活用事例

テストから復習までのPDCAサイクルを構築。基礎学力が定着し、苦手分野を克服

本所高等学校(東京都)
2020.10.21
情報科/大和先生
課題
  • 以前導入していたツールは、「課題提出」で終わってしまい、その後の「基礎学力の補完」まで取り組めていなかった。「到達度テスト」でできなかった課題を個々に復習できるツールがあれば基礎学力の定着につながるのではないかと考えていた。
  • 英語は大学進学以外でも必要とされる科目。基礎学力が定着していないのではないかと危惧し、中学校の既習範囲からフォローできる教材を探していた。
 活用ポイント
  •  「到達度テスト」を実施し、苦手分野を特定したうえで、週次で連動課題を配信。長期休暇時はテキストも併せて配信した。宿題配信の際にコメント欄を使用し、生徒のモチベーションアップを図った。
  •  暗記だけでは受験で結果を出せないため、宿題は講義動画と「確認テスト」をセットにすることで学びの定着を図った。理系の生徒には毎週、学び直しとして数学ⅠAの範囲を単元ごとに配信し、宿題の提出率は80~90%となっている。
 活用効果
  •  これまで模試の点数が下がり続けていたが、その下がり幅が少なくなり、緩やかになってきた。
  •  「定期テスト前に動画を見るとピンポイントで理解ができるから良い」という声が聞こえるように。復習のサイクルが回るようになったことで苦手分野を克服することができていると実感。

復習問題に取り組んで終わらせるのではなく
基礎学力を補完できる教材を探していた

本校が目指すのは、相互の人格を磨き合い、教養を深めるとともに、チャレンジ精神を開拓することによって、所属していることを誇れる学校です。生徒の「豊かな人間性」、「次代を担う力」および「社会貢献する精神」の育成に取り組んでいます。今年度は、都から進学指導研究校の指定を受け、SDGs(持続可能な開発目標)の視点を取り入れた探究学習や主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業研究などに取り組んでいます。

学習面の課題として挙がっていたのは「基礎学力の低下」です。そのため、以前から他社サービスを通じて復習問題に取り組ませ、それを宿題として提出させていましたが、果たして基礎学力補完ができているのかどうか疑問でした。また、教科の中でも特に英語の基礎学力が不足していると感じていたこともあり、中学校の既習範囲までさかのぼってフォローできる教材を探していました。

スタディサプリを導入した目的は、進学・進路のベースとなる基礎学力向上です。しかし、当初導入した学年では、講義動画の視聴時間が伸びずに年度が終了しました。そこで講義動画の視聴時間を伸ばすのではなく、「到達度テスト」から復習までの一連の流れの中でPDCAサイクルを回す使い方ができないかと模索していました。

「連動課題配信」と「宿題配信」の2方向で
活用方法を策定し理解の定着を重視

初年度の活用状況を踏まえて、より定着させるために「連動課題配信」と「宿題配信」の2つに分けて取り組みました。連動課題配信は、「到達度テスト」実施後にテスト内容と連動した課題を毎週配信し、それに加えてGWや長期休暇にはテキストも併せて配信しました。一方の宿題配信は、初年度は春休み前に苦手分野を配信する程度にとどまっていましたが、2年目からは毎週の課題配信に切り替え、管理のため宿題タイトルには付番をしています。

英語と国語は特に基礎固めが必要なため、既習範囲の学び直しに加えて、「到達度テスト」で苦手だった分野を配信しています。理系の生徒には、毎週数学ⅠAの範囲を単元ごとに配信を行い、提出率は80~90%と高い数字が出ています。また、定期テストの際、暗記してその場しのぎをする生徒が多かったため、スタディサプリを用いることでより理解を定着させ、長期記憶に持ち込めるよう、100点を取るまで何回も同じ課題に取り組んでもらっています。

宿題配信時にはコメント欄を活用しています。例えば、その課題を解くことの意味づけにつながるメッセージを送信したり、課題が未提出の生徒にプッシュするコメントを送ったりなど、一人ひとりとコミュニケーションを図って、モチベーションを刺激できるように工夫しています。

生徒の現状が詳細に把握できることで、
効果的なフォローを行えるように

スタディサプリ活用の成果は模試の結果に表れました。これまで模試の成績が低下傾向にありましたが、下がり幅が緩やかになり、ある生徒は偏差値が-1.7だったところ、スタディサプリ導入後に+0.1へと変化しました。生徒たちは「テスト前に苦手な範囲の動画を見るとピンポイントで理解ができるから良い」と話しています。

わからないところがあっても、教員に質問しづらいと感じている生徒にとっては、スタディサプリの講義動画は新たな自己解決の手段になった側面もあると思います。また、復習のサイクルが回るにしたがって、以前できなかった問題ができるようになることは、生徒にとって大きな自信になるでしょう。

スタディサプリという学習の手段が増えたことで、「苦手をつぶそう」という声掛けをしたり、「受験をしなくても『到達度テスト』で点が取れないとダメだよね」など、教員からコミュニケーションを取る機会が増えました。教員側のメリットとしては「宿題のためのプリント作成や採点の作業に時間を取られなくなったのが良い」という声が上がったほか、正答率の低い生徒を把握できること、その生徒が「やっていない」のか「わからない」のかを予測したフォローができることが挙げられています。今期はテキストを購入したため、活用方法をさらに進化させることで視聴時間を増やして、復習につなげていきたいです。

「教員=教える+○○(新しい役割)」の○○にあてはまるこれからの教員のありかたとは―
教員=教える+「フォローする」

教員は、主体的に学習する生徒を見守り、適宜フォローするのが理想の姿だと思います。
スタディサプリの活用においても、生徒自身が自ら計画し取り組んでいけるよう促すことで、生徒の主体性を育んで生きたいと考えています。
本所高等学校(東京都)
学科:普通科
生徒数:1学年239人、2学年239人、3学年234人
 
ページ内容は2020年10月時点の情報です。
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