活用事例

つまずき箇所を把握して「わからない」を明確化。メッセージ機能で学習をフォロー

岐阜第一高等学校(岐阜県)
2018.05.22
2年生担任・数学/土屋先生
2年生担任・数学/土屋先生
課題
  • 中学校の既習事項が定着していない生徒が多い。苦手教科・分野もさまざまで、授業での学び直しに限界
  • 授業内容について質問に来る生徒が少なく、生徒の主体性に課題
活用ポイント
  •  到達度テストの結果をもとに、長期休みを利用して苦手克服課題を配信
  • メッセージ機能でクラス全員、生徒一人ひとりに対する学習フォローを実施

クラスに蔓延していた 「わからないと言えない」雰囲気

スタディサプリを導入した「カレッジコース」では、国公立大学・難関私立大学進学を見据えて、1クラス10〜20人のきめ細やかな少人数制指導を行っています。生徒の苦手をしっかり把握した上で、一人ひとりに目が行き届く授業を実施してきましたが、近年は生徒の「学び直し」に頭を悩ますケースが増えてきました。生徒の苦手教科・分野がさまざまで、授業での一律指導が難しくなってきたのです。特に積み上げ型教科である英語・数学は生徒の苦手が顕著に現れており、「どこがわからないのかわからない」「何をやればいいかわからない」という生徒も見受けられるようになりました。
2年生担任・数学/土屋先生
クラスの生徒を対象に、放課後の時間を学び直しに充てて個別に対応していましたが、苦手な箇所が明確になっている生徒には指導できても、「勉強の仕方がわからない」という生徒には苦手な箇所を遡って指導しなければなりません。生徒には、どこがわからないのか、自分なりに整理してから質問に来るよう伝えましたが、一向に改善されないばかりか、だんだん質問に来る生徒も少なくなりました。その当時、生徒にとった授業アンケートには、「質問しづらい」「わからないと言えない」という声も上がっており、勉強の仕方がわからない生徒に対する指導がいかに難しいかを痛感しました。

学習習慣のない生徒たちに、いかに勉強の仕方を教え、苦手を克服できるかがポイントでした。そこで、利用したのがスタディサプリです。私自身も英語、数学を中心に100時間ほど視聴しましたが、普段私たちが授業で行っているポイントの伝え方や、問題へのアプローチの仕方が、スタディサプリの講師とは異なり、「こんな教え方もあるんだ」と気づきを得られました。また、学校の授業では、時間の都合上単元の学び直しをすることが難しくても、小学講座から高校講座までを、体系的に学び直すことができるスタディサプリを利用することで、苦手教科・苦手分野がさまざまな当校の生徒でも復習できると考えました。

「わからない」を明確化し、 教員のメッセージで学習を後押しする

スタディサプリを「自学自習のためのツール」として導入しましたが、導入初年度は一部の生徒が視聴するのみで、学校全体として活用できていませんでした。積極的に視聴している生徒も、自分の好きな科目や得意科目は視聴するものの、嫌いな科目や苦手科目はほとんど視聴せず、ツールを与えるだけでは生徒に学習の仕方を身につけさせることはできない、教員のサポートが必要不可欠だと実感しました。

まず、私たちが取り組んだのは、生徒がどこでつまずいているのかを把握することです。スタディサプリに用意されている到達度テストを用いて、「わからない」ことを特定することからはじめました。次に取り組んだのは、テスト結果をもとにした苦手克服課題を、夏休み中の宿題として配信することです。勉強の仕方がわからない生徒は、決して勉強が嫌いなわけではありません。ただ、何から取り組んでいいのかわからないだけなのです。生徒にとっては、夏休みが本格的にスタディサプリに触れる最初の機会でしたが、取り組むべき内容を具体的にしたことで、スムーズに導入することができました。

しかし、到達度テストで「わからない」と判明した項目は多く、夏休み中には相当な数の課題に取り組まなければなりません。途中で挫折してしまえば、せっかく芽生えた学習の姿勢を摘んでしまうことになると考え、スタディサプリのメッセージ機能で、「夏休み終了まであと2週間。頑張ろう!」「質問がある場合は気軽にメッセージをください!」などと、生徒の学習をサポートするようにしました。最終的に夏休み前の視聴時間は1人あたり1.5時間、確認テストの回答数は1人あたり2.5回だったのが、夏休み中の視聴時間は1人あたり10時間、確認テストの回答数は1人あたり20回という成果につながりました。

一人ひとりの学力を底上げし 目標を実現できるツールとして

ツール
「わからない」ことが「わかる」ようになり、また、メッセージ機能で質問しやすい雰囲気を作った結果、まったく質問に来なかった生徒が、メッセージ機能から個別に質問してくるなど、少しずつ学習に対する自主性も芽生えてきました。スタディサプリを導入した成果は、学習の姿勢だけでなく、進路実績にも現れるようになりました。入学当初は、目標に対して学力が追いついていなかった生徒が、志望校に現役で合格したのです。スタディサプリは勉強が苦手な生徒を前向きにするだけでなく、勉強が得意な生徒をさらに学習させることができると実感しました。現在、スタディサプリを利用しているのは、大学進学を目指すカレッジコースだけですが、他のコースにも大学進学を目指す生徒はいます。今後は、他コースにも展開していきたいです。そして、入学時は学力が低くても、学習意欲が低くても、スタディサプリを通して意欲的に学習できるように促し、一人ひとりの学力の底上げに貢献し志望校合格をサポートしていきたいです。
岐阜第一高等学校(岐阜県)
学 科:カレッジコース/プログレスコース/スポーツコース/自動車工学コース/電子機械コース
生徒数:1学年219名 2学年246名 3学年258名
岐阜第一高等学校(岐阜県)外観
ページ内容は2018年5月時点の情報です。
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