当校は「文武両立」を教育目標のひとつとして掲げています。実際、部活動が盛んな学校なのですが、部活動をやっている生徒は忙しく塾に行けなかったりするため、どうしても部活動に偏りがちになります。学校としては、好きな部活動とともに勉強も頑張って、もっと高いレベルでの文武両立を実現させたいという想いがあり、部活動終了後にみんなで勉強する環境を提供する必要があると考えていました。そこで、放課後や部活動後の疲れた時間などでも、教員にあまり負担をかけずに「学校で行う映像型の予備校」のような学習ができないかと思ったのです。
さまざまな会社の映像教材を比較検討する中で、スタディサプリは受験に対応可能な信頼できる動画を配信している、ということで導入を決めました。教員が目の前で行う授業講習と同じクオリティを生徒に提供できると感じられたのです。導入を開始したのが2年生の10月です。理社は受験直前に成績が伸びる傾向にありますが、それより早期に取り組むべき主要教科の英数国にスタディサプリが有効だと思えたことも決め手になりました。ただ、学校内での視聴をメインに考えたので、ハード面の整備も不可欠でした。私がICT担当ということもあり、タブレット40台を安定稼働させられるように整えることにも尽力しました。最初の内は、途中でWi-Fiが途切れることもありましたが、回線が太くなったことにより、今では40人が同時に使用しても問題なくスムーズに視聴できています。
導入を決めてからも課題はありました。それは生徒の動機付けです。「スマホでいい」「家で見ればいい」と考える生徒たちを、どのように学校に集め、どのように学ばせるか。「周囲と切磋琢磨しながら学べる」「程よい緊張感を保ち集中して学べる」という価値を、生徒はもちろん保護者にも伝えることが重要だったのです。そのために、月1回、リクルートの方や卒業生を招いて、スタディサプリの利点について語ってもらう全体会を実施しました。先輩から「『家でできる』と思う人もいるかもしれないけど、みんなで学ぶことに意義があるんだ」と話をしてもらうことで納得する生徒・保護者も多く、こうした全体会は今も定期的に開催しています。