活用事例

教科書に沿ったICT学習による効率化で、分散登校により削減された授業時間をカバー

大泉町立北小学校(群馬県)
2021.11.8
ICT活用班・6学年教諭/大家先生
課題
  • 本年度より「Chromebook」が導入され、『スタディサプリ』の導入が始まった。教員の知識や技術の習得、ICT教材を生かした授業づくりのための時間を確保できるのか不安だった。
  • ICTに苦手意識を持っている教員もいるため、活用を進める上で教員にかかる負担も懸念された。
 活用ポイント
  • 情報主任やICT担当教員を中心に登録からスタート。教員に大きな負担をかけることなく、学年を越えて協力し合いながら進められた。また、『スタディサプリ』を課題とすることで、丸つけや宿題チェックの時間を短縮することができ、業務改善にもつながった。
  • 分散登校中の『スタディサプリ』活用を促すために、教員が講義動画を視聴した上で、教科書に沿ったワークシートを作成して児童に配布。学びを止めることなく、学習を進められた。
 活用効果
  • 『スタディサプリ』を使い始めた児童から「おもしろい」「わかりやすい」という声があがった。保護者からも「文字を書くことが苦手でプリントの宿題になかなか取り組めていなかったが、『スタディサプリ』には取り組んでいる」という声が寄せられた。
  • 分散登校期間のため大幅に削れてしまった授業時間を、『スタディサプリ』を利用した予習で取り戻すことができた。

GIGAスクール構想のもと一人一台の端末導入が決定。
ICT教材をどのように活用していくかが課題

本校のある大泉町は群馬県の東南部に位置しており、明治6年に開校した歴史ある小学校です。校舎はかつて小泉城があった城の内公園の一角にあり、窓からは県を代表する赤城、榛名、妙義の上毛三山をのぞむことができます。 冬になると、3階から富士山も見られることがあります。

GIGAスクール構想のもと、今年度より一人一台の学習用端末の導入が決まりました。初期登録を済ませ、これから使い始めようとした矢先に『スタディサプリ』導入の話があったため、はじめは教員側の負担が大きくなるのではないかという印象を持ちました。端末を活用するには、教員がICT教材に対する知識や技術を習得しなければなりませんし、ICT教材を活用した授業づくりのための準備の時間も必要になります。ICTに苦手意識を持っている教員も少なからずいるため、教員に大きな負担をかけずに、どのように『スタディサプリ』を活用していくかが課題でした。

『スタディサプリ』の活用方法や、教員の負担について思い悩んでいたときに、リクルートの営業担当の方から使用方法について説明を受けました。児童が自分で選びながら取り組めること、勉強が苦手な児童は前の学年まで戻って復習できることや、関心の高い児童は先の学年まで進んで学習できることを知りました。また、『スタディサプリ』を課題として出すことで、担任による丸つけや宿題チェックの時間が省けるので、児童の指導やサポートに時間を割けるため、教員側の業務改善にもつながるかもしれないという期待が持て、『スタディサプリ』の活用がスタートしました。

手探り状態ではありましたが、『スタディサプリ』の登録は、情報主任やICT担当の教員を中心に進めたところ、他の教員に大きな負担をかけることなく行うことができました。ICTが苦手な教員や疑問、不安のある教員が、得意な教員に聞きに行く場面も多く見られ、学年を越えて協力し合いながら進められたのは大きな収穫でした。

講義動画を視聴した上で、ワークシートを作成して配布。
学びを止めることなく授業が進められた

『スタディサプリ』の具体的な活用方法としては、各学年の担任や教科担当が主導となって、児童の負担になりすぎない頻度・範囲・量を考慮しながら、配信しています。私は6学年の担当をしていますが、週末に算数・社会、理科の2単元分を課題として、児童に取り組ませています。

最も『スタディサプリ』が役立ったのは、コロナウイルス感染症の感染防止対策のために分散登校を実施したときです。当初は授業進度が遅れてしまわないか、せっかく身についた家庭学習の習慣が崩れてしまわないか心配でしたが、教員が事前に『スタディサプリ』の講義動画を視聴し、教科書に沿ったワークシートを作成して児童に配布。教員がいなくても一人で学べるように、教科書の範囲を穴埋め形式にしたシートを作成しましたが、1度目は講義動画をすべて見てから、2度目の動画視聴でワークシートを埋めるという流れを作れたことで、児童全員が問題なく学びを進めることができました。『スタディサプリ』の講義動画を利用した予習で、大幅に短縮された授業時間を取り戻すことができたのは嬉しい効果でした。

「ちゃんと動画を視聴してくれるだろうか」といった不安があったのも事実です。ただ、教員の管理画面で児童の視聴時間や取り組み状況も確認できるので、「王冠取るまで頑張ったんだね!」「宿題を○時に取り組めていて素晴らしいね!」と、努力した児童を具体的に励ますことができました。

『スタディサプリ』を活用するにあたって、「使う」ことが目的とならないようにしようとは考えていました。ただ、児童が全く使っていないということは、教員側で努力していないことになります。事前に講義動画を視聴するのは正直時間がかかります。それでも、講義動画の内容をワークシートに反映させたり、授業で触れたりすると「○○先生と同じことを言っている!」と声をあげる児童も見受けられ、授業づくりとしては大きな効果があったと思います。

『スタディサプリ』が学習習慣の定着に貢献。
講義動画を活用した復習にも挑戦していきたい

『スタディサプリ』を活用していて、嬉しかったのは保護者の方から感謝されたことです。文字を書くことが苦手などの理由で、プリントの宿題になかなか取り組めていなかった児童が、『スタディサプリ』を使った学習には楽しんで取り組んでいるというのです。他の児童からも「おもしろい」「内容がよくわかった」という声があがったり、ワークシートで満点を取れるまで間違い直しをしている児童も見受けられたりと、学習習慣の定着に役立っていると実感しています。

今後は、講義動画を活用した予習に加えて、復習にも取り組ませていきたいと考えています。具体的には、授業で学習したその日のうちに、家で講義動画を見ながらワークシートに取り組ませる、といったような流れです。二度目の学習を早めに行うことで、記憶の長期定着化が図れるのではないかと考えています。


教員=育てることを楽しむ


児童の成長する姿を見ることは、教員にとっての醍醐味。児童が成長するには「思考する」「実践する」「納得する」「反省する」「努力する」「苦労する」「感謝する」「感動する」ことが大切だと考えています。コロナ禍で行事やイベントの開催が難しくても、日々の生活の中に思考したり、感動したりする場面は十分にあります。日々、体験し、自己を見つめ直し、成長し、自分自身を好きになっていく児童の姿が見られる教員という職業は、やりがいに満ち溢れる最高の仕事だと感じています。

新しいものを取り入れることは、とても「大変」なことです。それだけ大変な思いをするからこそ、私たち教員、児童たちが「大きく変わる」チャンスでもあると考えています。

大泉町立北小学校(群馬県)
児童数:1学年84名 2学年74名 3学年80名
    4学年70名  5学年77名 6学年66名
ページ内容は2021年11月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
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