活用事例

児童の将来を見据えたICTツール活用。
デジタル時代に求められるアナログな関わり方

吉岡町立明治小学校(群馬県)
2021.10.14
教務・理科/井堀先生、3年生担任/髙橋先生
課題
  • 算数などの教科において、児童の理解や習熟に個人差が見られる。学力下位層に寄り添った授業を行うことで、結果的に上位層のフォローが手薄になった。
  • 文部科学省の「GIGAスクール構想」を実現するために、町を挙げての「HiBALIプラン」でICTツール導入が決定。しかし、教員の中には、児童に動画の授業を見せることや、ICTツールの導入に対する漠然とした不安があった。
 活用ポイント
  •  授業中に問題を解き終えた上位層の児童には、『スタディサプリ』を取り組むように声かけを行う。反対につまずいている下位層の児童にはこれまで以上に寄り添ったフォローができるように。
  • 若手の教師が指導歴の長い教師にICTツールの操作方法を教え、指導歴の長い教師が若手の教師に児童との関係性づくりを伝えるなど、ICTツールの導入により教員間のコミュニケーションが活発になった。
 活用効果
  • 上の学年や中学校での学習に興味を持った児童が、自主的にスタディサプリで動画を視聴するように。また、授業中に児童の理解度を可視化できるようになったため、理解度に合った授業展開ができるようになった。
  • 『スタディサプリ』が教員間の共通言語になり、教員同士で活用法や問題について共有する機会が増えた。教員一丸となって、ICTツールの活用に積極的に。

「GIGAスクール構想」のもと
町主導でICTツールの導入が決定

吉岡町は、群馬県のほぼ中央に位置し、榛名山の南東山麓と利根川流域に展開した農村地帯です。文部科学省の「GIGAスクール構想」のもと、令和2年から町主導で「HiBALIプラン」を策定し教育現場へのデジタルツール導入が決まりました。本校では、大型モニタやデジタル教科書、『スタディサプリ』のドリル学習や授業動画などを活用した授業を行なっています。

『スタディサプリ』の一斉導入が決まったものの、それを授業で活用していくことを考えると、簡単ではありませんでした。というのも、「動画」で学ぶことに対して、教員の間で心理的な抵抗があったからです。企業が作成した動画を見せることで、教師の仕事をおろそかにしているのではないか、自分が行う授業と比較されるのではないか、と考えることもありました。

本校には、20~50代まで幅広い年齢層の教師が在籍していますが、私をはじめ「手を動かして、書くのが勉強」という先入観を持つ教師も少なくありません。学校へPCが導入されてしばらく経ちますが、ICT機器の操作方法に戸惑うことも多く、『スタディサプリ』以前にICTツールを使いこなせるかという不安もありました。

とはいえ、教育現場でもICTツールの活用が求められるようになった現代において、小学生のうちにICTツールに触れさせることの重要性は痛感していました。今、活用しなければ、大学入試や就職活動で困るかもしれない。教務の立場から、「今こそICTツールを活用する必要があるのではないか。まずはやってみよう」という問題提起を行い、他の教師へ伝えました。この覚悟を理解してくれた管理職をはじめ、指導歴の長い教師、若手の教師が一丸となって取り組む雰囲気を作れたことが、ICT化を推進するターニングポイントとなりました。

『スタディサプリ』の導入で、
児童全員の伸びる機会を創出

『スタディサプリ』の活用方法は学年によって異なります。1・2学年は算数の家庭学習、3学年は2学年で習った範囲の宿題配信を行い、4学年は理科や算数の宿題配信、5学年は算数の家庭学習、6学年は理科と社会の宿題配信に加え、授業内の活用も進んでいます。6学年の理科では、授業の後半にまとめとして問題集に取り組ませて定着度を図り、単元ごとの復習に活用しています。


『スタディサプリ』を算数や理科の授業で活用してみたところ、学力下位層だけでなく、上位層もフォローできるようになったと感じます。特に、児童の理解や習熟の差が大きい算数では、問題を解き終わるまでに時間がかかる児童もいれば、早く解き終わって時間を持て余し気味の児童もいます。これまでは、下位層の問題数を調整することで時間調整を行なっていましたが、「終わった人はスタディサプリをやりましょう」と声かけすることで、個人差を埋めながら下位層に寄り添う時間を増やせるようになりました。

6学年の理科では、教科書の発展内容として中学校で学ぶ内容が掲載され、児童の興味を喚起するページがありますが、中学校の学習内容に興味を持った児童は、自主的に『スタディサプリ』で授業動画を検索している様子も見られました。『スタディサプリ』を導入したことで、児童全員が伸びる機会を創出できていると実感します。

また、授業内で『スタディサプリ』の問題集に取り組ませることもありますが、解いた問題の正誤がすぐにわかるのは教師にとって大きなメリットです。その場で児童の理解度が可視化されるため、児童の理解度に合わせて指導の仕方を軌道修正したり、習熟度別にフォローしたりと授業の進行をアレンジできるようになりました。

6学年では、授業の予習・復習にも活用しています。各自に『スタディサプリノート』を作らせ、授業を受ける前に、授業動画の視聴を促し、板書やまとめをするよう指導。また、理科の実験をした後に、復習として単元の問題集に取り組ませています。児童は、興味・関心がわいた状態で授業を受け、授業で習ったことを忘れないように反復することで、理解を深めることができる。『スタディサプリ』の活用を通じて、児童のレディネスを整えることも意識するようにしています。

デジタルも大切だが、アナログはもっと大切。
心のフォローを行い、児童の成長を支える

『スタディサプリ』を活用する過程で、改めてわかったことがあります。それは、「ICTにできないこともある」ということ。例えば、3〜4学年の算数では分度器で角度を読んだり、コンパスで図形を描いたりする授業がありますが、実際に手を動かすことで理解を深めることができます。また、「小数」の単元でも、ノートに人の数を書いたり、おはじきを動かしたりしながら、理解を深めていきます。教科や単元の特性によっては、ICTよりも実際に手を動かした方が理解しやすいのも事実です。

また、どんなに時代が進んでも、教師と児童の関係性は、「Face to Face」であるべきだと考えています。壁にぶつかっている児童や、つまずいている児童には、教師の声かけが安心感につながりますし、頑張っている児童への声かけは、やる気につながります。児童の「やってみたい」「楽しい」を引き出すためには、こうした教師のアナログな働きかけも不可欠。ICTツールでは、児童の表情の変化を読み取ったり、心配ごとに気づいたりすることもできません。ICTの力を借りながらも、ICTにはできない心のフォローを行うことで、児童の成長を支えていくことが、私たち小学校教師の役割なのかもしれません。
吉岡町立明治小学校(群馬県)
児童数:1学年110名 2学年103名 3学年110名
    4学年102名 5学年93名 6学年121名
この事例で取り上げられたサービス
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