活用事例

基礎基本の定着から、難関大学への受験対策まで。
進学校において自律的な学びを支えるICT環境の提供

和歌山県立向陽高等学校(和歌山県)
2026.5.22
数学/宮脇先生
 
課題
  • 50分×7限の時程となり、生徒が自由に使える時間が少なくなっていた。また、本校で長く取り組んでいた週例テストの時間確保が難しくなっていた。
  •  教員側にも週例テスト作成・運用の負担があり、働き方改革の観点から見直しが求められていた。
 活用ポイント
  • 週例テストをスタディサプリの「単元テスト」に置き換え、単元終了後に1〜2週間の幅を持たせて取り組む運用とした。
  • 解けなかった問題は講義動画と紐づけて配信することで復習を促すほか、授業内容の反復学習にも講義動画を活用。
 活用効果
  • スタディサプリが自学自習の新たなスタイルの一つとして定着。特に3年生では、受験に向けて自分の弱い分野をスタディサプリで学び直す生徒が増えた。

  •  教員の教材作成負担が軽減され、授業の工夫や生徒の状況に応じた柔軟な指導に注力できるようになった。

本校では、「未来を拓く探究者の育成」をグランドデザインのテーマに掲げ、全教員が目的を共有しながら学校運営を推進しています。また、これを具現化するための独自のルーブリック「HIMAWARI」を策定し、「気づく力(K)」「起こす力(O)」「読む力(Y)」「教えあう力(O)」の4つの力の育成に日々取り組んでいます。

週例テストをICTツールに置き換え、学習時間をより柔軟に

かつて本校では、学習の習慣化と基礎基本の定着を目的とした「土曜講座」と「週例テスト」を実施していました。土曜講座は月に2回、午前中に実施し、週例テストは国・数・英の3教科が年9回ずつ、計27回実施していました。いずれも一定の成果をあげていましたが、定期考査の合間に多数のテストや土曜講座が重なることで、生徒・教員ともに負担が大きく、疲弊が見られる状況でした。

そんな中、土曜講座にかわる取り組みとして、2020年度スタディサプリを導入します。折しも、導入直後はコロナ禍による休校や分散登校が重なり、学習環境を改めて考えさせられる時期でした。スタディサプリは、対面指導が制限される中で生徒の学習を支える有効な手段の一つとなり、オンラインでの進路指導や提出物のやり取りなど、コミュニケーション基盤としても大きな役割を果たしました。

さらに2022年度からは新教育課程への移行に伴い「50分×7限授業」へと時程が変更され、生徒の放課後に使う自由な時間が減少しました。そして、週例テストを実施することも時間的に不可能な状況となりました。このような状況の中で、基礎基本を定着させ、いかに学習の質を担保するかを5教科の教科主任で検討した結果、スタディサプリの「単元テスト」に着目しました。週例テストを単元テストに置き換えることで、生徒が自分のペースや生活状況に合わせて柔軟に取り組める環境を整え、放課後の時間を少しでも生徒に還元することを目指しました。また、塾・参考書・学習動画と並ぶ新たな学習手段として選択肢を広げる狙いもありました。加えて、教員の業務負担軽減につながる点も評価されました。
週例テストの代替として機能するか不安もありましたが、「まずはやってみよう」と意見がまとまり単元テストの導入を決定しています。

単元テストと講義動画を軸に、生徒の主体的学習を促進

現在は、スタディサプリを全学年で導入し、教科書の単元終了に合わせて単元テストを配信するほか、日々の課題や自主学習ツールとして活用しています。単元テストは配信期間を1〜2週間と長めに設定することで、生徒は週末なども利用しながら、自分のペースで取り組むことができます。単元テストで解けなかった問題については、講義動画と紐づけて配信することで復習を促しています。また、国語や英語では、長期休暇中の課題としてもスタディサプリを活用しています。

教科書内容に沿った質の高い講義動画が用意されているのは、スタディサプリの利点だと感じます。授業はどうしても「瞬間的なもの」であり、その場で理解できても時間が経てば忘れるということも避けられません。いつでも何度でも見返せる動画があることで、授業内容を思い出し、再び理解を深めることができます。
一方、定期考査や入試を見据えるとより高い難易度が必要になるため、基礎基本の定着=スタディサプリの単元テスト、応用・発展=校内課題や紙教材というのが、本校での基本的な位置づけです。

家庭学習での活用は基本的に生徒に委ねており、学年によっても使い方に違いが見られます。1、2年生では単元テストと講義動画を組み合わせ、授業内容の定着に活用するケースが中心です。3年生になると受験を見据え、自身の苦手分野や模試で間違えた範囲を自ら選び、学び直すなど、より主体的な活用が目立ちます。一部の教科では、スタディサプリの取り組み状況を観点別評価の「知識・技能」や「主体的に学習に取り組む態度」の評価の参考とし、評価面からも生徒の学びを後押ししています。

スタディサプリでは多様なレベルのコンテンツが用意されているため、難関大学への受験を考える生徒に向けては、ハイレベル・トップレベルの講座を活用しています。 長期休暇に先駆けて、大学別の問題をプリントアウトし、希望する生徒に配布。講義動画を視聴しながら実際に紙の上で手を動かして問題を解くなど、デジタルとアナログを組み合わせた学習をサポートしています。

多様な学習スタイルを尊重し「協働的な学び」への発展にも

本校では、スタディサプリの活用を全員一律に求めるのではなく、多様な学習スタイルの中の一つの選択肢として位置づけ、生徒一人ひとりに合った学び方を尊重しています。こうした方針のもと、約6〜7割の生徒が日常的・継続的にスタディサプリを活用しています。単元テストを起点に、解けなかった分野について講義動画で理解を深める中で、その有用性を実感し、「他の動画も見てみよう」と視聴が広がることも少なくないようです。

一方、難関大学を目指す生徒の指導では特に、「ベースとなる型」をスタディサプリで得られることは教員にとっても大きなメリットです。各志望大学に合わせた問題をゼロから作成する負担が軽減されたことで、そこにプラスアルファの要素を工夫したり、生徒の状況に応じた補足や指導を加えるなど、より柔軟に対応できるようになりました。

今後に向けて、スタディサプリは反転学習のツールとしても活用していきたいと考えています。自宅で教科書や講義動画などから知識をインプットし、教室はそのアウトプットの場として、議論したり、教えあうなど、協働的な学びを深めていきたいです。一方向の講義であればオンラインでも成立する時代だからこそ、対面で学ぶ価値を高めていくことが重要だと捉えています。

本校のグランドデザインである「未来を拓く探究者の育成」における“未来”とは、高校卒業後の進路にとどまるものではありません。10年後、20年後を見据え、自らの明るい未来を切り拓き、社会で広く活躍できる人材を育てていきたいと考えています。
和歌山県立向陽高等学校(和歌山県)
●生徒数:高1:277名、高2:276名、高3:316名
ページ内容は2026年5月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
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