本校が掲げている目標の一つに「ICT化」があります。教室にプロジェクターを設置し、生徒にタブレット端末を持たせることになったのですが、環境は整えても、コンテンツがないままICT化を進めても意味がありません。デジタル的な教材が必要だということで検討をはじめました。
成田には予備校や塾が少なく、意欲がある生徒は高いお金を払って遠方まで通うことになります。本校には、勉強意欲があっても距離のハンデや高い授業料がネックになって予備校・塾に通えない生徒もいますし、そもそも「何を勉強したらいいのかわからない」という生徒もいます。教員が個々の学習レベルや状況に合わせて宿題を与えるなど、細かなフォローができたらよいのですが、それにはやはり限界があります。
スタディサプリは、金額的な手軽さと知名度の高さ、動画コンテンツの充実度に加え、生徒が自主的に視聴できること、教員が宿題配信や学習管理できることから、導入に至りました。
導入にあたって、本校ではトップダウンで決定するのではなく、「なぜスタディサプリを使うのか」、現場からの前向きな意見が必要でした。教員も一枚岩ではなく、中にはデジタル的な学習に抵抗がある世代もいます。時間をかけて、授業やテストと連動した予習・復習に活用できること、勉強の仕方がわからない子どもたちに教員から具体的な指示が出せる、上位層・下位層を問わず生徒の個別学習を促進できる、といったメリットをあげながら、なんとか導入にこぎ着けました。
教科によっては非常勤の講師もいるため、生徒が質問したくても不在で対応できないという問題もありました。当校では、教科担任主導ではなく、全教科担任主導で宿題配信することで、温度差や不公平感をなくしたいという思いもありました。