本校の進路指導において重視しているのは、基礎学力の定着と、思考力・判断力・表現力を育成し、一人ひとりの希望進路を実現することです。ところが、2年次における科目選択制により、数学をまったく勉強しない、3年次で英語に触れなくなるという生徒が存在し、カリキュラムから生じる基礎学力の不足を感じていました。就職する生徒はSPI試験などで基礎学力を問われますし、大学進学する生徒も、たとえば工学科に進んだ場合に数学の基礎ができていないと困る場面が出てきます。せめて、高校1年次の必修科目は身につけて卒業してもらいたいと考えていました。その一方で、補習を行うとなると教科担任の負担が増えてしまうというジレンマがありました。
スタディサプリを導入した当初は、進学希望者を対象にした「受験対策」として活用していましたが、科目選択していない生徒の既習範囲の習得や基礎学力の定着にも活用できるのではないかと気づきました。生徒の苦手分野を優先的に配信できることや、学習指導に特化していて操作性がシンプルで使いやすい点が良かったです。
他の教員を巻き込む点は大変でしたが、苦労とは思いませんでした。「せっかく導入しているのだから効率的に取り組めないか」というメッセージを発信したところ、私の想いに応えてくれるかのように「課題数が増えてしまうと早く終わる生徒と時間がかかる生徒に分かれるので、どの程度の配信量が適切か」という声が挙がるなど、建設的な話ができました。