活用事例

進路選択の視野を広げるため、進路学習・探究学習に活用。生徒の主体性を引き出す

涌谷高等学校(宮城県)
2020.01.29
研究企画部長/三浦先生
研究企画部長/三浦先生
課題
  • 地理的な要因により、生徒たちが職業に触れる機会が少なく、進路選択の視野が狭くなりがちだった
  • 志望校が漠然としていて、「何がやりたいのか」「そのためにどんな進路があるか」という考えにたどり着いていない生徒が多い
活用ポイント
  • 1年生、2年生では『適性診断』を受検し、生徒自身の今の状態や意外な興味への気づきを促している
  • 「総合的な探究の時間」の中でスタディサプリのポートフォリオを活用。授業で用いるワークシートを撮影して記録させてみたところ、自主的に活用し始める生徒も出てきた
 活用効果
  • 進路学習と探究学習を意識的につなげ、修学旅行の際に京都の高校生との交流を行い、多様性や地域交流への学びを通じて、生徒の主体性を引き出すことができた
  • 企業と連携して「起業家教育」を実施。社会課題に対して問題意識を持ち、解決への道すじを考える視点を養っているが、志望理由書につなげていくためのツールとしてスタディサプリの活用が見えてきた

職業選択の視野が狭い生徒たちに向けて 社会との「リンク」を作りたい

本校は宮城県中部の涌谷町唯一の高校で、仙台市からは車で1時間程度の中山間地にあります。自然豊かな落ち着いた環境であるものの、その立地のせいからか、世の中にどんな職業があるのかということについて、なかなか知る機会が持てず、生徒の視野も狭くなりがちでした。
そのため、1年生の段階から少しずつ社会とのリンクを作り、「これをやりたいから進学したい」「こういう分野に就職したい」という人生の核となる考えを具現化させることが大きな課題でした。そこで、校内チームである研究企画部が中心となり、探究活動などのさまざまなプログラムを企画し、生徒たちの進路選択の視野を広げる方法について模索し始めていました。

最も重要視したのは、生徒一人ひとりが自分と社会とのつながりや、社会に貢献できる可能性に気づくことでした。どのように「気づき」へ導くべきかを考えていたところ、スタディサプリがその課題に対する解決になるのではないかと思いました。例えば『未来事典』には、「職業選択の始まりはこんなきっかけだった。少し掘り下げてみたところ、やがて“やりたいこと”が見つかり、進路のイメージができてきた。そこからこのようにアクションを起こしていった」という個々のストーリーが書かれていますよね。先輩の具体的なストーリーをなぞらえることで、生徒たちが「自分だったらどうだろう」と自分に置き替え、自らを起点としながら社会とのつながりを考えられる点が良いと思いました。

『適性診断』で自らの意外な興味に気づき 授業では年2回の振り返りでポートフォリオを活用

1年生、2年生では『適性診断』を受検しています。生徒が今の自分の状態や、これまで気がつかなかった意外な興味について気づくことができるのは大きなメリットだと思います。診断後にはリクルートの営業担当に解説会をお願いしていますが、自分のことなので、生徒たちも興味を持って真剣に話を聞いていました。

また、スタディサプリの『ポートフォリオ』も活用しています。「総合的な探究の時間」を使って年に2回、活動の振り返りの機会を設けていて、生徒たちに授業で使っているワークシートを写真に撮ってもらいポートフォリオに記録させています。書いたシートを紛失したとしてもスタディサプリ内にしっかり蓄積されますし、for TEACHERSから生徒の作成したポートフォリオを簡単に見ることができるので便利です。中には、自主的に、志望理由のワークシートを撮影して、ポートフォリオに保存している生徒もいます。

進路選択に必要な気づきや視点を養えるよう 地域交流や起業家教育を実施

また、進路学習と探究学習をつなげていけるよう意図しています。例えば2年生では、関西方面の修学旅行に合わせて京都の高校生と交流を行いました。これは「総合的な探究の時間」についての学習指導要領の解説に、「多様性」を学ぶことの大切さや「他校との交流」という手法が書かれていた点に着目したものです。交流は京都の高校のご協力を得て行いました。具体的には本校の生徒が書いた修学旅行の自主研修の計画を、京都の高校の生徒に事前に添削してもらい、その後、インターネットのテレビ会議システムで交流を行うという流れをとりました。当日は京都の高校の生徒たちに京都の街を案内してもらったところ、本校の生徒からは「ガイドブックには載っていない京都を知ることができた」と嬉しい声が挙がりました。京都の高校の先生は「わが校の生徒たちは意外に地元のことを知らない」とおっしゃっていましたが、この交流によってお互いが知識を深めて伝達し合うことを学べたと思います。本校の生徒たちにとって、「行かされる」修学旅行から「自らが企画して行く」修学旅行になったことで、自らの経験として印象に残ったようです。修学旅行から戻ってきた生徒からは、「京都の高校生にお礼のメッセージを送りたい」といった提案がありました。このように自主性が発揮され生徒が変わっていくことは、一人ひとりが自分事として進路を探究し、選択していくことの現れだと考えています。生徒自身の間に社会とのつながりが芽生え、新たな可能性が広がったことは、スタディサプリを導入したおかげなのかもしれません。
研究企画部長/三浦先生
本校では、高校3年生に向けて、企業と連携した「起業家=アントレプレナーシップ教育」を行っています。これは、生徒の視野を広げ、社会課題を解決するための視点やプランニング力を養うことを意図しています。実際に存在する世の中の課題について考えていくことは、「どんな分野で活躍したいか」「なぜその大学に行くのか」を導き出す進路選択の際に必ず役立つはずです。社会は日々変化しており、教えられた知識をなぞらえているだけでは対応できません。未来の社会では、主体性を持ち、失敗してもいいからどんどんチャレンジしていくという姿勢が求められています。高校3年間の探究学習や課題解決プロジェクトでの気づきを、自分の志望理由書に落とし込み、社会に羽ばたいていってほしいと思っています。
涌谷高等学校(宮城県)
学 科:学科:普通科
生徒数:生徒数:1学年115名 2学年 118名 3学年129名
涌谷高等学校
ページ内容は2020年1月時点の情報です。
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