スマートフォンやタブレットの「取り組みやすさ」で家庭学習の時間が増加。
「ファシリテーター」として個別対応することで、生徒の主体性を引き出す。
生徒にとって『スタディサプリ』は、普段、使っているスマートフォンやタブレットに触れている感覚の延長で課題に取り組めることが、学習のハードルを下げているのではないでしょうか。ゲームと同じような感覚で『スタディサプリ』に取り組むことが、日々の勉強の成果(〇問解くことができた、〇%の正答率だった、など)につながり、その成果も『スタディサプリ』上で簡単に見ることができるので、学習のモチベーションの向上にも役立っているのかもしれません。また、チェックテストの範囲と定期テストの範囲を連動させて課題配信をしているため、これまであまりテスト範囲の確認をしっかりと行わず勉強していた生徒にとっては学習の指針となり、取り組みやすかったようですし、家庭学習の時間も増えました。
一部の生徒は、ある期間の課題配信の問題数が20問のところ、自主的に問題を解き、その期間内に解いた問題数が400問に達するほど学習時間が増えている生徒も見受けられました。ほかにも宿題配信されたチェックテストが解けなかったことがきっかけとなり、解けなかった問題の動画を再度見直し、自主的に学習する生徒も出てきました。『スタディサプリ』の存在が、これまで先生方がプリント等を準備して促していた学習促進と同じようなはたらきをし、生徒の主体性を引き出してくれている側面もあるのではと感じています。
教員側としてもプリント作成、印刷、配付という一連の作業が、オンラインでできるようになったことは負担軽減と経費削減になっています。
『スタディサプリ』は、基礎学力の定着に向けた取り組みや生徒一人ひとりに対応した個別支援での活用だけでなく、コロナによる自宅待機でテストが受けられない生徒が出た場合などに、オンラインでテストを受けたり、ICTの進展によっては、デジタル教科書も活用することで、タブレット1台で授業すべてを行ったりすることができるようになるかもしれませんね。
『スタディサプリ』のように、生徒の個別対応ができるツールが活用されるこれからの教育現場において、教員に必要なのは「ティーチャー」であることに加えて「ファシリテーター」である意識だと考えています。ICTツールを活用し、生徒それぞれの進度に合わせて個別にマネージメントしていく意識、一斉授業だけでは進められないことを生徒一人ひとりに合わせてファシリテートしていく意識が、これからの時代に必要な教員の姿ではないかと考えています。