活用事例

生徒の自立精神を涵養しながら、
働き方改革の一助となる活用方法を考案

山口県立柳井高等学校(山口県)
2024.3.21
 
課題
  • 「右文尚武」を校風として掲げており、その実現にあたって、健康で安全な生活を自身で創出する力の育成とともに、多様な進路選択に対応できる確かな学力と幅広い教養を身に付けさせる必要があった。
  • 2020年度より『スタディサプリ』を山口県内すべての県立高校に導入。2022年度からは各学校で採用の可否を決めることとなり、まじめだが受け身な生徒が多いなかで、生徒の主体的学習習慣の確立に向けて『スタディサプリ』の活用を検討する必要があった。
 活用ポイント
  • 定期テスト前や授業後の復習として『スタディサプリ』を活用。また、今年度から充実を図った総合的な探究の時間においては、講義動画とともにポーフォトリオ機能を活用。学んだことを整理し、活動記録を残すことで、生徒の進路選択を支援。
  • 校務においては、紙ベースで行っていた保護者連絡を『スタディサプリ』で一元化。担任の先生に取りまとめてもらう必要がなく、また先生や生徒にも同時に送付できるため、教員の業務改善に貢献。
 活用効果
  • 生徒自身が自分の時間で『スタディサプリ』を活用するように。また、授業後や模試の前に課題を配信したことで、学習内容の定着が図られた。

  • 保護者連絡は、管理職の先生がスタディサプリ上で管理。大事なお知らせを漏れなく、タイムリーに伝えるとともに、先生の働き方改革を推進。


  •  

「受け身」な生徒が多いため、
自ら学習する姿勢を身につけさせる必要があった

 山口県の東南に位置する柳井市は、古くから水陸交通の要衝として栄え、江戸時代には瀬戸内の物産拠点として「岩国吉川藩の御納戸」とも呼ばれていました。明治以降も商業の町として発展し、今も市内に残る商家の白壁の街並みは当時をしのぶ柳井市の象徴となっています。本校は創立117年目を迎える県下有数の歴史と伝統のある普通科高校です。「右文尚武(文武両道の意)」を校風として、授業はもとより学校行事などの体験的な学習を学校生活の両輪として捉えるとともに、部活動にも力を入れておりこれまでに卓球部のインターハイ優勝や硬式野球部の甲子園優勝・準優勝など、多くの部活動が全国大会等で輝かしい成績を残しています。

 本校においては、これまでに2学期制の導入、45分7限授業、生徒による授業評価、保護者・生徒・外部評価者による学校評価、市民への授業公開などの取り組みや情報発信を進め、地域から信頼される開かれた学校づくりを推進しています。保護者や地域の方々等を委員とする学校運営協議会を設置するなど、学校、家庭、地域の連携協働のもとで学校づくりを進めるコミュニティ・スクールです。

 これまで、チャレンジ精神を持って希望の進路の実現に向かって邁進する生徒が多いことが当校の特徴でしたが、近年はどちらかというと真面目な生徒が多いと感じています。言われた課題はそつなくこなすものの、自ら学習する生徒は多くなく、捉え方によっては「受け身」に見えてしまうことも。生徒の主体的学習に向けた支援を行うために、『スタディサプリ』を活用することにしました。

自ら課題を発見し、解決に取り組む学びを通じて資質・能力を育むために
『スタディサプリ探究講座』を利用

 講義動画の解説はとてもわかりやすく、本校の生徒も取り組みやすいと感じています。とはいえ、生徒に渡しただけでは活用が進まないと感じていたのも事実です。そこで、総合的な探究の時間の質向上のために、『スタディサプリ探究講座』を使用しました。

 本校は今年度から、探究学習の充実と、地域連携教育の充実に力を入れています。地域を知るなかで生徒たちの進路が明確になり、主体的に学習に取り組む態度が身につくという考えのもとで取り組んでいます。『スタディサプリ探究講座』は本校の生徒のレベルに合わせて、ベーシックレベルを利用。実生活や社会に目を向けて課題を探り、その課題を自分ごとにした上で、課題に対する解決策を探る「課題発見型」では、「課題の設定」「探究とは/問題を見つける」「情報の収集」「原因調査」「整理・分析」「課題の整理/アイデアの発散」など、探究未経験の生徒が基礎から取り組める内容。また、授業や指導に必要な教材と動画コンテンツは、教員の知識定着にも役立ちます。

 また、授業の内容は、ポートフォリオ機能を利用して記録しています。『スタディサプリ』にはタグ機能もあるので検索しやすいですし、ポートフォリオを取ることに特化した機能があるのはとても便利です。山口県でも「キャリア・パスポート」を作成・活用しており、それを補完する機能としても有効です。

 1・2年生の理科や英語では、知識定着を目的に『スタディサプリ』を活用し、テスト前に授業の復習として宿題配信を行っています。生徒一人ひとりの理解度に合わせて個別最適化された学びを促すことで、知識の定着を効率よく行えていると実感しています。

 髙﨑先生は以前いた高校で、テスト範囲に該当する『スタディサプリ』のテキストを印刷して取り組ませていました。配信した課題がテストに出題されるため、生徒も取り組む意欲が増しています。昨年度から始まった観点別評価に活用しておりほとんどの生徒は取り組んでいます。現在工夫している点は課題配信のタイトルです。「生物基礎 第5回考査対策課題」というような名称を付けることで、生徒が取り組む動機付けを行っています。

『スタディサプリ』を使った保護者連絡で
教員の業務負担を改善

 当校では、保護者への連絡も『スタディサプリ』で行っています。紙ベースで保護者に連絡しようとすると、担任の先生から生徒、保護者に届き、取りまとめる際も保護者から生徒、担任の先生というように、担任の先生の手を煩わせることが多くありました。『スタディサプリ』は保護者へ届けたい内容を一括で送信することもできますし、生徒や先生にも同時に送信することができるので、担任の先生は取りまとめる必要がありません。ちょっとしたことかもしれませんが、『スタディサプリ』が業務改善に役立っていると感じます。

 現時点で導入の成果については、直接成績向上につながっているかどうかは判断できませんが、やはり鉛筆やノートを使わずに学習できる『スタディサプリ』は、きっかけづくりとして可能性を感じています。部活動の盛んな本校では、なかなか勉強に十分な時間を割けないという生徒もいますが、すきま時間を活用して取り組めることも魅力です。2年次については、授業や模試の振り返りを行った上で、どの講義動画を見たら良いかを自分で探させた視聴させるというような取り組みも検討しています。

 授業と校務運営とで『スタディサプリ』を活用していますが、「確認テスト」の問題内容や、機能面などで物足りなさを感じることがあり、現状は紙媒体も併用しています。今後、『スタディサプリ』のコンテンツや機能面で改善が進むことで、より生徒や保護者に身近なツールになり得るという期待を持っています。今後も生徒の活用をより進めながら、生徒一人ひとりが自身の進路先を選定し、希望する進路に進学・就職できる環境を作りたいです。そして、校風である「右文尚武」という言葉にふさわしい学校として、家庭・地域と一体となって教育活動の充実と活性化に取り組んでいきたいと考えています。
山口県立柳井高等学校(山口県)
●生徒数:1年生130名 2年生123名 3年生134名 

ページ内容は2024年3月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
スタディサプリ
|CONTACT|

お問い合わせ

スタディサプリ学校向けサービスの導入に関する
ご質問・ご確認は、お気軽にお問い合わせください。
ページトップ