常陸大宮市は茨城県の北西部、八溝山地の東麓に位置し、一級河川である那珂川と久慈川を抱く自然あふれる街です。当市では2022年度から「確かな学力育成プロジェクト事業」がスタートし、茨城県で初めて市内全小中学校への『スタディサプリ』導入を開始しました。
当校においても市内一斉導入に伴い、『スタディサプリ』を活用していますが、『スタディサプリ』を導入する前から他のICT教材も市内導入されており、活用方法や使い分けに関して検討するところから始まりました。
他のICT教材と併用することで、宿題の量が増えるのを嫌がるのではないか、携帯電話やゲーム機のように「遊び道具」を与えられたと感じるのではないかなど、多くの教員が不安を抱えてのスタートでした。その一方で、ICTの良さを活かした『スタディサプリ』の講義動画は、視覚的に理解できるのが良いと感じていました。特に低学年の指導では概念の説明をするのが大変で、言葉や文章だけで理解を促すには限界があります。2年生はまだ幼いこともあり、体験・経験の引き出しが少ない児童が多く、ICTを利用することはイメージの手助けにもなります。例えば、定規の目盛を読む、水を容器にくむといった様子をアニメーションの解説動画で視覚的に子どもたちに理解を促せるのが良いと考えました。
児童が一人一台端末を利用するにあたり、教務主任が中心となって、教員同士で不安を共有しあう場を設定し、どういうルールが必要なのか、どのように活用していくのかが効果的なのかについても案を出し合いました。そして、最終的にはICTを活用するための児童向けの取り決め「山方南小タブレット活用のルール」を策定しました。当初はこれを児童一人一人がファイルに入れて随時確認するように指導することで、教職員のICTに対する共通理解を図ることもでき、「学校全体でICT活用に取り組む」という体制を整えることができました。