活用事例

校内研修等の実施で全教員が活用できる仕組みづくりに注力
教科の壁を超えて、担当クラスの生徒や特別支援学級での細やかな対応を実現

都農町立都農中学校(宮崎県)
2025.1.23
校内研修の様子 音楽担当/桑引先生(写真右)
 
課題
  • 学年や教科の壁を超えて、学校全体で教育DXを推進できるよう模索していた。        
  • 素直な生徒が多い一方、学習面では集中力が持続しなかったり、学習習慣が身についていなかったりする生徒もおり、前向きに取り組む生徒との学力差が生まれてしまっている。
 活用ポイント
  • リクルート主催のスタディサプリ活用研修に、全教員が参加できるよう機会を設定するなど、学校全体の巻き込みを図った。
  • 朝学習やモジュール学習での自習ツールとしての活用に加え、小学校範囲まで利用できる無学年式の教材特性を活かし、特別支援学級の生徒の個別支援にも活用したい。
 活用効果
  • 学習履歴をもとに生徒一人ひとりに声かけができるようになり、生徒とのコミュニケーションが活性化された。

  • 生徒が自分のペースで学習を進めることができ、一人ひとりの苦手やつまずき箇所を克服できるようになった。

  • 学習データを確認し、動画視聴時間などの上位者を発表することで、生徒の学習意欲の向上に繋がった。

スムーズな導入に向けて、全教員の研修参加などの仕組みづくりに注力

都農町で唯一の公立中学校である本校は、素直な生徒が多いのが特徴です。一方で、学習面では集中力が持続しない生徒や、課題等の提出が難しい、家庭学習の習慣が身についていないという生徒もいます。それが、学習に前向きに取り組む生徒との学力差にもつながっており、課題として認識してきました。

こうした状況の中、都農町では生徒の学習支援を強化するため、2024年度より自治体予算によるスタディサプリ導入を決定しました。これに先駆け、本校では「オンライン学習ツールの目的別利活用を通した新たな学びによる教育DXの推進」を2024年度の主題研究テーマとして掲げており、私はその研究主任だったことから、3月にスタディサプリ担当に任命されました。

個人的には、それ以前からCMなどでスタディサプリの存在を知っていましたが、学校現場での活用イメージがもてず、多少の不安があったのは事実です。そこで、4月にはリクルート主催の研修に参加し、機能や活用方法について具体的に知ることで、そうした懸念は大きく軽減されました。実際に操作してみると、スタディサプリは幅広い層に対応できるICT教材であるとわかり、可能性を感じました。

導入初年度であり、スタディサプリを効果的に活用するため、リクルートから案内のあった年間のオンライン研修のスケジュールを確認した上で複数回にわたって校内研修の場を設定し、全教員が参加できるようにしました。その上で、教員全員がスタディサプリの管理機能に慣れ、動画教材・WEBドリル教材の活用や課題配信をスムーズに行えるよう目指しました。私自身も音楽を専門としていますが、特に国、社、数、理、英の教科以外の担当教員には「自分の教科とは関わりが薄いのでは」と戸惑う声もありました。そこで、学年会などを通じてICTツールの活用について話し合い、誰もが自分事として考え、意見を出しやすい仕組みづくりに努めました。導入が決まった3月時点から準備期間を確保して、全教員を巻き込んで計画的に進めてきたことが、円滑な導入につながったと考えています。

スタディサプリの幅広い学習範囲や、アンケート機能を活かした取り組み

現在、スタディサプリはさまざまな場面で活用しており、そのひとつが朝の学習タイムです。従来は主に読書の時間に充てられていた朝の時間を、スタディサプリを活用した学習時間に変更し、全校生徒が毎朝約10分間の学習に取り組むようにしました。また、都農町が設定している15~30分程度のモジュール学習の時間や、生徒会・委員会活動などで一部の生徒が教室を離れている際などにも、隙間時間を無駄にしないよう、スタディサプリの積極的な活用を呼びかけています。
特別支援学級の生徒への学習支援でも、授業の復習課題や実力テストの範囲として活用しています。スタディサプリは小学校から高校までの学習を広くカバーしているため、授業内で生徒のつまずきが見られた際には、小学校範囲の教材も活用して課題を配信できます。例えば、社会科で消費税の計算を苦手とする生徒には、小学校の算数から「小数のかけ算・割り算」を配信するといった工夫が可能です。私自身も音楽が専門ではありますが、自分の担当する教科以外であっても講義動画を活用することで、生徒の理解に繋げることができます。また、講義動画を一緒に視聴することで、生徒の表情や反応、「わかりました」という言葉から、生徒の理解の深まりを実感できました。

スタディサプリのアンケート機能が活躍する場面も多いです。例えば、校外での職業体験学習の際、従来は家庭から電話で終了報告を受けていましたが、今年度は生徒が各自の端末からスタディサプリのアンケート機能を使って報告を行う仕組みに変更しました。また、私が担当する音楽科では、生徒が編曲した楽曲のURLをアンケート機能で共有し、工夫した点の発表や感想もアンケート上に記入しています。そのほか、研究論文作成のため生徒の興味関心の調査や、卒業式の選曲についての意見収集にアンケート機能を活用したこともあります。生徒がスタディサプリにログインする習慣が身についているからこそ実施できた取り組みであり、生徒にとっても教員にとっても利便性が高いと感じています。

学習状況の可視化データを生徒とのコミュニケーションのきっかけに

スタディサプリは、生徒の学習状況をデータで確認できるのが大きなメリットです。従来は把握が難しかった家庭学習の様子や、生徒一人ひとりの進捗を細かく見ることができます。タイムラインを通して、夜遅くまで頑張っている生徒の姿に気づくこともあり、これらの情報をもとに、学習状況について個別にフィードバックできるようになりました。「動画視聴時間では現在◯◯さんが1位」などと発表して、励ましの声をかけることもあります。
また、時には朝の学習の時間にログインしていない生徒を見かけて、「今日、ログインしていないけれど、どうしたの?」など尋ねることもありました。それが会話のきっかけとなり、生徒とのコミュニケーションが促進されることもありますし、私たち教員から見られていることに気づき、学習習慣を見直す生徒もいます。私は2年生のクラス担任を務めていますが、スタディサプリを活用することで、音、美、保体、技家の教員であってもクラスの状況をより細かく把握し、指導・支援に役立てられるのはすばらしいと感じています。

学習履歴を活かした生徒への働きかけは、今後いっそう強めていきたい点です。動画視聴時間や受講講座数についてクラスや学年単位のランキングを発表することが励みとなりモチベーションになる生徒も多いと考えています。より効果的なデータ活用方法を模索し、生徒の学習意欲の向上につなげていきたいです。
都農町立都農中学校(宮崎県)
生徒数:1学年83名 2学年82名 3学年82名

ページ内容は2025年1月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
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