活用事例

社会で生きる英語力を。週3回の朝活と授業内の10分で、民間検定試験合格者が増加

常盤木学園高等学校(宮城県)
2019.12.05
写真左から関山先生、植木先生、長岡先生、佐藤先生
課題
  • 高大接続改革の流れの中で、今後の進路指導において英語教育の強化が必要だった。単なる受験のための英語学習ではなく、大学入学後や社会に出てからも通用するコミュニケ―ション力を身につけてほしいと考えていた。
  • 多様なコースが設置されていることもあり、生徒間の学力差が開き、学習習慣の定着度合いもさまざまで「できる生徒はやるが、できない生徒はやらない」という状況になりつつあった。
 活用ポイント
  • 朝活として月・水・木の週3回8時30分~約10分程度をスタディサプリの時間に設定し、そのうち週に1回はスピーキングの日とした。生徒自身の学力に合わせてレッスンを選択して、各自取り組んでもらっている。
  • 授業内でも残り時間の10分間でサプリに取り組む時間を設定し、サプリの学習状況の「リスニングスコア」「スピーキングスコア」「学習時間」の各10%ずつを平常点として加算した。また、長期休みでも課題として活用した。
 活用効果
  • 英語民間検定試験準1級の合格者が例年よりも増加。さらに、8割の生徒が受験している3級のリスニング正答率が55%から64%に上がった。朝落ち着いて学習してから授業に入ることで、クラスの雰囲気づくりができた。
  • 模試の点数がなかなか伸びなかった生徒が、学年の中で最もリスニングを多く学習。スタディサプリ導入後、1ヶ月ほどで点数が上がったと喜びの報告をしてきてくれた。

「英語民間検定試験の全員受験」を取り組みとしてスタートするも
学力や学習習慣の差が目立っていた

本校は90年以上の歴史を持ち、「自由と芸術」という創立の精神のもと、生徒たちはのびのびと自分の目標に向かって学校生活を楽しんでいます。盛んな部活動と学習を両立し、難関大学への進学を果たす生徒も増えています。

そのような中、高大接続改革に伴い、進路指導における英語教育の強化の必要性を感じていました。入試においても外部試験のスコアを持っていることが有利とされ始めている今、本校でも文科省の指針であるCFERを指標に据え、「英語民間検定試験の全員受験」を取り組みとしてスタートさせました。ところが、多様なコース設定ゆえに、準1級を目標に据えている生徒もいれば、初めて英検を受ける生徒もいるなど学力差が広がっており、また、学習習慣の定着度合いもさまざまで「できる生徒はやるが、できない生徒はやらない」という状況が見られました。

生徒それぞれの学習進度や理解度に応じて、レベルや内容を調整して学びを提供してくれるアダプティブラーニングを実施できる環境を整える必要がありました。また、単なる受験勉強にとどまらず、大学入学後や社会に出てからも役立つコミュニケーションとしての英語力を身につけてほしいという想いもありました。

初めてスタディサプリENGLISHをご紹介いただいた時は、イラストがメインで明るく楽しい印象を受けました。英語学習にハードルを感じて苦手意識を持つ生徒にとっても楽しめる教材がよいと考えていたため、主人公の恋愛や葛藤などのストーリー性がある内容は、どんな展開になっていくのかを楽しみながら学習できるだろうと感じました。加えて、スマホを使って短い時間に学習できる手軽さも良いと思いました。スカイプ等を活用したオンライン学習の場合は、PCを必要とするため全校でスタートするには制限があったからです。また、10~15分という単位が時間割の中に組み込みやすいと感じました。何より、本校が目指すアダプティブラーニング、つまり一人ひとりに対応した学習の提供が可能で、一括して管理できるシステムである点が魅力でした。

活用が進んだ理由は、時間割の組み替えと、
スタディサプリの学習状況を成績に加算したこと

主な活用方法として、週3回、月・水・金の「朝活」をスタディサプリの時間に設定しました。8時30分~40分過ぎまでそれぞれの生徒が、自身の学力に合わせて選択したレッスンに取り組みます。大半の生徒がゲーム感覚で楽しんで行っていましたが、活用を進めていくうちにスピーキングのセクションでつまずいて上のレベルのレッスンに進めない生徒が多いことがわかりました。

そこで、週3回の朝活のうち1回はスピーキングに取り組むようにし、その際Wi-Fiのデータ容量の都合上、水曜日は2学年、木曜日は1学年というように通信データ量が分散されるように工夫しました。入学当初から導入していた1学年に比べて、途中から導入した2学年以上は、スピ―キングのレッスンに対して抵抗を感じる傾向があり、1年生のうちから習慣づけることが大切だとわかりました。

授業内でも、授業終了10分前の「すき間時間」に着目し、スタディサプリに取り組む時間に充てました。その際、1学年は英語民間検定試験3級をベースに、それ以上のレベルの生徒はそれぞれのスコア以上のものを学習しています。また、1学年では、スタディサプリの学習状況を平常点に加味しています。リスニング10%、スピーキング10%、学習時間10%の計30%が成績に反映されることもあって、真剣に取り組んでくれています。

苦労した点は仕組みづくりです。「新しいツールを導入したものの、使われていない」というような状態は絶対に避けたいと考え、スタディサプリ導入を学校の魅力づくりのための施策と位置づけ、「学校改革委員会」にて方向性や仕組みを議論しました。その結果、朝活の時間に、英語民間検定試験を目標にスタディサプリを活用することになりました。学校内で活用する時間を設けたことや、1学年で平常点に組み込むことなど、ある程度の強制力を持たせることが定着につながったと考えています。教員の間でも、決めたことを生徒に取り組んでもらうという共通認識ができ、「自分事」として捉えて連携していく雰囲気が生まれています。

リスニングの正答率が10%上昇し、英語民間検定試験合格者も増加。
コミュニケーションの機会が増え、フォローしやすい環境に

活用の効果としては、準1級の1次試験通過者が例年よりも多くなりました。全体的にリスニングの点数が伸び、合格者も増えています。英語の点数に伸び悩んでいた生徒が、スタディサプリを導入してわずかひと月の間、熱心に取り組んだ結果、模試の成績が上がったと報告してきてくれました。また、決して英語が得意でない生徒でしたが、学年で最も長い時間学習に取り組むなど、楽しんで取り組めたようです。というのも、今まで一言一句、英語を真面目に訳していたのが、スタディサプリでは全体の雰囲気から意味を推測し、想像しながら学習できるため、細かい言葉の意味を気にせず大意をつかめるようになってきたからでしょう。結果として、知らないうちに単語を覚えることにつながり、リスニング問題でも答えを推測できるようになってきたのではないかと思います。

また、1年生の約8割の生徒が受験している英語民間検定試験3級のリスニング問題の正答率は53%から64%に上がりました。国際コースの生徒からも、「導入してもらえて良かった」という声が上がっています。留学準備や外部試験のためにスタディサプリの学習が役立っていると感じているようです。

さらに、授業中、教員からの質問に対して間違いを恐れず答える生徒が増えてきました。テスト前には、生徒から「どれくらいサプリをやればいいですか」と質問され、教員から「サプリやった?」と声かけするなど、英語の学習について会話をする機会が増えて、学習のフォローをしやすくなりました。朝活の時間は、各自サプリに取り組んだ後、落ち着いて授業に臨めるため、クラスの雰囲気づくりにも役立っています。今後は学校での朝活以外に、自宅でも自ら学習できる生徒を育てていきたいです。そのために、PDCAサイクルを回して、目的を持って自主的に学習に臨めるような学習習慣を定着させたいと考えています。高校で学習する教科の中でも、今後最も必要とされる英語に対して、生徒一人ひとりが自ら必要性を感じ、積極的に学習する姿勢を養っていけたらと考えています。
常盤木学園高等学校(宮城県)
学科:普通科(リバティコース/ビジネスコース/国際コース/スーパー両立コース)、音楽科
生徒数:1学年290名 2学年260名 3学年290名
ページ内容は2019年12月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
スタディサプリENGLISH
|CONTACT|

お問い合わせ

スタディサプリ学校向けサービスの導入に関する
ご質問・ご確認は、お気軽にお問い合わせください。
ページトップ