本校が以前から抱えていた課題が、中学既習事項の定着が不十分な生徒にどう対応していくかです。授業中に時間を取り、中学校の既習範囲を体系的に教えるのはカリキュラムの都合上難しく、家庭学習でのアプローチが不可欠となっていました。基礎学力を高めていくため「学び直し」をいかに進めるか、校長のリードのもと校内でくり返し議論を重ねる中、外部の学習教材の活用も視野に入れ、本校に適した方法を検討してきました。
その過程で、候補の一つに挙がったのがスタディサプリでした。大学受験対策用のツールというイメージが強かったものの、実際にサービス内容を確認すると、中学校の学習の振り返りまで広くカバーしていることを実感。特に、生徒の基礎学力を測る到達度テストの仕組みには魅力を感じました。
他社の教材とも比較検討しましたが、スタディサプリは良い意味で機能がシンプルです。あまりに多機能すぎると、導入に際して各教員がかえって負担を感じかねません。到達度テストと宿題配信機能を持ち、生徒への個別対応も可能。必要十分な機能が揃っていながら複雑すぎず、家庭学習を充実させたい本校にとっては、非常に適したツールと考えました。
また、スタディサプリは講義動画の質の高さも特長と感じましたが、当初は「動画で学ぶ」ことの効果に疑問の声もあったように思います。他校での導入事例も参考に、前述のようなメリットを伝えることで他の教員の理解を得て、2019年度より1、2学年で導入に踏み切りました。