本来は新年度からの導入を予定していましたが、感染症対策による休校措置が行われ、急遽、予定を前倒して導入しました。導入当初は、全児童のICT環境の整備のため、個々に対応を行いました。
実際の活用方法としては、最初にレベルチェックを行い、児童が自分に合うレベルを選択した後、1日3レッスンを家庭で取り組むよう指示しました。
学校が再開されてからは、平日は毎日、英語の宿題と併せて少なくとも1レッスンずつ家庭で取り組むよう指示し、毎週、教員が管理画面を確認するとともに、どのレベルの、どのトピックに取り組んだかを児童に報告させています。その情報をもとに、必要に応じて一人ひとりに指導を行うという方法で進めています。
通常の英語授業は「聞く」「話す」「読む」を中心とした学習が多く、「書く」学習にはなかなか時間を割くことができません。しかし、スタディサプリENGLISHの「ディクテーション」機能は、「書く」学習にとても有効だと感じました。「書く」学習は、児童のレベルによって時間のかかり方がさまざまですが、「ディクテーション」なら自分のペースでスペルを入力して、単語や表現を学んでいくことができます。
「なりきりスピーキング」も秀逸な教材です。自分の発音を録音して、お手本と比べることができ、発音が違っていれば「間違っているよ」と教えてくれます。授業中にできるだけ多く発話する機会を与えていますが、友だちの前で発音を直すと恥ずかしがってしまう児童もいるため、個別に指導することが難しいときもあります。アプリを使って、家庭でも発音を向上できるのは大きな利点だと思います。
「気づいたら単語を覚えていた」
「メダルがもらいたくて繰り返しやっている」など
自ら楽しんで学び効果を実感することで、学習意欲が高まっている。
スタディサプリENGLISHの導入からまだ日が浅い中でも、児童から前向きな感想が多く聞こえてきます。例えば「ディクテーション練習をしていたら、自然に単語のスペルを覚えていた」「何度も聞いていたら、いつのまにか聞き取りができるようになっていた」という自分の成長を実感する感想の他にも、「メダルをいっぱいもらいたいから、間違えたら繰り返しやっている」といったゲーム感覚で楽しむ児童も少なくありません。
すでに300レッスンを完了し、力をつけている児童も見られ、「個に応じた学習」「短時間でもバランス(4技能)よく学習」ということの大切さや進んで取り組むことにより英語力のさらなる向上が図れることを実感しました。また、自分の苦手なところや、伸びたところを随時確認できるため、英語学習への意欲や関心が高まっている児童が増えてきています。導入に際し、英語担当以外の教員も多数スタディサプリENGLISHに取り組むことにしたので、教員室で話題に上る機会も増えてきました。教員の意識が高まることで、児童にも良い影響が与えられると感じています。
今後は、本来の計画通り、授業内でもスタディサプリENGLISHを活用していく予定です。具体的には、5・6年生週4時間の授業時間の内、20分をスタディサプリENGLISHの時間にするとともに休み時間やすき間時間の活用、レベルやトピックを限定して出題する一斉テストの実施も検討していきたいと思います。
本校では、6年次にカナダへの修学旅行を実施しており、同級生とともにホームステイをしたり姉妹校で交流したりするなど、貴重な体験のできるプログラムとなっています。児童は入学時から6年生になるのを楽しみに過ごしていますが、修学旅行で使えるコミュニケーション力を磨くことは1つの目標であり、スタディサプリENGLISHはその一助となると考えています。「好き」「楽しい」という気持ちを大切に、国際性や人間性を養い、「世界市民」の育成に努めていきたいと思います。