春夏の甲子園出場常連校であり、多くの運動部が優秀な成績を残している酒田南高校。以前は、部活動に力を入れる生徒は「普通科」、国公立大学進学を目指す生徒は「特別進学科」と分かれていたが、近年は“部活も勉強も頑張りたい”と希望する声が増えてきたことから、2012年度にカリキュラムを一新。各学年1クラスある「特別進学科」では、文武両道を目指す生徒たちが多く学んでいる。しかし、部活動が忙しい時期になると、土曜日の午前中や夏休み、冬休みの講習に出席できない生徒が出てくる。これでは、当然のことながら勉強が遅れてくる。
「生徒個別に遅れを取り戻す課題を出すなどしてきましたが、部活が忙しいと、課題プリントの答えを友達に聞いて提出してしまう生徒もいる。学習時間が足りないことには、学力は伸びません。部活と勉強を両立したい生徒の学習時間をどうしたら増やせるか。また、生徒が本当に有効な自宅学習をしているのかを教師が確認し、適確なアドバイスをしていく術はないものかという点が、ここ数年来の課題でした」と特別進学科の菅谷正芳先生は言う。