活用事例

朝学習、授業内利用、長期休暇中の宿題。
児童の日常生活に伴走するICT教材で学習を習慣化

宇多津町立宇多津北小学校(香川県)
2023.11.28
(写真)授業内ICT活用の様子
課題
  • 宇多津町にてWeb学習サービスとして『スタディサプリ』を導入するも、教員ごとにICT教材との向き合い方について迷いが生じた。
  • 児童たちは性格や学習意欲など多様であり、子どもたち自身がICTを通じて学ぶことが「当たり前行動」となるよう、学校全体での活用方法を検討する必要があった。
 活用ポイント
  • 毎週水曜日と金曜日の朝学習時間である『ドリルタイム』にスタディサプリを活用。授業内の隙間時間や最後のまとめ時間に合わせて宿題を配信するなど、発達段階や学力に応じて『スタディサプリ』を活用し、基礎学力の定着を促進している。
  • 長期休暇中などの宿題は全学年でスタディサプリを使用し、各学年で宿題の内容を決めた上で、クラスごとのバラツキが生じないように工夫している。さらに、児童の学習意欲を高めるために、「頑張ってね」といったコメントをつけて配信し、学習履歴を確認し解答時間が極端に短い児童には個別に声かけを行うなど、ICTの強みを活かしてサポートしている。
 活用効果
  • 朝学習・授業時間が余った際に『スタディサプリ』を活用する習慣が生まれ、児童たちはスキマ時間や家庭での自学自習に取り組むことが定着した。
  • 『スタディサプリ』の活用により、教材の用意やプリント作成、印刷などの手間が削減。問題が必要な時に迅速に配信できるため、教員の業務負担も確実に減少している。

GIGAスクール構想の実現に向けて、
まずは「使ってみる」ことから始める

当校は、瀬戸大橋のたもとに位置し、「香川県の玄関口」とも称される宇多津町の町立小学校です。宇多津町は住宅建設、分譲・賃貸マンション、賃貸住宅、社宅・官舎等が多いことから、児童の転出入が常にあり、学級数は18~21の中規模校です。令和5年度に創立32周年を迎え、 21世紀の宇多津町を支える子どもを育成する学校として、地域住民からの期待と信頼が厚く、PTA諸活動も極めて積極的という特徴があります。

国のGIGAスクール構想の実現に向けて、2020年度から町内の全小中学校に1人1台端末の整備が進み、Web学習サービスとして『スタディサプリ』の導入が決定しました。導入当初は活用の具体的なイメージが湧かなかったものの、これまで副教材として購入していた紙のドリルとは違った魅力をもつ教材として活用できるのではないかと考えていました。

紙のドリルでは、採点や添削、印刷などの業務負担も大きく、児童の理解度や学力に応じた指導が難しいという課題がありました。学習指導要領の改訂に合わせた授業内容の改善や授業準備、児童へのフォローなど、学習指導に充てられる時間には限りがあります。『スタディサプリ』の導入により、教員の業務負担を軽減できるのではないかとの期待が生まれました。また、既習範囲の習得が十分でない児童も多く、前の学年に戻って問題に取り組める利便性の高さも魅力として感じました。

ICTに対して苦手意識を持っている教員もいましたが、「苦手だから使わない」ということではなく、「まずは使ってみよう」という校長のメッセージが後押しとなり、学校全体で『スタディサプリ』を活用していくことになりました。

朝学習、授業内利用、大型連休・長期休暇中に活用。
スキマ時間に『スタディサプリ』に取り組むことが習慣化

当校では、主に既習範囲の復習と知識定着を目的に、朝学習(ドリルタイム)、授業内、大型連休・長期休暇中など様々な場面で『スタディサプリ』を利用しています。具体的には、朝学習では毎週水曜日と金曜日の15分間を「ドリルタイム」として設け、児童が自主的に学習に取り組む時間としています。基本的には何を学習しても良いとしていますが、事前に『スタディサプリ』で宿題配信を行い、取り組む内容をおすすめし、それに基づいて学年や学力に応じた内容に取り組んでいます。
(写真)当校教師のスタディサプリ研修風景

授業内利用では、授業中に発生する空いている時間に『スタディサプリ』を使用し、即座に復習範囲を配信して児童が取り組む仕組みが確立されています。以前赴任していた学校では異なるICT教材を使用していましたが、教員から何を学習してほしいかなどを提示することができませんでした。授業の進捗は予想できない部分もありますが、『スタディサプリ』では授業内容に即した問題をその場で提供できるので、「今日渡すプリントをまだ決めていない…」といった状況でも教材の事前準備などの業務負担を軽減できるようになりました。
その結果、児童たちがスキマ時間に『スタディサプリ』に取り組むことが習慣化し、学びの姿勢を培う意味でも効果がありました。

大型連休や長期休暇中の宿題については、全学年で『スタディサプリ』を使用しています。長期休暇が始まる前に各学年で出題する範囲を統一し、クラスごとの差が生じないように配信を行っています。提出状況や解答時間などを教員が管理画面上で確認し、取り組めていない児童やあまりに短い時間で解答している児童には声かけを行うなど柔軟に対応しています。宿題配信する際には「コメント」を添えて、児童の学習意欲を高めるように心がけています。

学校、クラス、児童に合った最適な活用方法を見つけられるようICT教材を日常から積極的に活用することが重要

『スタディサプリ』を含むICT教材の優れた点は、タブレットを使用して学習することで、学習に対する興味を引き立てることができる点です。実際に、書くことが苦手でなかなか宿題に取り組めない児童が、タブレットに対する興味から、積極的に『スタディサプリ』に取り組むようになりました。 紙ベースの教材では難しかった学習の進捗が、ICT教材によって興味を持って進められ、宿題配信をすると、児童からは「もっと出して」「早く終わった」といった前向きな声が上がり、学びに対する姿勢が少しずつ改善されています。これは紙ベースの教材では難しかった児童の興味を引き出すICT教材の利点です。


一方で、タブレットを使用している中で学習とは無関係のページを見てしまう児童もいます。この問題に対処するため、1学期の時点で、「人が前で話したり、意見を言ったりしているときはタブレットを閉じよう」というルールを導入しました。終わりの会などでタブレットを触っている児童に対して、児童同士がお互いに注意し合うようになりました。このようなしっかりとした仕組み化によって、小学生でもICT教材を十分に有効活用できる環境が整いました。

ICT教材の導入や具体的な活用に対して不安を抱えている教員の方もいらっしゃるかと思いますが、まずは児童や教員を含め、教材に慣れることが非常に重要です。学校やクラス、そして児童に合った最適な活用方法を見つけるためには、まずは少しずつでも使ってみることが大切です。ICT教材は便利なものですが、その利用に対する教員の苦手意識を払拭し、使い方に対するハードルを克服するためには、教員自身が学ぶ姿勢を持つことが重要です。児童たちにとっても、教員がICT教材に対する理解と積極的な学びの姿勢を見せることは、学習環境の向上に寄与します。

宇多津町立宇多津北小学校(香川県)
●児童数:1学年:68人、2学年:75人、3学年:93人、4学年:93人、5学年:81人、6学年:91人
ページ内容は2023年11月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
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