活用事例

授業内の動画視聴により概念理解を強化
アウトプットを増やすことで、主体的・対話的な学びを実現

群馬県館林市立第四中学校(群馬県)
2024.2.15
 
課題
  • 館林市は「確かな学力の育成」を教育目標に掲げており、その実現に向けて、2020年度より市内16の小・中学校で「スタディサプリ」を導入している。
  • 当該校では特に概念理解に焦点を当て、動画視聴を中心にスタディサプリでの家庭学習を促すも、生徒の取組状況は個々で異なっていた。
 活用ポイント
  • 5分程度の講義動画を組み込んだ授業を展開。講義動画をもとに例題を解説し、解法の流れを生徒に問いかけることで、知識の言語化、アウトプットする機会を創出した。
  • 生徒の活用を推進するためには、まず教員の意識を高めることが大切という考えのもと、校内研修・資質向上研修でスタディサプリによる学習効果を共有。また、職員室に活用例や活用状況を掲示し、積極的な利用を促した。
 活用効果
  • 短尺動画により、授業冒頭にて短時間で要点をインプットでき、授業内で概念理解の深化を目的とした解説時間や生徒がアウトプットする時間を創出することが可能となった。また、生徒のアウトプットする機会を増やし、対話につなげたことで、生徒の理解を深めるだけでなく、主体性や思考力の育成にも寄与した。

  • 宿題配信の仕方などは教科担当によって異なるものの、突然の自習対応や朝学習の教材を準備する時間の削減につながった。さらに授業の進度に合わせて、タイムリーかつ効果的な課題を用意することができるため、教員の業務改善に貢献した。


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概念理解を強化するために、宿題配信で動画視聴を促すも
取り組みにばらつきが生まれていた

群馬県館林市の豊かな自然の中にある館林市立第四中学校は、7万平方メートルを超える広大な敷地内に蛇沼や森林を有する市立中学校です。館林市は「確かな学力の育成」を教育目標で掲げ、2020年度から市内16校の小・中学校で『スタディサプリ』が導入されました。教育目標を実現するにあたり、特に講義動画による概念理解の強化を重視しています。小学校の既習事項が定着しきれていない生徒がいるなかで、講義動画を中心に、要点がよくまとめられており、過去の学習内容をいつでも学び直しできる『スタディサプリ』の有用性を感じていました。そこで、概念理解を促すために、『スタディサプリ』を家庭学習用の教材として活用し始めました。

活用を進める中で生徒の取組状況を見てみると、自分から積極的に取り組む生徒が現れる一方で、講義動画を視聴せず「確認テスト」に取り組んでいる生徒も多く、なかには正解が出るまで闇雲に選択肢を選んでいるという生徒もいました。家庭学習用の教材として活用をスタートしたものの、今後どのように活用していくべきか、他の教員と相談しながら決めていく必要がありました。

そんな時に、リクルート主催の発展研修に参加しました。発展研修で取り上げられていた他自治体の活用事例を通じて、授業内で活用する方法もあると知り、目から鱗でした。新しい気づきを得たことで、『スタディサプリ』の講義動画を組み込んだ授業構成につながりました。

講義動画を組み込んだ授業構成を考案
仕組みとして、概念理解を強化する方法を構築

具体的には、従来の「教科書の例題解説→練習問題の実践」という授業構成から、「講義動画の視聴→教科書の例題解説→練習問題の実践」という授業構成に変更しました。これは数学科での取り組みですが、授業の冒頭で講義動画を視聴することで、解法などの知識をインプットした状態で授業に臨むことができます。この展開ができるのも、『スタディサプリ』の講義動画が5分程度の短尺だからです。さらに例題の解説では、「動画ではどうやって問題を解いていた?」などと問いかけを行うことで、インプットだけでなくアウトプットする機会を取り入れました。
授業内で講義動画を視聴する時間を確保し、講義動画をもとにした問いかけや、生徒がアウトプットする授業構成にしたことで、一度の説明では理解しきれない生徒も授業についていきやすくなりました。授業構成に関するアンケートでは、「数学の解法が理解しやすくなった」と答える生徒が大半で、「自分自身で思考する機会が増えた」と回答した生徒は9割にのぼりました。また、生徒の学習姿勢にも変化が現れ始めました。以前の授業構成ではなかなか発言しなかった生徒も意見を出してくれるようになったのです。『スタディサプリ』を宿題配信用の教材として使っていた時は、「生徒任せ」の使い方をしていたこともあり、効果を実感する機会は多くありませんでした。しかし、授業に『スタディサプリ』の講義動画を組み込むことで、概念理解が強化できるとともに、主体性や思考力の向上にもつなげられたと実感しています。

『スタディサプリ』の活用を推進するために
教員の意識向上に注力

ここまで、『スタディサプリ』の動画を活用した授業づくりの活用事例を紹介してきましたが、生徒の活用を推進するためには、教員の意識の向上も必要不可欠と考えます。本校では『スタディサプリ』の活用頻度や宿題配信の量は各教科の担当に委ねられており、担当によって活用方法も異なりますが、「スタ活」と題し、学校を挙げて『スタディサプリ』の活用を推進しています。

例えば、朝学習では10〜15分間『スタディサプリ』を用いた学習を促しています。また、教員の意識を高めるために、積極的にスタディサプリを活用しているクラス(視聴時間等が多いクラス)を職員室に掲示しました。このことで「何組の生徒、頑張っているね」「こんなに取り組んでいる生徒がいるんだ」というように、教科担当と担任がコミュニケーションをとっている場面を見かけるようになりました。数学を担当する私自身の立場から言えば、生徒の頑張りが可視化されたことで担任ともコミュニケーションがとりやすくなったと実感しています。

また、『スタディサプリ』を導入したことで、課題を準備する手間が軽減されました。担任が急遽病気などを理由に休んだ場合、自習課題などを用意する必要がありますが、スタディサプリを活用することで、授業の進度に合わせて「この単元、この部分の動画を見て確認テストに取り組んで」と言えるようになったのは、教員・生徒共に、大きなメリットだと感じます。

授業構成を変更してからまだ日が経っていないこともあり、学力の向上など、効果が現れるのはこれからと考えています。ICT教材の活用は、「とりあえずやってみる」というスタンスぐらいがよいのではないかと思っています。本校もトライ&エラーを繰り返ししながら、現在の活用方法にたどり着きました。肩肘を張らずに、さまざまな活用法を試して、学校や生徒の実態に合った使い方を見つけていくことが大切ではないかと考えます。

群馬県館林市立第四中学校(群馬県)
●生徒数:1年生147名 2年生147名 3年生142名 

ページ内容は2024年2月時点の情報です。
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