活用事例

就職・進学それぞれの希望進路の実現に向け、
基礎学力を高めるICTツール導入

北海道苫小牧工業高等学校(北海道)
2024.1.22
(左から)教務部/田中航也先生、1年担任/武田侑也先生、2年担任/三澤正徳先生、教務部長/佐々木恵美先生、3年担任/黒木允晴先生
課題
  • 家庭学習の習慣がついていない生徒が多い。
  • 学力向上を実感できないまま卒業していく生徒への対応が必要。
 活用ポイント
  • 朝学習の時間にスタディサプリを活用し、到達度テストで判明した苦手範囲の学び直しを効果的に行う。
  •  3学年では、就職・進学それぞれの希望進路に応じた活用を進めるとともに、社会人として必要な知識の補完にも役立てる。
 活用効果
  • 声掛けがなくても自主的に動画視聴するなど、希望進路の実現に前向きに取り組む生徒が増加。

  • 課題への丸つけ不要、課題準備の省力化などにより、教員の業務負担が軽減。


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生徒が学習面で、小さな成功体験を積み重ねられることを目指す

工業高校である本校では、就職を選ぶ生徒が多くを占める中、進路に直結するような実用的な内容の教育に重きを置いています。「勉強をがんばったから、これができるようになった」という手応えが、生徒が継続的に学習に取り組む上では欠かせないのだと考えています。
これまで本校で課題となっていたのは、多くの生徒に家庭学習習慣がないこと、そして、3年間を通して学力が上がった実感を持たないまま、卒業してしまう生徒が多いことでした。工業高校だけに資格取得により達成感を得ることは多いものの、基礎学力を養成する機会が十分とは言えず、それが当たり前になっている空気感が生徒の中にありました。

スタディサプリは、以前に3年生(当時)で無料体験を利用し、その有用性を感じていたことが今回の本格導入につながりました。活用により、生徒が学習面で小さな成功体験を積み重ね、少しでも自己肯定感を高めてほしいという思いがありました。内容的にも、進学対策はもちろん、公務員試験や民間就職試験に向けた勉強に活用できるなど、多方面の進路に対応できる点に注目しました。
従来紙ベースで行ってきた学習指導にICTを導入し、やり方を大きく変えることには、校内で少なからず反対意見もありました。ただ、当時の教務部長が強い熱意を持ち、ICT導入によって生徒の学力底上げを図りたいと旗振り役を担ったことが推進力になりました。

朝学習でのスタディサプリ活用で、効果的な学び直しを図る

2022年度より、3学年すべてでスタディサプリの活用を開始しました。全体的な活用方針は教務部が決定し、そのもとで各学年の方針を学年担当者が決め、詳細についてはクラス担任・教科担任の裁量で決めるという体制を取っています。
具体的には、年間を通して実施している朝学習の10分間が主な活用シーンです。到達度テストで判明した苦手範囲の学び直しを主な目的に、各学年で事前に配信予約をし、朝学習で生徒に実施させるという流れです。

基礎学力を養成するため、主に使用するのは教科書レベルの項目を学ぶベーシックレベルです。ただし、数学に関しては工業高校として特に重要科目と考えており、もともと生徒の学力レベルも他教科に比べて高いため、ワンランク上のスタンダードレベルを用いています。あらゆる専門科目の土台となる学力を、生徒がしっかり身につけられるよう目指す意味で、数学力の強化は本校のこだわりといえます。
生徒の取り組み状況は、タイムラインを活用して常時確認し、「この部分が弱いようなので、学び直しで動画視聴するように」など必要に応じて声をかけています。家庭学習の習慣がなかった生徒が、スタディサプリを使った朝学習で学習方法を身に付け、それを家庭にも持ち帰り、それぞれ希望する進路への自己学習に活かせるよう目指しています。

さらに3学年では、週末に希望進路に応じた課題を配信しています。就職希望者には、SPI出題範囲対応表や一般常識対応表などを活用して就職試験対策を行い、進学希望者には汎用版シラバスをもとに受験対策に使える講座を配信しています。9~10月には多くの生徒の就職先が内定しますが、その後は社会人を始めるにあたり、最低限知っておくべき知識の補完にスタディサプリを活用しています。

取り組みの定着が生徒の主体性を高めるとともに、教員の業務負担も軽減

全校での導入が2年目となり、生徒による活用のばらつきはあるものの、全体的にスタディサプリを使った学習に慣れ、定着が進んできました。声掛けがなくても自主的に取り組む生徒が増え、定性的ではありますが、特に低位層だった生徒が伸びてきた印象があります。
初期の段階では朝学習の課題におざなりな姿勢で取り組んでいた生徒が、継続していく中で、問題の解き方を周囲の生徒と相談するなど、より主体的に向き合う姿も見られています。また、もともと家庭学習の習慣がなかった生徒の間で、希望進路実現に向けたスタディサプリの活用が伸びており、中には動画視聴時間が目立って長い生徒も出てきています。

私たち教員としても、生徒の取り組み状況が画面上で一目で把握できるのがメリットです。取り組みが進んでいない生徒への声掛けを大切にするほか、正答率などのデータを反映した指導を行っています。提出された課題への丸つけの必要がないことで、業務負担が減ったのも事実です。また、自分の専門以外の科目については、従来は参考書を見て課題の内容など検討していましたが、スタディサプリの活用によりそれらが大幅に省力化されました。

まだ積極活用できていない層にどう働きかけるかなど、今後に向けた課題はありますが、柔軟に対応していくつもりです。生徒が社会に出た際、職業人として輝けるように支援できる高校を目指し、生徒自身が思い描く将来に必要な力をしっかりと見極め、それを身につける手助けを行っていきます。

北海道苫小牧工業高等学校(北海道)
●生徒数:1学年232名 2学年204名 3学年219名

ページ内容は2024年1月時点の情報です。
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