僕は非常に不思議です。そうではないんです。ICTというのは、児童生徒が考えたことや、質問や疑問、あるいは評価を、教員側にフィードバックする、情報を逆流させる装置なんです。それをやらないで何がアクティブなんですか、と私は言いたい。
一条高校で何をやっているかというと、このような局面で、スマホで自分の意見を打たせちゃうんです。例えば茂木健一郎さんが来て、授業をやります。その後に質問がある人って聞いたって、それは出ませんよ、普通。出るときは大体生徒会長に仕込んであったりする時です。それを、はい、全員質問ね、とやります。
そうすると、もう高校生であれば普通にLINEとかSNSで自分の気持ちとか、自分が今何をやっているかって打ち慣れているから、ものすごく速いです。軽度発達障害の子も含めて、ほぼ全員が打ってきます。それが、送信ボタンを押した途端、画面上にがっと並ぶ。そういうソフトがあるわけです。「Cラーニング」というシステムを使っています。
それを見ながら、例えば茂木さんが、この質問面白いねと言う。「茂木さん、ところでその髪の毛天然なんでしょうか」みたいな質問。友人の僕でもとても聞けないような。
つまり何がいいかというと、無記名なんです。だから、どんな極端な意見でも、どんなに外れたことでも、あるいは打ち間違えたりしてもいい。もう打ってたら(訂正するのは)無理だから、諦めるのでもいいわけです。
皆さんプロだからご存じだと思います。特に男の子って、フルセンテンスで全部言える自信がなきゃ手を挙げませんよ。でも女の子はそうじゃない。しゃべりながら考えていますから。そこはコミュニケーション能力の違いだよね。
というわけで、ぜひこのように使ってもらいたいなと。11月24日の金曜日に文部科学省の初中局長まで来て、1年生2年生の全18クラスの授業をがんと公開し、その後、僕がこのような講演をやる。そういう機会を一条高校でやります。西側の方は来やすいんじゃないかと思うので、来ていただければと思います。
大幅にオーバーしてしゃべっちゃいました。最後に、先生は10年後にも残るかどうかというのは、この『10年後、君に仕事はあるのか?』という本に書いてありますので、この本で復習してください。
この本に結論が書いてありますので、私の2番目のレクチャーはこれで締めたいと思います。もし質問とかがあれば、「よのなかnet」という私のホームページに、「よのなかフォーラム」という掲示板がありますので、ぜひご覧になったらいいと思います。
あと、一条高校には公式裏サイトというのがありまして、これは動画満載。「一条LABO」というのを見ていただければ、私がやっている「よのなか科」で、実際どのように生徒がスマホでやっているか、というのがわかります。生徒が先生になる「よのなか科」というのが、一条高校の売りで。この間生徒がやった授業では、「病院で死ぬか、自宅で死ぬか」というものすごいテーマでやっていました。
以上です。ありがとうございました。
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