セミナーレポート

ICT活用セミナー 先進校発表会 supported by スタディサプリ【先進校事例】大妻中野中学校・高等学校 高村亮先生

大妻中野中学校・高等学校
高村亮先生
2019.01.18
一人一台タブレットによる教育現場の変革

一人一台タブレットによる教育現場の変革

新校舎の設立をきっかけに、ICT環境を徐々に整えてきた大妻中野中学校・高等学校。スタディサプリ以外にもICT環境を活用している同校が、どのようにスタディサプリを導入し、活用しているのか。また、気になるICT環境の推進方法など、具体的なところも含め、数学科教諭高村亮先生に伺いました。

自己紹介と本校の紹介

皆さまこんにちは。大妻中野中学校数学科教諭の高村と申します。私からは、一人一台タブレットによる教育現場の変革ということで、本校の事例についていろいろな面からお話をさせていただきます。

私自身の自己紹介ですが、ICTの活用委員会が本校にあり、その委員長をやっています。また、中学1年から3年間持ち上がって学年主任をやっています。あと、教育課程委員会。カリキュラムのほうの委員長もやっています。

その他もいろいろとやっている中で、全体をどういうふうにバランスを取っていくかを考える立場にいます。

教科は数学です。中3の学年主任なので、中3の数学をやっていますが、だんだん論理的思考力というのが重要になってきていますので、そのあたりの授業を新設し、私が学年の全クラスを持っているという状況です。

自己紹介はこれくらいにして、本日はICT導入、あとは、スタディサプリの両面で話をしたいと思います。

今日は、いろいろな目的でいらっしゃっている方が多いと思います。(ICT環境およびスタディサプリを)導入しようかと迷っているところとか、あとは、どうやって発展させていけばいいかというところ、どう活用すればいいかというところです。

本校も完璧ではなく、これからどうやっていこうかと試行錯誤をしている段階ですので、そのへんで情報が共有できていければいいかなと思っています。よろしくお願いします。

ではまず学校の紹介からです。本校、大妻中野中学校・高等学校というのは、学校法人大妻学院の中の一部となっていまして、大妻女子大学、短期大学部の下に4校ある形になっています。

ただ、内部進学率は2割を切っております。大妻女子大学に進学するのは多くても2割で、8割は四年制大学の進学という形になっているので、基本的に一般受験をする生徒が多い感じになります。

私立女子中高完全一貫校ですので、高校からの入学者は取っていない、6年一貫の学校になっております。所在地は、中野から徒歩10分、新井薬師から8分となっています。

2011年に新校舎ができまして、基本的に8階建です。後で話しますが、新校舎の建設があったからこそ、これも動いたかなというところと重なっています。

生徒数は1,500名くらいになります。各学年大体6クラスで、6学年です。

ICT導入の背景

さて、ここからICT導入の背景ということで話をしていきたいと思います。先ほど新校舎の設立という話をしましたが、2011年に新校舎ができました。このときに、電子黒板は全教室に常設という形を取りました。

電子黒板を入れるときにもいろいろ意見があったのですが、やはりもう、入れるときに全部入れないと、一部に入れても、なかなか全体には浸透しない。入れるんだったら全部ということで、普通教室および特別教室に、すべて電子黒板を入れています。
電子黒板はスクリーンの投影型になっていて、教室に備え付けPCが1台ある状態になっています。左側の写真がわかりやすいですが、後ろに黒板がある状態で、ホワイトボードの部分は可動式になっていますので、使わない場合には、ホワイトボード部分を端っこに寄せておいて、黒板だけ使うという形を取っています。

プロジェクターに映すときには真ん中に持ってくるという形を取っています。これが2011年の話です。情報コンセントも、このときに入れてあります。

電子黒板でやると、いろいろな授業が動画で視聴できたり、こちらのプレゼンテーションが見せやすくなるというのはあるのですが、一方向の授業になって、なかなか双方向(の授業)ができないというのが当時の意見としてありました。

また、ライティングとかスピーチのフィードバックとか、生徒が書いたものを投影するなど、動画や写真になってしまうので、それ以外の活用法はないかという話も、先生方から出ました。

来週文化祭があるんですが、そういった場面で電子黒板を使用して動画を見せるというのも非常に増えました。

あと数学科では、スタディサプリを導入する前だったので、自習用のデジタルコンテンツを自分たちで作成するという形を取っていました。そういう影響も、電子黒板のおかげで発展しました。

とはいっても、生徒の実践をリアルタイムで反映させるにはどうすればいいかということで、タブレットを試験導入したのが、2014年の話です。

このときは、グループ学習としての導入ということで、8台導入し、特別教室で試しにやってみるという状況でした。実践例として、私がやった授業ですが、2014年に水平思考をテーマとした問題解決学習とかを試してみました。

ただやはり、2014年は授業自体が変わっていくという時代になってきました。例えば、アクティブラーニングという言葉がもう出はじめてきたり、反転授業とか、協働学習、あとセンター試験も廃止されるよという話が出てきたり。

どうやって学校改革をしていかなきゃいけないかというその中で、2015年にSGH(スーパーグローバルハイスクール)のアソシエイト校に指定をされました。

つまり英語4技能の活用とか、英語改革というのが必要だと。とにかく、いろいろな改革が社会的に迫っているんだから、私たちも乗り遅れてはいけないということで、だったら、タブレットを一人1台にしようと決めました。

どのペースでやったかというと、2015年の9月に100台試験導入した後、翌年4月には、4学年一気に導入。その後は、入学生に導入していった結果、2018年4月、今年全部そろって、高校3年生までひとり1台所有という形になっています。ですので、現在1,600台、学校の中で動いているという状態になります。

ちなみにこのタブレットは、基本的には家庭で買ってもらう形を取っています。家庭で買ってもらうといっても機種は限定されるので、申し込みは一括で入学時にしてもらって、学校で配付するという形を取っています。ですので、所有権は家庭にあるという形です。

ICTの具体的な活用

では、どういうふうに活用しているかという状況の話です。スタディサプリの話を多めにしたほうがいいと思いますので、ここは早足でいきたいと思います。動画を1.5倍で見ているような感じで聞いていただければと思いますが。(会場笑い)

主に使用するシステム、アプリケーションということで、有名なものから、あまり聞かないものまであるかもしれません。

後で出てくるので、ロイロノート・スクールの話だけはしておきたいと思うのですが。結構有名になってきたアプリケーションです。カード単位で生徒とやりとりをして、生徒に送ったり、生徒から回収したりとかができるものです。生徒に送ったものというのを、回答を比較という形で、こういうふうに集めます。
これは中2ですが、生徒の回答を全部集めるという形でやっています。
今は名前を消していますが、実際は全部出る形になっています。その中で特徴的なものを4つくらい選び、解かせて比較して。例えば、平行線の角度の問題ですが、こうやってやっていくということです。

これのいいところは、回答を「出している」「出していない」というのがはっきりわかるというところです。生徒自身が出していないとわかっているので、なんとか出そうとする、周りに聞いてやるという感じがある。
数学の場合は、答えを黒板に書いてくださいというと、該当者は一人しかいないという場合がよくありますので、そうならないように、なるべく面白い回答は全部吸収しようと。

中学入試を受けてきている子なので、例えば、この問題の場合は、左上の回答、平行線を引いて終わりという形で基本的には教えられるのですが、実際、全然違う解き方というのが出てきて、ましてや右下の子は、解き方を知りませんと言っていますが、合っているという状況です。

だから、解き方を知らないというのは、ベストな解を知っているということと、混同してはいけないということです。解き方というのはいろいろあるんだよと。数学の場合はいろいろな方法があるんだよと、こういうのも吸い上げられたというのはいいところかなと思っています。

英語の場合ですが、音声と映像課題の提出ということで、例えば基礎英語のテキストの音読テストですが、音声として提出してもらうという方向を取っています。そうすると、英語の先生がいらっしゃったらわかると思いますが、読みのテストのために廊下に出させて、音読させて、他の人は教室で待っていて…ということをしなくて済みますので、そういうメリットがあります。

あと、映像課題も提出ができます。フランス語が必修科目になっているクラスがありますので、フランス語で日本の時間割を紹介するというプレゼンテーションをやっています。生徒が動画を撮って発表をするという形をやっています。

ロイロノートの活用

そして、宿題の回収・添削ということで、授業中にやっているものもありますが、例えばこれは国語のまとめを提出しなさいというものです。

授業中にまとめを書かせて、タブレットで上から撮って、ロイロで提出するという形を取る。早い先生は、集まった瞬間から添削して返却します。

後でスタディサプリのところでも重要になるんですが。宿題のノートを回収すると、職員室にノートが山のように積んだ状態になることがよくあると思うんです。でもこの方法だと、開く場所は決まっていますし、何より、返却しなくて済みます。
授業ノートとかを集めると、いつ返してくれるんですかというパターンもあって。そうしないと授業が進みませんという話になるので、だったら画像で提出してねという方法を取るということで、これをやっている先生はかなり増えてきました。

ロイロノート、こういうのを使用することによって、電子黒板ではできなかった生徒の反応というものを、リアルタイムで反映することができるし、出していないのはバレるので、生徒の授業の参加度を上げられるということです。

ただ、従来の授業とどっちがいいかということに関しては、まだわからないということが課題ではあります。確かに生徒の参加率は上がっているけれども、やはり、前のほうがいいんじゃないかという意見もあるかもしれません。

あと、学力効果をどう測定するかという話で、タブレットを導入して、まだ3年目です。私がいる中学3年生は、中1からタブレットを使っていますが、結果が出るのがあと3年後ですので、そのときにどうなっているかということが、なかなか測定しづらい。

特定できたとしても、学校改革の一環としてタブレットを使っているため、どの因子が貢献しているかというのは、正直わからないという部分があるので、その測定って難しいなと思っています。

manabaの活用

2つ目。manabaというものです。先ほどグーグルのものとか、授業支援のソフトがいろいろありましたが、本校の場合は、manabaというのを使っています。

大学でよく使われているシステムみたいなんですが、コースニュースとか、コンテンツがあって、連絡を全部置くことができる。これを、学校全体と、学年と、クラスの三つのコースに生徒を割り当てて、配付するという形を取っています。

場合によっては、部活や委員会のコースも作って、その中のスレッドで議論をするということもOKということにしています。

小テストも、4択とか入力式の場合は自動採点までできるので、作るのは大変ですが、その形で一気に採点をしたり。あとはコンピュータで入力するタイプのCBTというパターンがあったときに、やはりネックとなるのがタイピング速度ですので、タイピングをちゃんとできるかという形の小テストも実施したりとかしています。

リスニングもできますので、まだ活用はできていないのですが、こういうところでなんとか仕事量を削減できればと考えて導入しています。

ということで、いわゆるペーパーレスで紙の消費量は削減できるし、採点などの入力の手間は削減できます。ただ、これを作れる先生をいかに増やすかということと、どうやって工夫するかというところ。やはり、あとは、学力効果の測定は難しいという話があります。

あとおまけ的に、1対1のオンライン英会話です。QQ Englishを使っていますが、導入したのが早かったので、導入したときにNHKのおはよう日本でも取り上げられたのですが、今は、業者がすごく増えてきている状況です。

スタディサプリの導入背景

ここから本題で、スタディサプリの活用方法のお話をしていきたいと思います。スタディサプリに関しては、全生徒一括契約で予習や復習用に使用するという形を取っています。

本校がeラーニングを始めたのは、タブレット導入の2年前です。当時は複数のeラーニングを入れていたんですが、費用対効果とかレベルとか、いろいろなことが問題としてあって、なかなか使いづらかったという部分がありました。

私は学年主任もやっていますので、やはり稼働率は気になります。これが大きなポイントになるんですが。やはりちゃんと使ってもらわないと、何のために入れたんだという話になるというところは気にしなきゃいけないところで。

だったら思い切って、全学年スタディサプリのほうがいいんじゃないですかということで、担当の方とも相談をしながら、もうこれでいきましょうと決めました。

ただ、入れたのはいいけれども、どう使うのかは正直学年任せだったところがありました。そこで数学科は授業改革と併せて全授業で反転学習にすると、平成30年から決めました。

スタディサプリの基礎講座を予習課題として提示をし、テキストに書き込んだ予習。回収するとテキストが使えないので、先ほど言ったロイロノートの写真で提出をする。

授業に関しては、演習中心で、とにかく学び合い学習を中心とし、授業内でチェックテストまでを終わらせるという形で決めています。

これは教科全体で取り組むことに意味があるということで、数学科で昨年度の3学期から、シミュレーションをずっとしながら、4月からこれでいきましょうというふうに決めて、ベーシックの教材があるところに関しては、全部やっているという状態です。

スタディサプリ活用の具体的なプロセス

具体的なプロセスとしては、まずは、予習範囲。ここを予習してくださいというのを宿題で配信します。部活が忙しい子もいますので、予習範囲はなるべく広めに配信しておくと、休みや長期休業中に予習したり、全部一気にできますので、そういう形で宿題を配信する。

数学の山内先生の講義動画では基本的には、例題解説部分のみ。問題までやれるんだったら授業を聞く必要がないので、例題の部分を予習という形で、視聴してくださいと言います。

視聴してもらったスクリーンショットを、ロイロノートで提出してもらい、これで予習確認です。これも平常点に入れていますので、できない子も、予習していれば点数をもらえるという形を取っているということで、インセンティブを与えているという状況です。

中学の範囲は、中学●年生数学基礎という講座で、要点整理の部分と例題の部分を、高校は、先ほど言いました、ベーシックレベルの数学1Aとか2Bという部分です。こちらは要点整理が全部書いてあって、穴埋めの形になっているので、穴埋めの部分と、次のページの例題の部分、1セクションです。動画は、チャプター2つ分を見てもらうという形でやっています。これを、事前にやってもらう。

提出ができていることが確認できたら、あとは授業ですが、この授業のやり方に関しては、生徒のレベルとか、学年のレベル、内容があると思うので、教科書や、私の場合はプリントでやったりしています。

ちなみに細かい話ですが、私の場合、プリントの構成としては、左側に要点を全部まとめる形にしています。動画を見ているんだったら、ここまではまず埋めなさいという形を取っています。

ただ、教科書にはあって基礎講座では説明をしていない部分、演習問題にいかないと説明がないという部分もあるので、そのへんはこちらでフォローをする。あとは、具体的な問題とか発展問題とかをやっていくという形でやっていきます。

大体、1つのチャプター、1つの講座につき、授業2時間を目安にして、2時間目の最後にチェックテストを実施。

数学の場合は書き込みなので、基本は紙で印刷をして、配った後に、生徒に入力してもらって、授業中に先生が平均正答率を見ていくという形を取っています。

100パーセントがほとんどだけれども、一人だけ50パーセントだったら、その子のところに行って、ということをやっている先生もいます。

これで1サイクルを回していくと決めてやっています。これがうまくいくかどうかというのは正直わかりませんが。

ただ、同じことをやっていても、成果は出ないだろうと。やるんだったら、ちゃんとやらなきゃいけないという形でやっています。

先生の力量が問われる動画の補充部分

じゃあ、クレームは来ないかというと、正直、そうでもありません。当初は、だったら先生はいらないじゃないか、先生はまったく教えていないのかと思われることもありました。場合によっては、教科担当ではない先生がそれを理解していなければ、それだったら私でもできるよ、などと言っちゃうわけです。

見せて、解かせて、あとは点数にすればいいんじゃないか。でもそうではない。実際に先生の力量が問われるのは、動画の予習の後の補充部分です。協働学習とかをどういうふうにやるかという、そこがポイントだと思うんです。ここで個性を発揮できるかというところです。

なので私たちも、普段の授業とは全然違って、予習で何を話しているのかをちゃんと把握していなきゃいけない。私もスマホで山内先生の動画を全部ダウンロードして、時にはカフェとかでずっと見ながら、バーッとノートを書いてという形で。

そういったように、職員室でも数学の先生はずっと動画を見ているという状態になっています。まず動画で何をやっているかをチェックし、その上で、どこが足りないか、どこを補充したほうがいいか、ここは難しいから後で覚えようということを全部言ってあげて、チェックテストで満点を取れるようにするということです。

あと、すでにチェックテストを使っている先生方はわかると思うのですが、チェックテストはテキストの確認テストの類題になっているので、高得点を取りたい子は、指導をしなくても、実際に確認テストまで勉強をしてきます。

ですのでそうやって、先取りをどんどんやっていくことと、あとは、基礎的なものをやるために何をやればいいかがわかってくるという、その2つができてくれば、もっと成長してくるんじゃないかなと思っていますので、そこを期待しているところです。

到達度テストの結果に対して連動課題を配信

あと到達度テスト。テストを実施して、苦手課題が配信されるというものです。

正解率が伸びなかった設問に関して対応講義が出てくるので、生徒によりますが、これを夏休みの課題にするという形で、連動課題を配信する。

リクルートの担当の方にいくつならいけますかねと相談をして、多すぎてもできないでしょうという話があったので、重要度5番目までを配信。見なきゃいけないのが20、30と出ている子も正直いるんですが。なので、6番目以降は、成績表を元にやってねと。

ただし、国語に関してだけは、共通課題で現代文の読解のほうに切り替えました。

国語の先生に、現代文読解方法のこれを見たほうがいいと決めてもらうという形で。夏休みの宿題の半分はこれにして、残り半分は教科で決めてねという形で、私も主任として、宿題のトータル量をとにかく抑制しないと、絶対にやらなくなるので、過去より宿題の量は減らしています。

こういう形でちゃんと到達度テストが使えるように考えてやっています。

スタディサプリENGLISHの具体的な活用法

あと、スタディサプリENGLISHも今年から導入しました。一応、中学3年では、今までは基礎英語を見ていたんだけど、それをもうやめて、こっちにしましょうという形で読み替えています。

基礎英語が1日15分なので、1レッスン15分、1レベルが240レッスンだから1年間で終わる、これを目標として決めましょうと。

ただ本校の場合、帰国生が1割います。あとは英語の入試もやっているので、入ったときの英語差はかなりある。学校によっては、中学1年生はレベル1とか3とか決めてとあるかもしれないけど、本校ではそれができないため、レベルは自分で決めてもらっています。どのレベルにするかは任せるけど、240レッスンやってねと。

ちなみに、講座自体が英検の準1級レベルなので、準1級を取っている人はパスという方法を取っています。1級、準1級が何人か出てきたので、合格した場合はこれを免除して、別の勉強をしてもらうという形を取っています。

例えばこれはレベル4ですが、レベルは自分で選択し、レッスンをマスターする。金メダルか銀メダルがつく形を目指すという方法を取っています。

ちゃんとトレーニングを全部やると、4技能すべて取り組めるはずですので、全トレーニングはちゃんと頑張ってやってもらいました。

しかし何が起こったかというと、なかなかクリアできない子がいる。なので、じゃあ15分やっていればいいよというふうに妥協をしました。

夏休みの課題としては、8月分まで。6月から始めたので、3カ月分、60レッスン終了してください。合格できない場合には、15分で15時間学習してください。といったら今度は何が起こったかというと、オートリスニングという、聞き流しで15時間稼いだという子が出てくるという。(会場笑い)

それでは意味がないという話は、保護者会でしておきましたが。宿題を出さないと部活に出れないとか、これはたぶんどこも同じだと思うんですが。その気持ちはわかるけど、やるには意味があるよねという話は、学年通信に書いたり、学年ガイダンスで話したりしています。

あと先ほど、レッスンが終わったか終わっていないかというのが、こちらが見ている画面とズレているためにけんかになるという話が他の先生の事例でありましたが、本校は自己申告制を取っていて、終了した画面のスクリーンショットを提出という形を取っています。スクリーンショットを、先ほどのロイロに送ってもらえれば、それで見られる形になっていますので、そういう方法もあるかなと思います。

ICTの推進体制

本校の場合、どういうふうにICTを導入するかというところが気になっている学校もあるかと思いますので、ここから推進体制のお話となります。

思い切って導入することが大事であり、全教室に全員で始めないと、結局全体には回らないということ。あとは、誰かがリーダーシップを取らないといけない。それは教員でもいいし、管理職でもいいけれども、意思決定権がある人を動かさないと、結局全部入らないよという状況になる。

そして、現場教員の意識を、授業改革とかで上げなきゃいけないんだけれども、その中で大事なのは、「ハードルを下げる」こと。
要するに、いろいろなアプリをやりたいという先生もいるかもしれないけど、アプリが増えるだけ、障壁は上がっていく。だからまずは、すべてはタブレットじゃなくてもいいよ、ただし、ロイロは使ってねとか、そういう形にする。アナログ授業も別に悪くはないよという話をして、あとは、教科主体で研修をやっています。

生徒に対しては、あくまでもタブレットは学習のためだという話とか、丁寧に扱ってねとかいう話とかをしています。生徒が購入しますが、学校で配付するので、2時間でガイダンスを一気にやる方法を取っています。

基本的には、管理は保護者にしてもらうということと、各自で対応してもらうということ。家でネットにつながりませんという質問が結構電話で来るんですが、頑張ってくださいと言うしかないという状況です。あと、最初のほうだけヘルプデスクは開設しますが、そのあとは学校でやります。

壊れたときにどうするんですかとよく聞かれるのですが、何も言わないと、ICTに詳しい特定の先生のところへ全部回ってきてしまうので、まず担任を通してねという話をしています。あとは、校内の売店が一応メーカーとやりとりをしているので、そこから回し、担任へ戻すという形を取っています。

校内の売店で、タッチペンとかも売っています。細かい話ですが、勝手に修理に持っていってくださいと言うと単なる充電切れで持っていく子もいるので、修理に持っていっていいですよという許可証を一応出すという方法を取っています。

管理はICT委員会というところが中心でやっています。ただ、このICT委員会というのは、メンバーは10人くらいいるんですが、その先生方には学年での修理対応の窓口になってもらい、本質的には委員長の私とICT担当の情報科教員の2人で全体像は構築しています。

プログラミングとポートフォリオの新しい取り組み

最後に、今取り組み始めているものを2つ紹介して、終わりにしたいと思います。

まずは、プログラミング的思考をやろうということで、教科横断型のプログラミング授業を年に7回やっています。

7回というのは、1回目は社会科、2回目は数学科、3回目は体育、4回目は理科、5回目は芸術という感じで、1科目から7時間もらって、1時間ずつやっています。例えば1時間目の社会では、レジの構造というのはどうなってるかという話をしていくという形です。
2時間目の数学の時間にやったことを紹介します。まず、Hour of code、スクラッチですね。それに取り組んでまずは遊びましょうという感じです。

そのあと、フローチャートの説明をし、Hour of codeで動かしたフローチャートを実際に書いてもらって進めていくという形です。プログラミング自体をやるかというと、そうではないということです。ただ、中学1年生向けには、プログラミングをやっているところもあります。

あと、やはり、ポートフォリオですね。これをどうしようかと悩んでいることが多くて。2020年における選抜に向けて、いろいろやらなきゃいけない。ポートフォリオに書けるような行事をやらなければいけないと考えています。

調査書にはこういうことを書かなきゃいけないということで、これは頭が痛い。大変になってきます。この図は、リクルートさんが作成した資料ですが。eポートフォリオのために、スタディサプリで入力し、学びをまとめていくという形を取っているので、まずは活動メモを作ることからかな、と始めているところです。

ただ、年度始めの時点で、eポートフォリオの危機を感じているのが、正直まだ高校1年生の先生しかいないという状況もありました。私も中3なので、始めなきゃという感じでいます。

ちゃんとやっている先生は、学びに関してこういうのを書きましょうと促していて、探究活動でこういうことをやりましたとか、中間試験の振り返りはこうやりましたとちゃんと書いている子は書いているし、写真で撮っている子は撮っている。

ただ、これは本当にいい例であって、2つ問題があり、これを全部の生徒がやっているわけではないということ。そして、これをポートフォリオに移すときにどうするかというところが、今課題になっているところです。

それに関しては、またポートフォリオ委員会というのを設置して、どうやったらポートフォリオに持っていくか検討をする。まずは活動メモをどうやって書くかというところを今後考えていきたいと思います。

ということで、本当に駆け足になって申し訳ございませんでしたが、時間になりましたので私の話を終わらせていただきます。いろいろなことを共有しながら、今後もやっていきたいと思いますので、ご意見をいただければと思います。本日はご清聴ありがとうございました。
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