インタビュー詳細
広島翔洋高等学校(広島) 校長/松田先生

広島翔洋高等学校(広島) 校長/松田先生

※ 掲載内容は2019年2月現在のものです。

10年先を見据えた学校改革を。 育てたいのは未来を拓くチカラ


校名に込められた 「未来を拓くチカラ」を育てたい

本校は、全国で5番目に設立されたという名誉ある歴史を誇る「広島女子商業高校」を母体として発展してきた高校です。「堅実」「誠実」「律儀」「活発」「チャレンジ精神」「確かな力」などの言葉がすぐに浮かぶほどの校風を創り上げ、勉学、部活動の両面から全国にその名を知らしめてきました。その広島女子商業高校の建学の精神を継承しながら、平成20年には普通科とビジネス科を設置した男女共学の広島翔洋高校として生まれ変わりました。

「翔洋」という校名には、生徒たちに「未来を拓くチカラ」を身につけ、社会に大きく羽ばたいてほしいという願いが込められています。「未来を拓くチカラ」を養うために掲げているのが3つの教育目標です。

1.学習目標の確立と自主的学習態度を育成する。
2.礼儀正しく、規律を重んじ、豊かな情操と明朗な性格を持つ人間を育成する。
3.保護者や地域社会に開かれた学校づくりを展開する。

授業改善の視点として「主体的・対話的で深い学び」という表現がありますが、本校が掲げる1つ目の教育目標も、軌を一にするものだと考えています。課題は「与えられるもの」ではなく、「自ら見つけるもの」。生徒たちには、現状把握・課題抽出・問題解決・振り返りという学習プロセスを通じて、自ら思考・判断・実行・行動する力をつけてほしいと考えています。もちろん、そうした力を身につけるには、知識を習得する授業だけに止まらず、部活動や委員会活動という場も活用すべきでしょう。本校には部活動に参加する生徒も多く、部活動を通して身につけた主体性やリーダーシップなどを、普段の授業でも積極的に活用するよう促しています。

10年先を見据えた学校改革へ舵を取る どんな未来にも対応できる力と自信を

2020年の大学入試改革を含む戦後最大規模と言われる「教育改革」が迫っています。そうした中、これからの高校教育は「未来」を抜きにして語ることはできません。例えば、10年後には、AIの技術革新がすさまじい勢いで進む中で、今ある仕事のほとんどがAIに代わられると言われています。当然新しい仕事も生まれてくるとは思いますが、それを予測することは困難です。ここで強調したいのは、高校教育は、10年先を見据えて学校改革を推進しなければならないということです。その意味では、どんな未来であっても対応できる力が身につく教育を行うべきでしょう。

広島翔洋高等学校(広島) 校長/松田先生

未来を見据えた教育改革の一つとして、本校では、国公立大学・難関私立大学への進学をめざす「特進コース」を設置しました。スタディサプリを活用した反転授業を導入し、学習習慣の確立と応用・発展問題へ対応できる学力向上をサポートしています。また、校内にプロジェクトチームを設け、アクティブラーニングを取り入れた授業実践にも注力しています。成果として現れるには時間を要すると思いますが、教員同士でお互いの授業を見学し合うという取り組みも生まれました。若手教員の中には、ベテラン教員の授業を見て「これは取り入れてみよう」と新しい気づきを得る場になっているようで、ベテラン・若手教員の隔てなく指導力向上につながっています。

カリキュラムマネジメントや新大学入試への対応など、課題も山積みで、正直一つひとつに対応することで精一杯です。しかし、高校を取り巻く環境は依然厳しく、学校を存続させるためにも、校長が先導を切って未来への準備を行う必要があると思います。ただ、その一方で忘れてはならないのが、生徒たちに自信を植え付けること。嬉しいことに、卒業後に学校を訪ねてくる生徒も多く、「この学校でよかった」「先生が担任でよかった」と言われると、私たちがやってきた教育は間違いではなかったと強く実感します。校長としては、独りよがりになることなく、生徒、先生と同じ目線で会話することで、いつでも相談しやすい距離感を保つことを意識しています。

「ピンチ」の対義語は「チャンス」ではない。 どれだけ「準備」を万全にできるか

新学習指導要領の全面実施に向けて、対応を急ぐ高校が増えています。この事態を高校経営のピンチと捉えている方もいるかと思います。一つだけ言えるのは、ピンチの対義語は「チャンス」ではなく、「準備」だということ。準備するからこそチャンスにつなげることができるのです。

うまくいかないと、不安に感じたり、ネガティブな気持ちになったりしがちですが、現状の課題を受け止め、苦しい試練を乗り越えた者にこそチャンスは訪れます。本校が置かれている状況も決して安泰ではありません。まずは、現場の先生方の協力を得ながら、授業改善に取り組むのが改革の第一歩。授業改革を足がかかりに、10年後、20年後も生徒、保護者、地域から選ばれる広島翔洋高校を目指して準備を進めていきます。



広島翔洋高等学校(広島)
学 科:
普通科(特進コース、進学コース)/ビジネス科
生徒数:
1学年250名 2学年219名 3学年193名

広島翔洋高等学校(広島)



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