本校は、普通科のほか、林業を中心に森林について広く学ぶ森林環境科学科、衣・食・ヒューマンサービス(保育・福祉)の3つを柱に学ぶ生活創造学科を持ちます。将来に向けて多様なベクトルを持つ生徒が集まるのが本校の特色であり、全方位に気配りしながら、進学希望者・就職希望者それぞれへの進路指導に当たる難しさは、私たち教員が常に感じるところです。
「スタディサプリ進路」を導入する以前に、課題となっていたのが「生徒が『自分ごと』として進路を考え始める時期が遅い」という点でした。将来に向けたスタート地点は、まず自分は何も知らない、いわば「無知」の状態にあると気づくことだと思っています。そのことに早く気づいた生徒ほど、進学・就職への活動を充実させる傾向にあります。高校での成績に満足してしまうのではなく、常に外に目を向けさせ、広い世界から自分を客観視できるような生徒指導を重視してきました。
以前は他社が提供する進路指導ツールを活用していましたが、2016年度を迎えるにあたってリクルートの営業の方から「スタディサプリ進路」をご紹介いただいたのを機に、視野を広げて指導の刷新を図る目的から、その採用を決めました。各種教材の見やすさや、『適性診断』をもとに生徒が自分の将来を考えられる点にメリットを感じたからです。
私自身は、リクルートに対して就職・転職支援を中心とした「社会人サポート」の企業という印象を強く持っていました。多様な企業の現場や社会を知り、豊富な就職情報を持った会社が進路支援に参入するのは、他社とは違う大きな特長でしょう。高校生と同じ目線から社会を見るというよりはむしろ、一歩進んだ社会の目線から高校生を捉え、さまざまな情報を提供してくれるのではという期待がありました。