しい日が、次の日はやってくるのに、いつまでもそのできなかったことを引きずる。集約をすると、チャンスがあったんだけどつかまなかった。だから後悔しているんです。
言いたいことがありました。でも言わなかった。それが大きな後悔です。夢があったんだけど追いかけられなかった。それが大きな後悔です。チャンスをつかまなかった。not。言わなかった。追いかけなかった。
でもこれ、頭にある「not」を取るだけで、言えるわけですし、行動できるわけなんです。
ぜひ先生方に、今日この時間から、自分が思ったことはとりあえずやってみてほしいと思います。やっても絶対大丈夫。失敗したらやり直せばいいんです。
日本人の子どもたちの多くがこんなことあんまり思ってないんですけど、途上国の子どもたちほど、「I can change the world」、世界を変えられると思っている。
日本の子どもたちは成長すればするほど、こんなことは忘れていきます。幼稚園児のほうがこういうことを思っている。
今、預かっている幼稚園児、こういうことをよく言います。「僕、世界変えたんねん」って。大人、言いますか? 世界変えたんねんって。
変えられへんと誰が思うんでしょう。誰が決めたんでしょう。誰が教えたんでしょう。もっとこういうことを、素直になってとりあえずやってみる、ということを、我々は考え直す必要があるかなと思います。ご清聴ありがとうございました。
(C) Copyright 2020 株式会社リクルート All rights reserved.