『スタディサプリ』活用の目的は、基礎学力の向上と学習習慣の定着です。以前は、週末課題を紙ベースで取り組ませており、なかなか定着しませんでしたが、取り組みのハードルが低いICT教材なら、家庭学習の習慣化を図ることができるのではないかと考えました。実際に、教科書は開かないが、スマホは開くという生徒も多く、苦手教科を学習するきっかけにもなっています。
具体的な活用方法は、木曜日に課題を配信し、月曜日にその取り組みをチェック。火曜日、水曜日には教員からの声かけと、取り組めなかった生徒に居残りで完了させるというルーティンを徹底しました。また、知識の定着に『スタディサプリ』を活用し、授業では思考を伴うより深い内容を中心に取り組ませるという試みも行っています。
数学では、進学した大学や社会で役立つ力を身に付けることを目的に、『スタディサプリ』で単元ごとに取り組みやすい分量を配信し、数式の理解や計算力向上などの基礎力向上を目指して活用しています。国語は、授業の中で扱える範囲に限界があり、『スタディサプリ』の「チェックテスト」を用いて知識や語彙力の習得を行い、授業では文章読解などの思考を必要とする問題に注力できるようにしています。同じように、古典では文法を中心に『スタディサプリ』で学習し、授業では「読む」「書く」「話す」ことに力を入れた学習を行っています。英語は、英語自体を苦手とする生徒が多いため、探究科の生徒にベーシックの文法から、科学技術科の生徒に中学講座から取り組ませています。
チーム2学年
最も重要なのは「継続」です。教員が学年でチームとなり、どうしたら「継続は力なり」を実現できるかを常に試行錯誤しています。生徒を信じながらも、負荷が大きくなると取り組めない生徒が出てくるので、まずはスモールステップで促してみること。その後、取り組み状況をレビューして、最適な方法は何かをさらに考えて、活用方法を変化させていくことが大切です。その点、『スタディサプリ』は、どの生徒が取り組んでいるのかすぐに確認できるため状況を把握しやすく、また、正答率が一目瞭然のため、正答率50%の生徒に絞って課題配信を行うなどフォローアップすることができます。フォローアップの条件を30%に下げた方が「悔しい」という気持ちで頑張る刺激になるのか、それとも80%に上げた方がやる気が出るのか、様々な方法をチームで話し合っています。
取り組みを促す方法も、各教員が生徒たちの状況や雰囲気に合わせて選択しています。例えば、あるクラスでは提出状況を画面に投影して、未提出の生徒をあえて掲示して見せたり、未提出の生徒たちに掃除を担当してもらったり、朝読書の時間に生徒一人ひとりに声かけを行うなど、学習の意識づけを様々な方法で行っています。また、保護者にも一斉メールで学習状況を通知し、教員、生徒、保護者が一体となって取り組みを行っています。