工業高校である本校では、就職を選ぶ生徒が多くを占める中、進路に直結するような実用的な内容の教育に重きを置いています。「勉強をがんばったから、これができるようになった」という手応えが、生徒が継続的に学習に取り組む上では欠かせないのだと考えています。
これまで本校で課題となっていたのは、多くの生徒に家庭学習習慣がないこと、そして、3年間を通して学力が上がった実感を持たないまま、卒業してしまう生徒が多いことでした。工業高校だけに資格取得により達成感を得ることは多いものの、基礎学力を養成する機会が十分とは言えず、それが当たり前になっている空気感が生徒の中にありました。
スタディサプリは、以前に3年生(当時)で無料体験を利用し、その有用性を感じていたことが今回の本格導入につながりました。活用により、生徒が学習面で小さな成功体験を積み重ね、少しでも自己肯定感を高めてほしいという思いがありました。内容的にも、進学対策はもちろん、公務員試験や民間就職試験に向けた勉強に活用できるなど、多方面の進路に対応できる点に注目しました。
従来紙ベースで行ってきた学習指導にICTを導入し、やり方を大きく変えることには、校内で少なからず反対意見もありました。ただ、当時の教務部長が強い熱意を持ち、ICT導入によって生徒の学力底上げを図りたいと旗振り役を担ったことが推進力になりました。