活用事例

学力格差・モチベーション格差のある生徒へ向け、年間シラバスに則りICT教材を活用

成田高等学校・成田高等学校付属中学校(千葉県)
2018.09.10
(左から)中学3学年担当・理科/山田先生、進路指導部長・数学/鵜殿先生、進路指導部・高校2学年担当・社会/齋藤先生
(左から)中学3学年担当・理科/山田先生、進路指導部長・数学/鵜殿先生、進路指導部・高校2学年担当・社会/齋藤先生
課題
  • 中学生、高校生ともに学力格差、モチベーション格差があり、個々への対応が難しい
  • 塾や予備校が近くになく、校内で生徒の学習習慣を定着させる取り組みが必須
 活用ポイント
  • 担任主導でスタディサプリを使った宿題配信を実施。生徒の学習状況を掌握し、タイムリーに声かけをしていく
  • 高校では教科書・副教材とスタディサプリをあわせた年間シラバスをつくり、生徒の学習を促進

生徒一人ひとりの学習に対する 細かいフォローを実現できるスタディサプリ

本校が掲げている目標の一つに「ICT化」があります。教室にプロジェクターを設置し、生徒にタブレット端末を持たせることになったのですが、環境は整えても、コンテンツがないままICT化を進めても意味がありません。デジタル的な教材が必要だということで検討をはじめました。

成田には予備校や塾が少なく、意欲がある生徒は高いお金を払って遠方まで通うことになります。本校には、勉強意欲があっても距離のハンデや高い授業料がネックになって予備校・塾に通えない生徒もいますし、そもそも「何を勉強したらいいのかわからない」という生徒もいます。教員が個々の学習レベルや状況に合わせて宿題を与えるなど、細かなフォローができたらよいのですが、それにはやはり限界があります。

スタディサプリは、金額的な手軽さと知名度の高さ、動画コンテンツの充実度に加え、生徒が自主的に視聴できること、教員が宿題配信や学習管理できることから、導入に至りました。

導入にあたって、本校ではトップダウンで決定するのではなく、「なぜスタディサプリを使うのか」、現場からの前向きな意見が必要でした。教員も一枚岩ではなく、中にはデジタル的な学習に抵抗がある世代もいます。時間をかけて、授業やテストと連動した予習・復習に活用できること、勉強の仕方がわからない子どもたちに教員から具体的な指示が出せる、上位層・下位層を問わず生徒の個別学習を促進できる、といったメリットをあげながら、なんとか導入にこぎ着けました。

教科によっては非常勤の講師もいるため、生徒が質問したくても不在で対応できないという問題もありました。当校では、教科担任主導ではなく、全教科担任主導で宿題配信することで、温度差や不公平感をなくしたいという思いもありました。

スタディサプリに取り組みやすい環境を作る 教員の一工夫

高等学校へのスタディサプリ導入の段階では、学年の教員が中心となって、スタディサプリを活用するための年間学習シラバスを作成しました。生徒が不安を感じるような部分をなくすために、いつ、どのスタディサプリの講座を学習すればよいかを明示。実際に全員がこの通りにやりきるのは難しいのですが、重要な単元の学習も多く、模擬試験から逆算して作成しました。
学習の目的がわからない生徒や学習習慣が身についていない生徒にとって、このシラバスは「相当な数の動画を見なければならない」とモチベーションを低下させてしまうものかもしれません。最初の段階で生徒に敬遠されれば、もう二度とスタディサプリを受け入れられなくなると考え、小学講座の問題をクイズ感覚で配信している担任もいます。例えば小学講座5年生社会の「世界の国々」の確認テストを一問一答形式で出題したり、高校講座数ⅡBでは、課題を出して「がんばってみよう」というだけでは気が進まないため生徒も多いため、気楽に質問しやすい雰囲気を作ったり、for Teachersからメッセージを送って努力を認めたりと、各担任が工夫してスタディサプリにログインさせるきっかけづくりに取り組んでいます。


また、スタディサプリのヘビーユーザーだった3年生が英語の特訓プログラムをつくり、冬休みにクラスで取り組んだこともありました。「この時期には、絶対○○をやったほうがいい」という先輩の一声で、後輩が動くことはあると思います。口コミの影響は大きいので、先輩たちに経験に基づいた「スタディサプリ勉強法」を話してもらう機会も設けています。
本校では、中学生もスタディサプリを取り入れた学習を行っています。学習習慣がついていない生徒が多く、定期テスト前後だけでなく、普段からいかに自主的に学習させるかが課題です。教員から「勉強しなさい」「時間を増やしなさい」と言うと反発する年齢ですし、おもしろくないこと、面倒なことには取り組みたがりません。ですが、彼らにとっての先輩である高校生を意識させるように「今、先輩たちは高校講座のここをやっています」と教えると、興味本位から視聴する生徒、大学受験への意識が芽生える生徒もいます。中学2年生から3年生にかけては中だるみしがちな時期。スタディサプリが学習習慣の定着のきっかけとなってくれればと期待しています。

生徒の変化は 学習時間・視聴時間・学力にも現れる

導入当時は、勉強に対する苦手意識から劣等感を感じていた生徒、中学生の頃はクラスで平均的な成績だった生徒が次第にカリキュラムに慣れ、スタディサプリを利用することが日常になっていきました。生徒の中には、スタディサプリの視聴時間がトップになったことをきっかけに、学びへの姿勢が変わった者、スタディサプリでの学習を通じて全国模試で1位を獲得した者もいます。


全体的な学習時間が飛躍的に伸びたのをきっかけに、「成田高校はスタディサプリの視聴時間が長い」と周囲に認められることは、教員の働きかけが認められるということにつながります。ある教員が「視聴時間を分析してみよう!」と発言し、クラスごとの動画視聴時間、課題配信数などをまとめた資料を作ってくれました。全クラスの活用状況を見ると、達成率が突出して高いクラスがあって教員一同で驚きました。そのクラスは「よのなか科」を視聴している生徒が多かったのです。
教員はいつも、生徒に何かを探求させたり考えさせたりする機会を提供したいと考えているものの、普段の業務や生徒指導で時間を確保することが難しく、知識を詰め込むことを優先した授業になっているのが現状です。生徒たちの重要な進路を預かる人間として葛藤もありますが、スタディサプリの活用を通じて、教員が動けば生徒も動いてくれることを実感しました。これからは「よのなか科」のような生きる力を育てる教育も取り入れながら、日本を背負う若者を一人でも多く増やしていきたいと考えています。
成田高等学校・成田高等学校付属中学校(千葉県)
学 科:普通科
生徒数:中学校 1学年126名、2学年125名、3学年124名 高等学校 1学年320名、2学年323名、3学年335名
ページ内容は2018年9月時点の情報です。
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