活用事例

多様な生徒の学びを支えるICT教材で
学習の機会を広げ、確かな学力を育てる

埼玉県立羽生第一高等学校(埼玉県)
2021.12.14
進路指導主事・国語/中里先生
課題
  • 入学者の学力差が広がっている状況の中で、一人ひとりに合わせた指導が求められている。
  • 全校生徒に『スタディサプリ』を導入したものの、ICT教材に対する理解の進んでいない教員が多く、学校全体で取り組んでいける体制を構築する必要があった。

 活用ポイント
  • 「到達度テスト」の範囲+学校の授業に合った講義動画を各教科の教員が責任をもって配信。授業内容と関連づけた動画の配信で生徒のモチベーションを上げ、基礎学力の定着と学習習慣をつける。
  • 担任がクラス全員の取り組み状況を印刷して教室に掲示し、生徒に具体的な声かけを行う。やる気のある生徒をほめて伸ばし、やらない生徒を感化した。
 活用効果
  • 『スタディサプリ』を苦手克服ツールとして活用したり、入試対策講座を見たりと、教員の手を離れて自主的に学習する生徒が出てきた。
  • 進路指導部の教員だけでなく、担任や各教科の教員を巻き込んだ活用で共通理解が得やすくなり、組織として活用を推進できるようになった。

質の高いスタディサプリの講義動画を活用し
小規模校ならではの細やかな指導を

本校は、地域の熱い要望により1976年に開校した共学校です。「地域に根差した進学校」として期待に応えるため、校訓である「自主・自律 求めて強き風に立つ」の精神のもと、積極的に課題解決に挑戦する生徒の育成に取り組んでいます。小規模校ならではの利点を生かし、生徒一人ひとりに寄り添った指導を大切にしています。教員は普段から個人面談を行うなど、アットホームな雰囲気が特徴です。学習面でも生徒それぞれの習熟度を意識して、きめ細やかに指導しています。

『スタディサプリ』は、2013年に国公立大学・難関私立大学を目指す特別進学クラス(以下「特進クラス」)の補習のために導入しました。当時は、補習における教員の負担軽減を検討し、またタブレット導入にともなうICT教材を探していたところでした。他社のICT教材と比較して、講義動画の質の高さが決め手となり、『スタディサプリ』の導入にいたりました。2018年より全校生徒に活用を広げ、現在は1学年から『スタディサプリ』に取り組んでいます。

導入当初、『スタディサプリ』という教材を理解している教員が少なく、IDの管理や学習の進捗管理を行うことを考えると、負担が増える、余計な仕事が増えてしまうといった消極的な声も上がりました。他にも「到達度テスト」後の連動課題配信は流しっぱなしになってしまうのではないか、誰が生徒の視聴管理するのかなど、導入にあたって万全の準備ができていたわけではありません。最終的に、生徒全員でなくてもやれる生徒だけがやればいいという話になったのですが、それでは配信する意味がありません。生徒の基礎学力の定着や学習習慣をつけるためにも『スタディサプリ』を活用すべきだと考え、進路指導部の教員を中心に取り組んできました。

スタディサプリと授業・定期考査を連動。
生徒のやる気を引き出すシステムを考案

全校生徒に導入して3年が経ち、教員も使い勝手がわかってきました。「『スタディサプリ』を使ってこういう指導をやりたい」という共通理解が得やすくなり、各教科の教員、進路指導部の教員が協力して、的確に課題配信を行っています。また、コロナ禍の休校期間中に『スタディサプリ』のメッセージ機能を使って、生徒とコミュニケーションをとるといった取り組みも見られました。アンケート機能を進路調査などに活用するなど、学習以外の使い方も広まっています。

現在は、半年に一度の「到達度テスト」の範囲に加え、定期考査対策として学校の授業と関連した講義動画も活用しています。1学年はゴールデンウィークあたりから「中学総復習講座」を配信。軌道にのったところで中間テスト対策、その次は夏休みまでの授業内容と関連した講義動画を配信することで、基礎学力と学習習慣の定着をはかっています。

宿題配信機能も活用しており、現在は毎週金曜日に3教科、土日に3時間で終わる分量の課題を教科担当が責任をもって選定、配信しています。「宿題は授業で習った範囲で次のテスト範囲にもなっているから、復習していないとテストで点を取れない」などと、授業やテストと絡めて声かけを実施。「到達度テスト」だけでなく、『スタディサプリ』と学校の授業や定期考査と連動させると、生徒のモチベーションもアップします。また、英検対策講座や3学年の進学補習など活用も広がってきました。

とはいえ、学習習慣のない生徒に課題を与えただけでは、積極的に取り組むことは難しいでしょう。意識して生徒に声かけをしないと、視聴しない可能性もあると思っています。生徒のやる気を引き出すために、クラス全員の「取り組み状況一覧」を印刷して教室に掲示しました。意外な生徒ががんばっている、ある生徒は夜遅くに取り組んでいる、別の生徒は登校前に視聴しているなど、クラスメイトのがんばりに生徒たちも刺激を受け、生徒同士や担任とのコミュニケーションに一役買っています。教員は、やってない素振りを見せながら実はしっかり学習している生徒や、期限切れにならないように取り組んでいる生徒など、陰の努力に目を向けることもできます。がんばっている生徒はほめて、さらにやる気を高めてもらいたい。学習意欲が低い生徒も、まわりに刺激を受けて学習に前向きになれるよう、声かけの回数を増やすようにしています。

苦手克服に、学び直しに、活用法はさまざま。
スタディサプリの活用が、本校のアピールポイントに

『スタディサプリ』の使い方をつかんできた生徒は、苦手分野の動画を視聴したり、入試対策講座に取り組んだりと、教員の手を離れて積極的に取り組むようになっています。3年間で、生徒なりの手ごたえをつかんだのではないでしょうか。これまでは、距離の問題や経済的な問題で塾や予備校に通えなかった生徒もいたと思いますが、『スタディサプリ』を使えば、そういった問題を解消し、学習の機会を広げていくこともできると思います。

保護者の認知度も上がってきていると実感しています。入学前に『スタディサプリ』の活用について質問を受けたり、中学で個人契約をしていた人から継続について相談があったり……。保護者にとっても、リーズナブルで効果のある『スタディサプリ』は魅力的なのだと思います。学校全体での取り組みは、本校のアピールポイントにもなっています。

一方で、入学者の学力差が広がっていることも課題となっています。授業は、どうしても中間層を対象として行わざるを得ないため、一人ひとりの生徒に十分な対応ができない葛藤もあります。下位層には『スタディサプリ』の学び直しで底上げをはかり、上位層は大学入試を意識した先取学習でさらに上を目指す。生徒の多様化という流れの中で、一人ひとりに合わせた教育が必要だと感じています。本校のような課題を抱える高校にとって、『スタディサプリ』は重要なツールになっていくと考えます。

「教員=教える+アドバイスで支える」

『スタディサプリ』を通して前向きに取り組もうとする生徒は増えつつあります。しかし、もう高校生とは言え、まだ高校生。教員には、これまでの経験をもとに生徒の悩みに応え、困っているときに的確に助言できる、アドバイザー的な役割が求められるのではないでしょうか。好きにやっているようで、ときどき不安になって、立ち止まったり振り返ったりする生徒もいます。なんでもICTで解決できるデジタル世代には、本を読む、辞書を引く、図書館で調べるなどの経験が少ないのだと思います。悩みを聞いて「どこかには書いてあるよね」と思うことも……。デジタルツールにはできないアドバイスで、生徒を支えていきたいですね。

埼玉県立羽生第一高等学校(埼玉県)
学科:普通
生徒数: 1学年155名 2学年179名 3学年189名
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