教員が持つ英語教育への想いはさまざまですが、『スタディサプリENGLISH』に期待したのは、これまでの英語教育の概念や授業内という枠にとらわれず、スマホのアプリを活用することで、自学自習に対する心のハードルを下げて後押しをすることでした。
(西村先生)
一般企業に勤めた後、本校に着任して8年目になります。私自身の学生時代を振り返ってみると、特に勉強ができたという感覚もなく、自己達成感のないまま学生生活を送っている自分が、「かわいそうだな」と思いながら過ごしていました。教員になったのは、自分と同じような生徒を救いたいという想いからです。そのような経験をしてきたからこそ、現場で生かせることがあるのではないかと思いました。生徒たちには、「一つの失敗を通して、違う見方をしてみる」ことの大切さを伝えていきたいです。例えばテストの点数が悪かったときに、ただ落ち込むのではなく、「ここから学べることがある」サインと捉えたり、仮に英語ができなくても、運動を得意とする生徒なら、体育祭で活躍できる自分を認めるなど、日々の学校生活の中で多角的な視点を持ってほしいと考えています。
英語教育の昔と今を比較すると、「発音」の捉え方において変化を感じます。私が学生だった頃は、「R」を巻き舌で発音すると授業でクスクスと笑われるという風潮がありましたが、今は反対にカタカナ発音の方が笑われるようになってきました。これは生徒たち自身が、ネイティブのような発話を目指していることの現れで、ヒアリングや発話の能力が伸びているのを実感しています。
『スタディサプリENGLISH』の数ある機能の中で、魅力を感じるのは、自分の声を録音して聴ける機能。従来から発音を自宅で練習するのは難しく、よほど英語に力を入れている生徒以外は自分の声を録音してまで独習をしていなかったと思いますが、シャドーイング機能を搭載する『スタディサプリENGLISH』を使うことで、自分の発音を簡単に録音できて、音声データとの違いを自分で確認できるので画期的だと思いました。
(廣瀬先生)
私は県立高校で長年勤めた後、本校に着任し7年になります。もともと言葉やコミュニケーションに興味があったことから英語教員の道を選びましたが、生徒の“進路の道筋”を作る手助けをしてあげたいという想いが強く、普段から、将来のキャリアに生かせる英語教育は何かを日々考えています。
「人間は考える葦である」という言葉にもあるように、真の強さとは「復元力」=レジリエンスにあるのではないかと思います。つまり、人はさまざまな出来事に落ち込みながらも、周囲の力を借りて復元=回復することができます。英語は、日本人にとってファーストランゲージではありません。他教科よりも乗り越えなくてはならないハードルが多く、つまずく生徒も少なくありませんが、たとえ壁にぶつかっても、周囲の力を借りて一人で乗り越えられる、そんな強い精神力を養ってほしいと日々考えています。
英語教育を取り巻く環境は大きく変化し、同様に英語の教材も日々変化しています。私の時代は、ラジオ講座をカセットテープに録音し、テープが擦り切れるまでくり返し聞きながら学習していましたが、今やPCやスマホで、24時間いつでも勉強できる時代に変わりつつあります。言語を習得する上で不可欠なくり返し学習を、これほど簡単に実現できる環境は、なかなかないと思います。
『スタディサプリENGLISH』の機能の中で、特に効果的と感じるのは、その「スピード感」です。タブレットの画面を開いた瞬間に学習できる利便性は大きく、教員の方で特に準備する必要もないため、生徒が高いハードルを感じることなく、スムーズに学習に取りかかることができています。
『スタディサプリENGLISH』の活用方法としては、授業の冒頭で用いています。導入1年目の目標を、生徒にアプリの使い方や有用性を理解してもらうこと、そして、1年を通じて“食わずぎらい”にさせないことに設定しました。はじめから、生徒任せにして自宅で利用させるのではなく、心理的ハードルを下げるために、授業内での利用を中心に行いました。現在は宿題配信も始めており、定期テストと連動させた取り組みをスタートさせました。具体的には、『スタディサプリENGLISH』の20~40レッスンをテスト範囲に含め、20点程度の配点を『スタディサプリENGLISH』からの出題になるよう設定し、「やらなければならない」という状況を生徒のモチベーション向上に役立てています。