活用事例

科目選択による学力不足が明確に。教材とテストの連動で成果がわかり自学自習が習慣化

県立浜松大平台高等学校(静岡県)
2020.02.27
2年次主任・理科担当/金子先生
2年次主任・理科担当/金子先生
課題
  • 2年次以降の科目選択状況により、3年次に英語、数学を学ぶ機会のない生徒が見られた。就職希望者はSPI対策、進学希望者は受験対策に必要な基礎学力の定着に課題があった。
  • 生徒自身で「何を勉強すべきか」がひと目でわかる、シンプルで使いやすい教材を探していた。
活用ポイント
  • 1年次は金曜日、2・3年次は土曜日に宿題を配信して月曜日にチェックテストを実施。また、定期テスト対策としてテスト前に試験範囲の講義動画を配信。「きちんとやれば成績が向上する」という流れを作った。
  • アンケート機能を活用して行事や部活の振り返り、目標を入力。教員と生徒のコミュニケーションの質が向上。
活用効果
  • スタディサプリを導入した結果、下位層の生徒が減少。定期試験で赤点を取る生徒の数も減った。
  • Web上であれば教員一人で160人分の学習状況をチェックできるため、「何に取り組むべきか」を考えることができる。

「科目選択制」というカリキュラムが生んだ 「基礎学力不足」という課題

本校の進路指導において重視しているのは、基礎学力の定着と、思考力・判断力・表現力を育成し、一人ひとりの希望進路を実現することです。ところが、2年次における科目選択制により、数学をまったく勉強しない、3年次で英語に触れなくなるという生徒が存在し、カリキュラムから生じる基礎学力の不足を感じていました。就職する生徒はSPI試験などで基礎学力を問われますし、大学進学する生徒も、たとえば工学科に進んだ場合に数学の基礎ができていないと困る場面が出てきます。せめて、高校1年次の必修科目は身につけて卒業してもらいたいと考えていました。その一方で、補習を行うとなると教科担任の負担が増えてしまうというジレンマがありました。

スタディサプリを導入した当初は、進学希望者を対象にした「受験対策」として活用していましたが、科目選択していない生徒の既習範囲の習得や基礎学力の定着にも活用できるのではないかと気づきました。生徒の苦手分野を優先的に配信できることや、学習指導に特化していて操作性がシンプルで使いやすい点が良かったです。

他の教員を巻き込む点は大変でしたが、苦労とは思いませんでした。「せっかく導入しているのだから効率的に取り組めないか」というメッセージを発信したところ、私の想いに応えてくれるかのように「課題数が増えてしまうと早く終わる生徒と時間がかかる生徒に分かれるので、どの程度の配信量が適切か」という声が挙がるなど、建設的な話ができました。


2年次主任・理科担当/金子先生

前週の宿題配信のあと、月曜日にチェックテストを実施。 「ちゃんとやれば合格する」体験を積ませる

活用のポイントは、中学校までの既習範囲の復習を含め、苦手克服の課題をやり切ること。1年次は金曜日、2・3年次は土曜日に動画を配信して、月曜日にチェックテストを行っています。7割正解したら合格とし、追試は3年次まとめてやっています。当初、生徒たちは「別に合格しなくてもいい」という様子でしたが、「ちゃんとやれば合格できる」と気づいたようで、特に3年次になると追試になった自分を恥ずかしく思う生徒も見られました。個人的に罰則制は好きではないので、「勉強するかしないか」ではなく、本質的に単元を理解するようにと話をしています。

また、定期テスト対策として、テスト前に試験範囲の内容の講義動画を配信しています。for TEACHERSで生徒の取り組み状況を見ていると、遠方から通っている生徒は、電車通学時に動画を視聴し、学校近くに住んでいる生徒は23時頃に視聴していることがわかりました。教員側としては、毎日2チャプターずつ、15~20分くらい視聴してほしいですが、部活動があったりするとそれも難しいのか、まとめて2~3時間見ているケースが多いです。その意味では、多少まとめて視聴していても、部活動と両立可能なツールだと思います。

他にも、就職希望者には公務員の講座、AO入試を受ける生徒には小論文の講座というように、進路に合わせた動画配信を行っています。また、これまで『年次だより』を配布していましたが、その代わりに進路に対する考え方を宿題のコメント欄に入力して配信しています。最近ではアンケート機能も使い始めました。生徒には、行事や部活を通じて何を学んだのかを書き込んでもらっています。私自身、ボート部の顧問を務めていますが、これまで練習ノートに書かせていた今週の目標を、アンケ―トに書かせるようにしました。以前は、生徒の取り組みに対して、他の生徒がいる前で指摘していましたが、アンケートの記述に対して、「この取り組みいいよね」など、一対一で対話ができるのは生徒のモチベーションにとって良い方向に働いていると思います。

全国模試での下位層の生徒や、定期テストで赤点を取る生徒が確実に減少。 教員一人で160人の学習状況をチェックできるのも利点

サプリを導入してからチェックテストの不合格者が減少し、生徒の学習に対するモチベーションも向上してきました。今までは年次が上がるにつれて基礎学習がおろそかになり外部模試での下位層の生徒が増えるような状況も見られましたが、最近は増えないどころか、確実に減少しています。着実に基礎学力が身についてきた証拠だと思います。また、どの教科もすべて苦手という生徒が少なからずいましたが、今はそうした全般的に学習のモチベーションが低いという生徒は減り、それぞれが苦手科目と得意科目を持っているという状況に変わってきました。定期テストでの赤点の人数が確実に減っているのも、スタディサプリを導入した効果の現れだと思います。

スタディサプリを導入したことで、思わぬ効果も現れました。それは、本来受け持っていない年次の補習を担当する教員が出てきたことです。基本的な教科内容は動画で説明されていますし、中学校の学習内容であれば教科外での担当も可能です。教員と生徒との新しい接点が生まれたのは大きな収穫でした。

教員側の業務軽減の観点からも、スタディサプリを導入する以前にしていたテスト作成の業務が格段に軽減されました。特に、数学と英語の教科担当の負担が大きかったのですが、今はスタディサプリでテストを実施できますし、学習状況も簡単にチェックできます。Web上であれば、教員一人で生徒160人のチェックが可能です。スタディサプリを頑張っている生徒に賞状を渡すなどの試みを行いましたが、賞状をもらった生徒のモチベーションが上がり、チェックテストで不合格になる生徒も減っています。

「教員=教える+○○(新しい役割)」の○○にあてはまるこれからの教員のありかたとは―

教員=教える+「機会を与える」

教員の仕事は、教えることの他に「機会を与えること」だと思っています。選択した教科以外の勉強をしなかった生徒に学習のきっかけを与えるスタディサプリは、まさに生徒たちに貴重な機会を与えるツールのひとつです。スタディサプリの活用を通じて基礎学力が向上していけば、今後は探究授業の活動などを拡大し、課題解決力や自主性を育てていけるのではないかと期待しています。
県立浜松大平台高等学校(静岡県)
学科:総合学科
生徒数:生徒数:1年次160名 2年次 163名 3年次157名 
県立浜松大平台高等学校
ページ内容は2020年2月時点の情報です。
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