活用事例

事前の勉強会で導入時の不安を解消。教員の業務負荷も減り、授業進行もスムーズに

美馬市立穴吹中学校(徳島県)
2022.1.11
国語/吉浦先生、社会/藤本先生、社会/宇山先生
課題
  • 令和2年度に学校で徳島県指定のEdTech活用推進事業を引き受けたものの、1人1台端末が到着したのが令和2年11月であり、期間が無い中でどんな教材を選び、どのような活用を進めていくべきか不安であった。
  • ICTに長けたプロ的な教員はおらず、不慣れな教員もいる中で、誰か1人に活用を頼り切ってしまうとその教員が異動した時に一気に活用が停滞してしまうことが懸念された。
活用ポイント
  • 「Done is better than perfect」を合言葉に、教員1人1人がまず使ってみることを心掛け、分からない部分は授業研究会や定例進捗会議、また自然発生的な職員室内の会話で情報共有を行い、全体のレベルアップを図った。
  • 「宿題配信機能」「確認テスト」「アンケート機能」「メッセージ機能」を効果的に用いて、前回授業の復習や授業内での問題演習、グループワークの活性化に役立てている。
 活用効果
  • 英語では、授業開始前に前回の復習課題を『スタディサプリ』で解く流れを定着させたことで、生徒が自然と授業前に着席して学習するように。生徒の学びに向かう姿勢の改善と、教員の声かけ負荷軽減につながった。
  • 国語では、「アンケート機能」や「メッセージ機能」を用いて授業内で扱う作品や指示を授業前・授業中に配信。付箋などで行っていた意見投票がスピーディーになり、業務負荷の削減とスムーズな授業進行に繋がった。

県指定のEdTech活用推進校として、
新たな時代の要請に対応した教育の実践を目指す

本校は徳島県の北西地域、北部の中央に位置する美馬市の公立中学校です。「自主」「創造」「勤労」を校訓として、今年度は「あらゆることを『自分事』として考え、学び合い・高め合う学校づくり〜ファシリテーションとICTでつくる持続可能な学びの場〜」を重点目標に据えて、社会の一員として自立した人材になれるよう、その基盤づくりにあたっています。

本年度は、折しもGIGAスクール元年。急速に進展する情報化への対応や国の情報化施策の動向を踏まえ、徳島県GIGAスクール構想が立ち上げられる中、「EdTechを活用した学びの場構築事業」「子供の学びを支え深化させるEdTech活用推進事業」の対象校として、生徒1人1台の端末及び高速大容量の通信ネットワークが整備されるとともに、教員には新たな時代の要請に対応した教育の実践が求められています。

当初は、期間が無い中でどの教材を選び、どのような活用を進めていくべきか、本校でも不安でした。導入する段階で様々なICT教材を使ってみましたが、『スタディサプリ』はネームバリューがあること、また多くの人に使われているICT教材ゆえに、当校でも安心して使えるのではないかという期待感がありました。最終的に、市内の教員の意向を反映する形で、全中学校に『スタディサプリ』を導入することが決まりました。

『スタディサプリ』を活用する上で意識したのは、初めから理想形を求めすぎないこと。県内の先進校に視察に行き、児童がタブレットを使って授業をしている状態を見ましたが、結論は「とにかく使ってみよう」と。「Done is better than perfect」を合言葉に、とりあえず使ってみて、課題が出てきたらその都度対応するトライ&エラーでの活用を心がけました。教員全員がICTに長けているわけではないですし、誰か1人に頼ってしまうとその職員が異動した際に一気に停滞してしまう懸念がありますので、全員で少しずつレベルアップを図りました。マラソンで例えると、先頭集団ではなく第2集団でもない「脱落者がいない第3集団」のイメージで、誰一人取り残すことなく、個別最適化された学びを持続的に行うことを大切にしています。

日常的な職員室内での情報共有をベースに、
教科ごと授業内での活用方法を確立

県指定のEdTech活用推進校としてICT教材を使っていこうという機運の中で、「何が教育効果につながるか」はもちろん、「どのように使うか」に非常に悩みました。「使いましょう」だけでは不得意な人は使いづらいので、負担にならないよう「普段の授業+ICT」の授業研究会を行ったほか、月に一度の定例進捗会議では2人1組で仕事の進捗や悩みなどの共通理解を行い、最後にホワイトボードで全員に共有する形を取っています。行動計画を定める校長、渉外を担う教頭、情報入手や発案を行うICT担当という役割の下、全教員が一丸となり、教科横断的に相談しやすい雰囲気が日常的に職員室にあることが、本校におけるICT推進のベースになっています。


具体的な活用方法は教科ごとに異なります。英語は、文法事項などの復習に『スタディサプリ』を活用。授業開始前にあらかじめ前回授業の復習課題を配信しておき、授業冒頭で「確認テスト」に取り組ませることで授業内容の定着を図りました。この「冒頭で前回の復習をしてから授業を始める」という流れを帯学習のように定着化させたことで、「生徒の学ぶ姿勢」にも変化が現れました。それまでも授業開始の2分前には着席するよう声かけをしていたのですが、中学生ですので中々難しい所もありました。しかし、この帯学習を定着させて以降は、生徒もスタディサプリから授業が始まることを理解しているため、いち早く取り組もうと自発的に2分前に着席し、学習に取りかかるようになりました。

数学では、授業の終盤に該当単元の「確認テスト」を配信。生徒は配信された確認テストを解いて、授業内容の演習を行っています。数学は、解き方が定着するまでは、問題を何度も繰り返し解くことが重要な教科です。『スタディサプリ』は問題数が多いだけでなく、教員側でプリントを作る必要や、採点する必要もなく、生徒の取り組みも管理画面上で簡単にできるので、業務負担の軽減につながりました。

また、業者が実施する実力テストの範囲に対応する講義を教員側でピックアップして配信し、授業内でテスト勉強を行うという取り組みも始めています。理解が十分でない生徒は、動画を見て復習することで、より授業内容が定着すると考えています。

国語では、「アンケート機能」を授業内で活用しています。『スタディサプリ』を導入する前は、作品に対する意見投票やディスカッションをする際に、シールや付箋で集計していました。授業の流れが途切れてしまうばかりか、投票が集まるかどうかについても不安なところがありました。『スタディサプリ』を活用することで、授業の流れを止めずに、わずか数分で生徒の意見や投票を集計。スムーズな授業進行につながりました。また、「メッセージ機能」であらかじめ指示や教材を送っておくことで、生徒は画面を見てすぐに対応ができます。印刷して渡したり、黒板に指示を書いたりする必要がなくなり、業務負担を軽減することができました。

理科では、それまでプリントで実施していた宿題を、「確認テスト」の提出に置き換えました。プリントの宿題を実施していたときは印刷や配布、回収の手間を感じていたほか、時折記名を忘れる生徒もいて、誰が提出したのか確認するのに苦労していましたが、そうした心配も無くなり、業務負担も大幅に軽減されました。

Society5.0時代を生き抜く生徒たちに
ICTに触れられる機会を提供できた

導入して数ヶ月で教員の業務負荷軽減と生徒の学びに向かう姿勢の変化を実感しました。導入初期こそ細かく指示をしましたが、今では「スタサプ開いて」と指示したら、生徒たちは滞りなく各教科の課題を行えるように。タブレットの特性とも言えるかもしれませんが、紙媒体のプリント学習では途中で諦めてしまう生徒も、スタサプでは根気強く取り組むことができています。学ぶ姿勢を育むことはもちろん、Society5.0時代を生きる生徒たちに、ICTに触れられる機会を提供できたのは大きかったと考えています。
これまでは授業内での活用に力を入れてきましたが、今後は長期休暇中の補充学習における活用や、タブレットの持ち帰りに応じた家庭学習での活用なども見据えています。せっかくタブレットを持っていても、個別に学習してそれで終了ではいけません。そのタブレットを活用し、生徒がお互いに分からない部分を学び合いに繋げていくことが非常に重要です。どのように主体的でかつ対話的な学びを創ることができるか、引き続き教員一丸となって効果的なICT活用を目指していきたいです。
美馬市立穴吹中学校(徳島県)
生徒数:1学年21名 2学年18名 3学年22名 

ページ内容は2022年1月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
スタディサプリ
|CONTACT|

お問い合わせ

スタディサプリ学校向けサービスの導入に関する
ご質問・ご確認は、お気軽にお問い合わせください。
ページトップ