活用事例

学科間の学力差が広がる中で
「できること」から初めて生徒のモチベーションを高める

仙台城南高等学校(宮城県)
2024.4.24
 
課題
  • 普通科と科学技術科があり、学科間の学力差や生徒の進路意識、モチベーションの差が顕著に。いかに生徒たちのモチベーションを高めるかが重要課題。
  • 近年、中学校の既習事項が十分に定着していない生徒や、コミュニケーションが苦手な生徒が増加。学力の幅や意識の差が広がっていく中で、何かしらの対策を立てる必要があった。
 活用ポイント
  • 希望進路や学習モチベーションに合った学習機会を提供するために、『スタディサプリ』を使った週末課題を配信。活用の体制・内容・頻度など、走らせながらPDCAをくり返した。
  • 国語・数学・英語で『スタディサプリ』を活用。学習の習慣化を第一に、学年会を開いて振り返りを行いながら、生徒に合った量やタイミングなどを追求。
 活用効果
  • 生徒自身が多様な学習方法に気づき、仙台城南高校として初めて国公立大学への合格者が20名以上という実績につながった。

  • 職員会議や学年会議等で『スタディサプリ』の取り組み状況を共有。教員全員が同じ方向を向いて指導できるように働きかけを行うなど、学校全体の雰囲気が前向きになった。

特色ある学科を設置しているため、学力の幅が広がり、
生徒たちのモチベーションを高めることが課題

 仙台城南高校は、宮城県仙台市太白区にある私立高校です。同一法人に東北工業大学があり、専門性の高い学びの中で課題解決力を身につけるとともに、自らの将来を考えるきっかけを提供しています。設置学科は、普通科と科学技術科の2学科。普通科は、難関国公立大学や難関私立大学の合格を目指す特別進学コース、国公立大学や私立大学の合格を目指す総合進学コースに分かれ、科学技術科は、専門性の高い4コース(電子機械・情報通信・デザイン・電気エネルギーコース)から東北工業大学に進学するなどして、多様な分野で活躍するエンジニアを輩出しています。
それぞれ特色のある学科を設置しているため、大学や専門学校、就職、多様な進路を目指す生徒が在籍し、学科間の学力の幅が広がっていました。中学校の既習事項が十分定着していない生徒やコミュニケーションが苦手な生徒も少なくなく、補習などの学習シーンでマイナスに働くことも。こういった生徒たちのモチベーションをいかに高めるかが課題でした。

宮城県の教育委員会と本校とで、ICTにおける教育方針を研究していくモデル校として走っていたものの、思うような結果が得られない中で、その時に出会ったのが『スタディサプリ』。当時は県内のどの学校も導入していませんでしたが、多様な講義動画と既習範囲のつまずきを明らかにする「到達度テスト」に魅力を感じ、『スタディサプリ』の活用をスタートしました。

当校にはチャレンジ精神を持って希望の進路の実現に向かって邁進する生徒が多いものの、近年はどちらかというと真面目な生徒が多いと感じています。言われた課題はそつなくこなすものの、自ら学習する生徒は多くなく、捉え方によっては「受け身」に見えてしまうことも。生徒の主体的学習に向けた支援を行うために、『スタディサプリ』を活用することにしました。

悩みながら、迷いながらも
「できることから」スタート

導入当初は「ICT活用」というよりも、「到達度テスト」を軸とした活用でしたが、あるものを活用して、学習の機会を作っていくために『スタディサプリ』を本格活用し始めました。とはいえ、体制もままならない中で、活用シーンや頻度、配信内容なども決まっておらず、悩みながら、迷いながらのスタートでした。ICT活用に対して不安を抱える教員もいましたが、まずは走りながら内容をブラッシュアップしていくことに。
意識したのは、生徒に無理強いせずに、「できることからやらせる」こと。コロナ禍の影響もあり、家庭学習で『スタディサプリ』を使えるよう、まずは生徒主体でやりたい勉強をさせるように心がけました。科学技術科などは、専門科目の先生にも関わってもらい、宿題配信を実施しました。

学期ごとに学年会を開くなど、『スタディサプリ』の活用状況を教員同士で振り返り、活用状況の見える化を心がけました。少しずつ生徒の学習習慣も身についてきた中で、毎週末に国数英の週末課題を配信しましたが、2年生になると授業量も増え、課題をやりきれないという状況に。

そこで一度に取り組む量を調整し、10分で実施できる内容(1・2チャプター)で配信。1年生については、国語をベースに、数学と英語の課題を週替わりで配信。数学と英語は講義動画を「視聴して終わり」にならないよう、気づいたことをノートにまとめる「サプリノート」を活用させています。課題の提出期限は2週間とし、取り組んでいなければ居残りにしているものの、そういった扱いになる生徒はほとんどいません。今年度は学科によってレベルや内容を変えずに全員が必要な内容を実施しています。

教員全員が同じ方向を向いて指導できるよう
職員会議や学年会議などで振り返りを実施

『スタディサプリ』を活用する上では、まずは短期的に計画して実施していき、スモールステップで活用をブラッシュアップしていけるように実施しました。その中で最も力を入れたのは、「取り組ませて終わり」ではなく、取り組んだ後の定量的分析や評価の部分。強制ではないとしている手前、あまり本意ではないものの、平常点に加算することを生徒に伝えながら、当たり前化していくことを図りました。
こういった関わり方については賛否があると思いますが、学習のフェーズにおいては「強制」してやらせることも大切です。そのベースがなければ、その後の自立学習につながっていかないからです。基礎学力の向上と家庭学習の定着を目的に、まずはやらせてみて、習慣化するということが大切なのだと感じています。

さらに、根拠に基づいてPDCAを回せるようにするために、教員への動機付けも実施。職員会議や学年会議などで、教員全員が同じ方向を向いて指導できるように、定期的に報告や理解の場を作りました。中には取り組みが全くできていないクラスもありますが、ロングホームルームの時間を使うなどして、生徒全員で取り組む時間を設けました。とはいえ、ICT教材ゆえに、読み書きや思考力を高める部分へのアプローチをどうしていくかは今後の課題です。
何より重要視しているのが、本校のスクールポリシーにもある「自立した人間を育てる」こと。今後の日本で活躍できる人材を育てるためにも、教員はコーディネーターとして、生徒に「課題解決力」「思考力」といった知識以外の部分を身につけさせる必要があると考えています。少子化のスピードが著しい中で、私学だからこそ時代の流れを掴みながら、いち早く情報をキャッチしてチャレンジしていくことが大切。そのひとつが『スタディサプリ』であり、『スタディサプリ』が学校に定着し、当たりまえ化して取り組めていることが大きな収穫です。

『スタディサプリ』を使いながらも、それを活かして、いかに探究的な学びやスキルを身につけていくことができるか。そのためにも、リスクを恐れず、いろんなことにチャレンジしていくことを教員一同取り組んで行きたいです。『スタディサプリ』が本校の生徒によりなじんでいくことで、仙台城南高校として個別学習ができるという強みとなり、また新たな強みの柱として根付いていければ嬉しく思います。
仙台城南高等学校(宮城県)
●生徒数:1年生:307名 2年生:315名 3年生:271名


ページ内容は2024年4月時点の情報です。
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