活用事例

週末課題×週明け5分間テストをサイクル化。個別最適な学習と主体性の育成に貢献

埼玉県立秩父高等学校(埼玉県)
2020.03.27
写真左から 学力向上検討委員会 委員長/橋本先生、進路指導部/大林先生、教務主任/澤田先生
写真左から 学力向上検討委員会 委員長/橋本先生、進路指導部/大林先生、教務主任/澤田先生
課題
  • 土曜日に行っていた補講である他社サテライト講座の廃止が決まり、個々の生徒に合った学習指導が求められていた。生徒間の学力差が広がり、必要な対応ができているとは言えない状況だった。
  • 入試改革に向けてポートフォリオの対策を図るとともに、生徒一人ひとりの主体性を育成したいと考えていたが、具体的な対策を打ち出せていなかった。
 活用ポイント
  • スタディサプリの活用を促すために、1、2学年の数学は既習範囲を週末に課題配信して、配信内容に対応した5分間の小テストを週明けに実施。特進クラスは英文法の課題配信も実施した。
  • 教員内で導入に対して温度差があったが、過疎地域のため、今後、教員数が減った際にも講義動画での学習フォローが有効であることを伝え、若手の先生を巻き込むことで活用を促した。
 活用効果
  • コツコツ取り組み、視聴数が数百時間を超えている生徒の学力が向上しており、上位私大に合格した生徒からは、英語の活用が効果的だったとの声が届いている。
  • 宿題配信数は月平均14.6回で、埼玉県の公立高校内で2位、1学年のアクティブ率は月平均78%で、埼玉県の公立高校内で6位と活用の度合いが高まっている。

生徒間の学力差が広がり一人ひとりのレベルに対応した 学習指導の必要性が高まっていた

本校は創立100年を超える伝統校として、「知(知識・学力)・徳(豊かな心)・体(健やかな体)」のバランスの取れた人材の育成に努めております。秩父地域の伝統や文化にプライドを持ち、世界に羽ばたく「グローカル」、つまり、グローバルとローカルを合わせ持った視点を養えるよう指導を行っています。

1年次に一般クラス、進学アドバンスクラス、特進クラスを編制し、2・3年次では進路に応じて一般クラスを私文選抜クラス、私文クラス、国公私理クラスに編制するほか、少人数学級の編制や英語・数学での習熟度別授業の実施など、さまざまな科目選択が可能となっています。

1コマ1コマの授業を大切にして学力伸長を目指していましたが、課題も挙げられていました。土曜日に行っていた他社サテライト講座が廃止されることになり、生徒個々の学力に合わせた学習指導をどのように行っていくか、考える必要が出てきました。また、さまざまな科目選択が可能であることに関連して、生徒間で学力差が広がり、中・下位層を底上げする対策も求められていました。さらに、2020年の新入試への対応として、特にポートフォリオに取り組む必要性を感じていました。

そんなとき、リクルートの営業担当からご提案いただいたのがスタディサプリです。オンデマンドな課題配信が可能で、どの学力層にも合うツールであるとともに、今後の教材のモデルとなり得ると感じました。決め手となったのは幅広い講義動画のラインアップと、中学校の既習範囲のフォローがあった点です。1年目は希望者から導入し、翌年に1学年、3年目は1、2学年へ、4年目の今年は全学年で導入を決めました。

小テストと講義動画の配信をセットに実施。 段階的に導入を拡大し基礎学力の定着を図る

まず、1学年の数学で週末に課題の配信を行い、その内容について月曜日の朝、5分間の小テストを行うことにしました。小テストはチェックテストキットから問題を抜粋して作成しております。2学年の数学でも同様に、週末配信と月曜の朝の小テストをセットにして実施しています。その他、定期考査前に5教科の配信を行い、欠席をした生徒のフォローにも活用しています。また、特進クラスの英文法についても、週末に課題を配信しています。

1学年には中学3年生の数学の復習講座、2学年には高1数学復習講座を配信するなど、既習内容の定着を図るとともに、授業に沿った内容も配信しています。今後は、志望校別や公務員試験対策など、進路別のシラバスを活用して、一人ひとりに合った内容の配信を行っていく予定です。

実のところ、当初は教員側にスタディサプリの捉え方の違いや温度差があり、学年一括導入をした際に、「使わない生徒はお金の無駄ではないか」という声も上がっていました。それについては、秩父は過疎地域のため、この先、生徒数の減少とともに教員数が減っていくことが考えられ、将来的に人材不足が生じた際に、教員の代わりになって講義をしてくれる動画の存在はありがたいのではないかと説明し、納得してもらいました。

一方で、導入に積極的な先生を巻き込むことにしました。「学力向上」の最先端を担う特進アドバンスコースの担任が校内の学力向上委員会に入っていたことや、その先生が若手で、新しいツールに抵抗感がなかったのもポイントだったと思います。

県内有数の活用頻度で、学力向上に寄与。 スタディサプリを軸に置いた学習指導を

スタディサプリの活用が進んでいることは、リクルートの営業担当から提示された「スタディサプリ活用レポート」からも明らかです。例えば1学年のアクティブ率は月平均78%で、埼玉県内公立高校の中で第6位となっています。宿題配信回数は月平均14.6回で、3年前の1.1回からと比較すると飛躍的に増加し、こちらは埼玉県内公立高校の中で第2位となっています。毎週配信することで活用頻度が上がってきています。
スタディサプリ活用レポート
▲リクルート社からの情報提供が活用の促進につながっている。
コツコツ取り組むことができる生徒の中には、数百時間視聴した生徒もいて、視聴時間に比例して学力の向上が見られます。学校パンフレットにもスタディサプリをよく活用している生徒が、「特に受験勉強に利用できた」と答えている記事を掲載しており、スタディサプリは本校の学習指導の主軸となっています。今後スタディサプリの活用を通じて行いたいのは、優れた講師陣が動画で講義を行ってくれる「以外」のことです。例えば、生徒たちのモチベーションに働きかけ、新しい行動のきっかけを与えることは、私たち教員の役割だと考えています。

「教員=教える+○○(新しい役割)」の○○にあてはまるこれからの教員のありかたとは―

教員=教える+「夢を語ること」(澤田先生)

(澤田先生)
教員とは「教える+夢を語ること」だと考えます。昨今、進路選択に対して現実的な生徒が多く、自分が見聞きしている以上のことを考えたり知る機会が少なくなっていると感じます。今見えていることよりも、もっと大きな視点で夢を見ることを伝えていくことが、教員の大切な役割だと思います。

教員=教える+「整理整頓」(橋本先生)

(橋本先生)
教員とは「教える+整理整頓」だと思います。勉強がわからないといっている生徒の中には、「何がわからないか」さえわかっていない生徒がたくさんいます。教員はそんな生徒に対し、自分が抱える課題を整理できるよう促す役割があると思います。教員自身も多種多様な業務を整理し、力を入れるポイントを絞ることで、より一層生徒の指導に当たることができるのではないかと思います。

教員=教える+「経験」(大林先生)

(大林先生)
教員とは「教える+経験」であると考えています。教えれば理解できるのかもしれませんが、まず経験する機会を提供して、自ら考えていく中での気づきを促すことも大切だと思います。

これからの教育現場では、スタディサプリのような学習に効果的なツールを積極的に活用しながら、我々教員が、人間にしかできないことをしっかり行っていくことが必要です。生徒の心を動かし、主体的な心を育てていくことが大切だと思います。
埼玉県立秩父高等学校(埼玉県)
学 科:1学年(一般クラス/進学アドバンスクラス/特別進学クラス)、2学年(私立文系Ⅰクラス私文選抜クラス/国公立私理クラス/進学アドバンスクラス/特別進学クラス)、3学年(私立文系Ⅰクラス私文選抜クラス/私立文系Ⅱクラス/国公立私理クラス/進学アドバンスクラス/特別進学クラス)
生徒数:1学年210名 2学年230名 3学年224名 
埼玉県立秩父高等学校
ページ内容は2020年3月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
|CONTACT|

お問い合わせ

スタディサプリ学校向けサービスの導入に関する
ご質問・ご確認は、お気軽にお問い合わせください。
ページトップ