活用事例

高大接続改革に向け、ポートフォリオ機能を活用。手軽なスマホ入力で主体性も育成

都立向丘高等学校(東京都)
2020.03.27
理科(物理)担当 2学年担任/黒尾先生
理科(物理)担当 2学年担任/黒尾先生
課題
  • 指示されたことに対してはテキパキと動くが、物事に対して主体的に取り組めない生徒が見られる。
  • 高大接続改革が打ち出されたことを背景に、クラスや部活動など自分が所属する集団に対して、自ら良い影響を与えられるような自主性を育むために、ポートフォリオの活用を校内で検討。
活用ポイント
  • スタディサプリを導入した当初は、学年で集まった際やテストの時などに活動メモを残すように指示し、活用を促した。活用が進むにつれて「学校版SNS」のように自ら楽しんで入力する生徒が出てきた。
  • 以前はプリントベースのポートフォリオを利用していたが、配布・回収・チェックなどに手間がかかっていた。現在は「for TEACHERS」を活用し、気軽に課題を出すことができている。
 活用効果
  • ポートフォリオを活用したことで、「振り返り」だけでなく、今後の計画を立て、実行するといった「行動の変化」が起こった。学習への取り組みも変化し、成績の向上につながっている。
  • 配信したアンケートの入力結果を個人面談で参考にすることも。自主性を重んじるため、指示は出さないようにしているが、入力するという習慣が身についた生徒が増えてきた。

指示されたことはテキパキ動けるが、生徒自身が自ら考える 「主体性」を発揮してほしい

本校では、時代の流れにともない、生徒の質が変化してきていました。そこで、全教員に対して「育てたい生徒像」に関するアンケートが実施されたことが、変化のきっかけとなりました。教員からはさまざまな意見が挙がり、なかでも多く聞かれたのが「主体性」を持つことの重要性。生徒たちは指示すればテキパキと動いてくれるのですが、自分から課題を見つけて行動することや、所属する集団がより高め合える雰囲気になるように自分から働きかけるなどの意欲が足りていないのではないかという話になりました。

ここから導き出されたのは、学習や行事、部活動等のすべての活動において、「主体的に取り組んでいける生徒」を育てていきたいという方針です。その具体的な方策して検討されたのが「ポートフォリオ」の活用です。政府が高大接続改革を推し進めていた時期と重なり、生徒自身が①自らを客観的に認識する ②目標設定を行う ③主体的に行動することを促すためにもポートフォリオが有効ではないかと考えたのです。ポートフォリオを活用することで、自分の思考のプロセスをたどることができ、将来見返したときに「あのときはこう感じていたんだ」「その後、このように行動したから今があるんだ」という気づきを得ることができるのではないかと考えました。

スタディサプリのポートフォリオは、記憶したいときに簡単に入力でき、教員側も生徒の入力内容をいつでもチェックできる仕組みが良いと思いました。もしも、これまでのように紙ベースで行っていたとしたら、学校全体で取り組むことは難しかったと思います。
向丘高校のグランドデザイン
全教員に実施したアンケートをベースとして作られた向丘高校のグランドデザイン

「学校版のSNS」という感覚で ポートフォリオを入力する生徒が増加

導入当初は、習慣づけを行うために活動メモを書くように指示していました。学年集会やテストの際に、記入見本を見せて生徒自身で入力させるということから始めました。回数を重ねていくうちに、びっしりと入力する生徒が出てきたのには驚きました。それに対し、教員側も次の段階としてどのように指導するかを考えなくてはいけないと検討を行い、大学入試の際に活用できるように入力項目を改善しました。活用が進んできた現在は、生徒一人ひとりのモチベーションを育てることが大事だと考えて、あえて指示を出さずに見守る場面も作っています。

ポートフォリオの活用について、生徒からは「部活動で、1年生の時に態度が悪くて怒られたことがあったが、そのときの先輩の言葉で心に響いたことや、これから自分たちでこうしていこうと考えたことをメモしておいた。それを後から見返して先輩たちがどういう気持ちで下級生に向き合ってくれていたのかが分かった。これから三年生が抜けて最上級生になったときに参考にしたい」などの声が挙がっています。別の生徒は「テストで暗記問題が解けなかったときに、どのように暗記すれば良かったか、いつから勉強を始めれば良かったかという振り返りをしたが、次のテストのときにそれがとても参考になった」と話すように、ポートフォリオの活用が進んで過去の出来事をしっかり振り返り、活かしている様子が伝わってくるようになりました。
スマートフォンでポートフォリオの入力
理科(物理)担当 2学年担任/黒尾先生
スマートフォンやSNSとの親和性が高い世代ですから、スタディサプリのポートフォリオは気軽に入力でき、「学校版SNS」といった感覚で生活にとけ込んでいるようです。初めは箇条書きで入力していた生徒も、次第に考えたことを整理して書けるようになってきました。仮にスタディサプリのポートフォリオ機能がなかったら、ここまで活用する生徒は多くなかったと思います。時間があるときに過去の記録を見ながら、今後の学習計画を立てるなど、生徒自身が工夫して活用しているようです。

「for TEACHERS」のさまざまな機能は、今までの学校現場にありそうでなかった、かゆいところに手が届くありがたい仕組みだと思います。例えば、課題をチェックする際に、従来は紙で配布し、一人ひとりの提出状況をアナログにチェックしていましたが、どうしても時間がかかってしまいます。その点、スタディサプリならWeb上で誰が未提出かを瞬時にチェック できます。これまで私たち教員が忙しい時期には、つい課題を出すことをためらってしまうこともありましたが 、気軽に課題を出すことができるのも良い点だと思います。

画像やファイルの添付、カテゴリやタグによって 活動記録を整理できる便利な機能

自主的にスタディサプリに取り組めるようになった結果、行動が変わってきた生徒が出てきました。ある生徒は「以前は出される課題をこなすのが精いっぱいで自分らしい勉強ができなかったが、サプリを活用することで、過去を振り返って学習計画を立てることができるようになった。テストの2週間前からテスト勉強に集中できるよう、日々の課題を早めに終わらせるようになった」と話していました。結果としてテストの得点が上がり、自信を持ったことで、以前よりも多くのことにチャレンジしている姿をみると嬉しくなります。

また、別の生徒は「大学のオープンキャンパスや体験授業に参加する際に、自分が気になったことや感じたことをポートフォリオに記録していこうと思う。それを後から見た時に、勉強を頑張ろうと自分を鼓舞させることができると思う」と、スタディサプリ活用の効果を実感しているようでした。スタディサプリのポートフォリオ機能は、日々の学習活動や部活動、学校行事についていつでも活動メモを記入できるだけでなく、画像やファイルの添付ができたり、「#茶道部」のようにハッシュタグを付けたりできるので、振り返りを行う際に便利なようです。

サプリ上のアンケート機能はテストが終わった後や学期末などに配信しています。当初は、生徒に書かせたいものはすべてアンケートにしたいと思うほどでしたが、それでは主体性を養えないと考え、オーソドックスな振り返りのサンプルを例示して、それを参考にどれくらいの生徒が自主的に活用してくれるかを見るようにしています。最近はほとんど指示を出していないので、たくさん書いている 生徒は習慣化ができていると考えて良いと思います。生徒が入力した内容を見ながら個人面談で話すこともあります。スタディサプリを2年間 活用してみて、もちろんまだ終着点ではないと思いますが、ポートフォリオでの振り返りを通じて、自分で考えて自分の理想を描き、実現させるという「主体性」を養ってもらえたらと思います。
都立向丘高等学校(東京都)
学 科:普通科
生徒数:1学年280名 2学年313名 3学年272名
都立向丘高等学校
ページ内容は2020年3月時点の情報です。
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