活用事例

基礎学力と学習意欲の向上は、学内だけでは限界。外部教材×学習計画表で成果が見えた

津田学園中学校・高等学校(三重県)
2018.05.18
津田学園中学校・高等学校(三重県)先生方
副理事長・中学校校長/寺本先生 総括主任/出口先生 教育ICT推進委員/山村先生
課題
  • 個々の生徒に合わせた学習指導を確立させたい
  • 基礎学力の定着と学習意欲を向上させるために、学外のコンテンツと教員の力を統合させ、学力を高めたい
活用ポイント
  • スタディサプリを取り組む生徒一人ひとりに合わせた声のかけ方で、学習意欲と学習習慣定着に活用
  • スタディサプリを取り入れたオリジナルの学習計画を作成

「授業をするだけ」が教員の役割ではない、 外部のコンテンツを取り入れるのも教員の役割

当校は、6年間同じ環境で学びに打ち込めるという中高一貫校の強みを生かして、中学校から積極的に先進のICT機器を導入しています。全教室に固定式の電子黒板を設置し、平成29年度入学生からは生徒一人一台のデジタル端末を用意するなど、画像・音声・動画・インターネットなどを利用したインタラクティブな授業を展開しています。また、本年度は「変化への挑戦」を学校経営目標に掲げ、社会全体の教育力を学校内に持ち込む「アカデミア津田」を通じて、弁護士や行政書士、プロダンス教師による出前授業やワークショップなどを開催しています。
副理事長・中学校校長/寺本先生
学習指導では「徹底した基礎学力の習得」を教育方針に掲げ、1クラス17〜27名程度の少人数制クラス編成で、長時間にわたって一人ひとりの生徒としっかりと向き合い、基礎学力の充実を基盤としてきました。ただ、近年は生徒間における学力の幅に悩み、これまでも放課後や朝の課外授業、長期休み中の夏期・冬期・春期講習、大手予備校講師を招いた特別大学入試対策などを行っていますが、学習に対して受け身になっている生徒も見られ、基礎学力の定着と学習意欲を向上させるには、一斉授業だけ、学校だけ、教員だけでは限界があると痛感しました。

これまで、教員の役割と言えば、一般的に授業での教科指導や進路指導が中心に語られてきましたが、全国各地の小中学校で教員不足が広がっているように、教員一人の力は限られています。当校が考える教員の役割は、生徒の自ら学ぶ意欲を育みながら、社会や学校外とのつながりを提供し未来の選択肢を増やすこと。そのためには、教員だけでは伝えきれない有益な「コンテンツ」を探し出し、それを生徒に伝えていくことも教員の重要な役割です。スタディサプリを導入したのも、生徒の指導を行う上で、積極的に外部の視点を取り入れたいという思いがあったからです。

個別学習の最適化で 学力向上・学習習慣定着に貢献

スタディサプリを導入した最大の決め手は、生徒自身が弱点に気づくことができ、一人ひとりに最適化されたコンテンツに取り組むことで、生徒自身で苦手克服ができること。小学校の既習事項が不十分な生徒は小学校の学習まで戻ることができ、反対に中学校の学習事項を理解している生徒は高校の学習まで進むことができる。つまり、生徒一人ひとりの学習進行度や理解度に応じて、学習内容や学習レベルを調整できる「アダプティブラーニング」ができることです。
総括主任/出口先生、教育ICT推進委員/山村先生
導入初年度から英語・数学・国語・理科・社会の5教科で活用し、現在は授業の予習・復習から理解度確認、小学校の学び直しまで、教科に合わせて講義動画や確認テストを配信しています。課された単元の講義動画を視聴するだけでなく、生徒自身が積極的にテキストをダウンロードしたり、自宅でプリントしたスタディサプリのテキストを見ながら学校の授業を受けたり、朝早めに通学し学校の端末を借りて取り組んだりと、一人ひとりが自分の都合に合わせた使い方を工夫して取り組んでいる様子が見られました。学力向上や家庭学習の習慣はもちろん、さらには学習に対して自主的に取り組む姿勢が身についたのは大きな成果でした。

新たに見えてきた課題は、積極的に動画を視聴する生徒とそうでない生徒に対する教員の働きかけの仕方です。取り組めている生徒には、「ちゃんと動画見てるんだね」「朝早くからがんばってるね」などと、さらに学習意欲を伸ばすような声のかけ方を。そうでない生徒には、「こういう使い方をしたらどうかな」「わからないところはないかな」というように、スタディサプリが習慣化するような声のかけ方をしなければなりません。for Teachersでは生徒の取り組み状況を「見える化」することができますが、生徒一人ひとりの取り組み状況に合わせた動機付けをするのも新しく見えてきた教員の役割です。

生徒に達成感を与え自主性を伸ばす 「学習計画」活用法

当校では、ただ漠然と学習させるのでなく、中学1年次から「学習計画」を作成し、目標を達成するための具体的な行動を計画に落とし込んでいます。立てる目標は自由で、中には「スタディサプリをがんばる」という目標を立てる生徒も。学習計画を作成する上で大切にしているのは、立てた目標は具体的か、立てた目標を実現するには何が必要で、それがどこまで達成できたか。そして、達成できなかった場合はどのように改善したらいいのか、同じ失敗をしないように、次にどのように活かすか、ということ。

現代においてPDCAサイクルを効率的に回すというのは、どんな進路に進んでも、どんな職業に就いても必要不可欠なスキル。これからの社会で逞しく生き抜く力を養い、また大学入試改革の方向性にも対応するために、スタディサプリを学習計画に取り入れ、基礎学力の習得はもちろん、生徒の自主性を伸ばしていく。それが私たち教員の最大の使命であると強く実感しています。
学習計画
津田学園中学校・高等学校(三重県)
生徒数:中学(1学年23名 2学年17名 3学年25名)高校(4学年26名 5学年25名 6学年22名)
津田学園中学校・高等学校(三重県)外観
ページ内容は2018年5月時点の情報です。
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