活用事例

基礎学力の底上げが必須。新たな学習支援として動画を課題配信し、学習意欲がアップ

白井高等学校(千葉県)
2019.11.07
校長・野澤先生(写真中央)、教頭・和田先生(写真左)、進路主事・有馬先生 (写真右)
校長・野澤先生(写真中央)、教頭・和田先生(写真左)、進路主事・有馬先生 (写真右)
課題
  • 生徒の多くに基礎学習が備わっていないため「基礎学力の底上げ」は必須。
  • 「学習支援の満足度」がこの3年間で7.1ポイントも低下。「新たなカタチの学習支援」が必要に。

 

 活用ポイント
  • 学習習慣を定着させるために、スタディサプリの講義動画を宿題配信。視聴を義務づけた。
  • 宿題の提出率を高めるために、生徒の進捗状況を一覧化して教室に貼り出すなど、個々の教員で工夫。
 活用効果
  • 講義動画の宿題配信に関して、初回は反応が鈍かったが、回を重ねるごとに自ら学習し始める生徒が増加。
  • 指定した範囲の講義動画だけではなく、範囲外の動画も自ら視聴する生徒も。

部活動から学業へシフト 「基礎学力の底上げ」と「新しい学習支援」の必要性

本校が何よりも大事にしているのは、生徒の基本的な生活習慣です。地域に根ざした学校を目指しているため、誰に対してもきちんと挨拶する、といった基本的な習慣に重きを置くことには、大きな意味があると考えています。近年の本校は、以前と比較して校内の雰囲気も良くなり、1年生がサッカー大会で優勝するなど、 いきいきとした変化を見せています。とはいえ、その活性化の軸はあくまでも部活動。変化を嬉しく思いながらも、学生の本分であるべき学業が二の次になっている点に疑問を感じていました。

地域交流・ボランティアプロジェクトのポスター
実際、生徒の多くが充分な基礎学力を満たしていないにもかかわらず、特に問題視はされていなかったのです。さらに「学校評価アンケート」を見ると、学習支援に関する満足度が3年の間に7.1ポイントも下がっていることに気がつきました。本校としては補習授業など、できる限りの学習支援は行っていたのですが、この数年の間に、生徒や保護者が求めるものが変化し、学習支援に対して「支援の手厚さ」「学習効果」を求めるようになっていたのです。学習習慣が身についていない生徒に対する「基礎学力の底上げ」と「新たな学習支援」に対するニーズとも言い換えることができるでしょう。

これらの課題を前にしてひらめいたのが、前任校で導入していたスタディサプリでした。直接の担当ではありませんでしたが、スタディサプリの効果のほどは実感していました。今までにないツールの導入に対し反対意見も挙がりましたが、職員会議ではオープンに意見を交換し合い、最終的に導入が決定。今年度の4月から、1年生を対象に活用が始まりました。

生徒の潜在的な学習意欲を掘り起こすスタディサプリ まずは動画視聴の義務づけで学びに慣れる

現在、特定の教科では授業の内容にマッチした講義動画を宿題配信し、復習に役立てています。「学習習慣を定着させる」というねらいのもと、生徒には講義動画の視聴を義務づけ、締め切り間際になっても見ない生徒に対しては「スタディサプリfor TEACHERS」からメッセージを送っています。生徒の自発的な気持ちを育てることは大事ですが、軌道に乗るまでは「強制する」ことも必要。今回は導入初年度ですので、特にきっちりやるつもりです。おかげで、1学期に配信した3回の宿題に対し、100%の提出率を達成することができました。

生徒たちは初めてスタディサプリに取り組むということもあって、初回は反応が鈍かったようですが、回を重ねるごとに抵抗感が薄れ、最近は自分から「スタディサプリをやらないと」という意識が芽生えてきたようです。「for TEACHERS」を通じて、毎日生徒の取り組み状況をチェックしていますが、近頃はこちらから声をかけなくても、自発的に学習する生徒が増えてきました。導入して間もないですが、スタディサプリの輪は確実に広がっています。
「宿題の提出率100%」は学年で意識していたことなので、うれしい驚きでした。ときには、「到達度テスト」の連動課題を締め切り間際になっても提出しない生徒をパソコンルームに集めて対応させたりもしました。また、宿題配信などでは、生徒の進捗を教室に貼り出す先生もいます。最後の一人までチェックするので教員に負荷はかかりますが、そこは意識を高く持って頑張りたいです。スタディサプリを活用する前は、生徒がちゃんと講義動画を見てくれるか心配していましたが、今のところ結果は上々。自主学習の習慣がなくても、何かきっかけがあれば、こんなに変わるんだと教員一同驚いています。何よりも、生徒の得意分野や弱点といった学力情報を一覧でチェックできるようになり、的確な分析ができるようになったことも、大きなメリットでした。
パソコンルームで課題に取り組む生徒
パソコンルームで取り組む様子
また、「到達度テスト」で感心したのは、学習すべき項目が優先順位に沿ってピンポイントで示されたこと。当初の目的である「基礎学力の底上げ」のきっかけとしてはとても効果的だと思いました。教員がスタディサプリの特性を理解して、適切な動画を選んで生徒に紹介すれば、日々の予習・復習のサポートだけでなく、予備校に行きたくても通えない生徒などにも、同等の学習機会を提供できるはず。さまざまな可能性を秘めたツールだと感じました。生徒に配信した宿題を試しに教員自身で取り組むこともありますが、最後の「確認テスト」で何%理解できたかわかるので、生徒も楽しく取り組めると思います。次に講義動画を視聴したら、前回までにマスターした箇所がわかりますし、励みになりますね。自分の取り組みが可視化されると達成感がありますし、生徒のやる気もアップするのではないでしょうか。

スタディサプリは生徒の潜在的な学習意欲を掘り起こすツールです。やる気が出た瞬間に、豊富な動画の中から自分に合った1本を選んで、わかるまで何度も視聴できる。このシンプルさが生徒のモチベーションを高め、継続して学習に取り組むサイクルを作り上げているのかもしれません。導入してまだ日が浅いので、活用方法のすべてがトライアル&エラー。現場に合ったベストな方法を、この1年かけて検証するつもりです。今はいったん校内の「運営委員会」で活用方針を決め、あとは教員の裁量に委ねています。そのため、各教科の宿題配信が同日に集中し、生徒に大きな負荷がかかってしまったことも。問題が出たらとにかく話し合い、最適化に向けて調整中です。

スタディサプリの可能性に期待 就職や資格取得などにも活用を検討

生徒にとって学習習慣はとても大切なもの。たとえ大学に進学しても、学習習慣が身についていなければ、成果のないまま卒業を迎えるでしょうし、社会に出たら、さらなる未知の学びが待っています。決して「高校で終わり」ではありません。生涯を通して必要な「学習習慣」を、高校在学中にどれだけ身につけられるかで人生が左右されます。スタディサプリの活用を推進しながら、この習慣づけを通して、一人でも多くの生徒に勉強の大切さ、奥深さを感じてもらえるよう、教員一同精進していきたいですね。

今年度は動画の活用だけで精一杯ですが、動画以外の機能も豊富ですので、それをどのように選び、取り入れるかが今後の課題です。当初のスタディサプリの活用目的は「基礎学力の底上げ」のみでしたが、実際に活用してみると汎用性が高く、それだけではもったいない。例えば、日々の授業や夏休みの補講の内容に、スタディサプリをリンクさせるだけで、生徒の「学習量」を増やすことも可能でしょう。学習の機会を少しでも増やし、生徒には確実な実力を身につけてほしいと思っています。今後は「就職サポート」や「英語の資格取得」といった分野にも目を向けたいです。全教員がスタディサプリの特性を理解し、時代にフィットするかたちで活用できたらと思っています。

先生にとって「教員=教える+○○(新しい役割)」の○○にあてはまるこれからの教員のありかたとは―

(和田先生)教員=教える+共に学ぶ

これからの教員に求められる役割は、教える+「共に学ぶ」でしょうか。日々の授業や部活動などを通して、生徒から教えられ、刺激を受けることは多々あります。私は生徒を支える立場ですが、生徒に支えられてもいる。でも、教える側と教えられる側という垣根を取り払って、ともに学び合うような関係でいたいと思っています。

(有馬先生・野澤先生)教員=教える+支える

(有馬先生)私が考える教員の役割は教える+「支える」です。生徒は一人ひとり個性があり、考え方や感じ方もそれぞれ違う。それぞれに応じて適切な支え方をしていきたいですね。

(野澤先生)私も全く同意見です。個々をサポートするスタディサプリにしても、今年度は効果的な活用方法を実験しながら、いずれは全学年に導入し、最終的には本校の学習支援活動の軸にしたいと思っています。現在取り組んでいる「宿題配信」や「月水金の放課後に行っている課外講座での活用」に加えて、年に2回ある三者面談にも連動させたいですし、進学希望者の夏休み中の課題としての活用も促進していきたいと思っています。

県立高校の多くは、入学時より卒業時の成績が低くなる傾向にありますが、本校が目指すのは「入学したら学力が伸びる学校」。これまでは「部活動の白井高等学校」でしたが、今後は勉強にも同等の力を入れているということもアピールしていくつもりです。スタディサプリ導入は、生徒への新しい支えであると同時に、学校として真摯に学習支援に取り組んでいるという、外部に向けたメッセージも含まれています。生まれ変わりつつある本校の未来に、ぜひご期待ください。
白井高等学校(千葉県)
学 科:普通科
生徒数:生徒数:1学年240名 2学年224名 3学年224名
白井高等学校
ページ内容は2019年11月時点の情報です。
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