活用事例

中学3年間で「基礎学力の定着」と「努力して掴み取る姿勢」を育む、中高一貫の中等部としての役割。

箕面自由学園中学校(大阪府)
2025.4.28
教務部/数学/安田 誠先生
 
課題
  • 目標に向かって努力を重ねていける人間力と、目標を実現できる学力の両方を育むことを大切にしている。
  • 高校は複数コースを設置しているため、目指す進級先のコースによって学力の多様化が起こりやすい状況があった。
 活用ポイント
  • 『スタディサプリ』は、基礎学力や学習習慣の定着を目的として活用。朝学習の時間に数学のチェックテストを実施している。設定した正答率に届かない生徒は再テストを行っている。
  • 教科では、定期考査の3週間前からテスト範囲の復習動画を配信。学力向上に限らず「箕面自由学園の先生ではない人の説明を理解する」という複数話者の学習を通して、自分で言葉を理解して要約する経験も重ねてほしい。
 活用効果
  • 朝学習での数学チェックテストは、事前対策用で配信している宿題(任意課題)を実施することで合格できるため、皆が積極的に取り組み、「努力すれば結果が出るんだ」と意識も変化している様子。

  • 予約配信などの機能は教員側も助かっている。何より生徒の学習状況が可視化されるので、教員の担当教科に関わらず、朝学習の点数や実施状況を把握して、適切な個別指導につながっている。生徒が興味を持った分野についても、動画で探究することを促している。

コロナ禍で中高一斉導入。使いやすさで引き続き活用することに

1926年に創立した箕面自由学園は、学園内に幼稚園から小学校、中学校、高等学校までを擁する総合学園です。本校はその中学校であり、高校までつながる6ヶ年のカリキュラムの中で、自分に一番合う進路を見つけ、叶える力をつけさせねばなりません。

校長は常々、「努力して掴み取る」ことの意義を生徒たちに説いています。目指す進路に向かって自ら努力を重ねていける人間力と、実現できる学力、その両方の土台作りを本校の教育では大切にしています。

ただ、本校は入試時に複数の受験型があり、また高校でも多様なコースを設置していることから、目指すコースによって中学時代から「学力の多様化」が起こりやすくなっています。特に基礎学力の定着、学習習慣の定着に課題がありました。

『スタディサプリ』を中高一斉に導入した直接のきっかけは、コロナ禍によるオンライン学習の必要性でしたが、もともと本校が抱えていた課題解決に役立つ実感があり、先生方からも「使いやすい」との声が多く上がりました。特に評価が高かったのは、講義動画の質の良さや、チェックテスト機能を用いた配信設定の便利さ、ダウンロードして使える教材の豊富さです。好評だったことから、コロナ後も引き続き活用していくことになりました。

朝学習で数学のチェックテストを実施。テスト対策には復習動画を配信

現在、本校での『スタディサプリ』は、基礎学力や学習習慣の定着を目的として主にドリル機能の活用や、朝学習の時間に数学のチェックテストを活用することがメインになっています。また、生徒個別の学習提供に活用することもあります。その他、「よのなか科」を通したキャリア教材も活用しながら、学習に閉じない多様な活用を中学全体で行っております。

朝学習の数学チェックテストでは、事前にその範囲を任意課題として配信しています。そして朝8時40分にチェックテストを予約配信し、55分に実施を終えたら、採点結果をダウンロード。設定した正答率に届かない生徒は、本校で「Jタイム」と呼んでいる7限目に再テストを行います。この際に便利なのが、数学のチェックテストは同じ単元でも「テスト1」と「テスト2」の2パターンが用意されていることです。そのため、初回のテストは1、再テストは類題の2を実施するという使い方ができ、とても助かっています。

ちなみに、テストを配信してタブレットの画面上でやらせるか、ダウンロードして紙に印刷するかは、どちらも可能なので各学年の数学の先生に任せています。テストの結果は成績の平常点にも追加しており、任意の事前課題をやっているかも勘案していますが、生徒たちは、これらが成績に影響していることはほとんど意識することなく取り組んでいると思います。

また、社会や英語の教科では、定期考査の3週間前からテスト範囲の復習動画を配信し、各自で対策ができるようにしています。この講義動画は、普段に生徒たちが授業を受けている先生と話し手が変わるところが非常に良いと感じています。「学校の先生」とは違う「スタディサプリの先生」の話し方に慣れることや、結論は同じでも別の切り口から説明されることを受け入れ、理解するという経験は、将来的に社会で活躍する際にもきっと役立つことでしょう。

「対策すれば合格」と生徒の意識が前向きに。興味を持った分野の探究にも動画を活用

朝学習での数学チェックテストは、事前に配信する任意課題にしっかり取り組んでさえいれば合格できるレベルです。不合格だと再テストになるため、部活で忙しい生徒や数学が苦手な生徒も、任意課題で対策することで合格しています。学力が多様化している中でも、学習習慣の定着を目指した補助教材として活用できていると思います。大きな学力変化でなくても、このように小さな合格体験の積み重ねによって「対策すれば合格できるんだ」という意識変化が生まれているのではないでしょうか。

教員にとっても、予約配信などの機能が省力化につながっていることはもちろん、生徒たちの学習に取り組む姿勢やプロセスが可視化される『スタディサプリ』はメリットが多いです。たとえば数学において、本校では習熟度別クラス体制を敷いているため、普段のクラスの生徒たちが分散するのですが、朝学習の数学チェックテストの結果を先生画面で確認すれば個々の状況がわかり、適切な声かけができています。また、より幅広い活用を促すために、生徒が興味の持てる学問・学部・学科を見つけた時は、その分野に関連する動画の視聴を高校範囲でも勧めたりもしています。

これまで、生徒たちは何事においても「与えられる」経験のほうが多かったはずですが、中学生から高校生になるまでの間に、能動的・主体的に「努力して掴み取る」姿勢へと切り替える必要があります。それを実現するための学力は、中学時代は基礎レベルなので、得手・不得手に関わらずしっかりと身につけておきたい。そのうえで社会の動きを知り、探究活動に取り組み、自分が興味を持てる分野は何かを見つけてほしいと思います。本校は規模が大きくない学校だからこそ、生徒の今後を見渡して手厚くサポートしていきたいと考えています。

箕面自由学園中学校(大阪府)
●生徒数:1年生:51人、2学年:64人、3年生:57人
ページ内容は2025年4月時点の情報です。
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