活用事例

学力差や学力低下に対する教員間の対応の格差を是正
ICT環境整備の契機となり自学自習の機会を創出

大森学園高校(東京都)
2023.11.14
(写真)教頭 石川 和弘先生 3学年主任 小倉 鋭也先生 益川 正義先生
課題
  • 学力の多様化の問題について、特に総進コースは、生徒数が多いため、入学時の学力にばらつきがあり、校内自習室におけるICTツールを検討する必要が生じていた。一人一台の端末導入を検討するにあたり、個別最適化が可能な自学ツールを探していた。
  • 学力が低下している状況について、対策を担任に任せていたところ、教員間での指導や対策の差が見られた。
 活用ポイント
  • 到達度テストと連動課題配信を活用し、義務教育範囲の個別最適な学び直しを実施。
  • 高1から2年間、毎日、中学講座の英語の配信を行った。課題への取り組みはマストとし、終わらなければ放課後に補習を行って徹底した。クラス内に学習状況を掲示し、モチベーションの醸成を図った。
 活用効果
  • 学力伸長についてはこれから効果が見えるフェーズであるが、基礎学力の徹底や学習習慣の定着に役立っている。
  • スタディサプリがなければ、教員は毎日プリントを用意していたため、教員の負担軽減にもつながっている。指導方法や学習方法の選択肢の一つとして増えたことが良かった。
  •  スタディサプリ導入をきっかけに、全学年に対してipadを一人一台持たせる整備が進んだ。

生徒数の多い総進コースにおける生徒間の学力差に対応し
自学自習できるICTツールが求められていた

本校は、ものづくりの町大森に誕生して、2019年に80周年を迎えました。「社会に貢献できる有為なる人材を育成する」という建学の精神を掲げ、人や社会とのつながりを大切に、たくましく生きる力と他者を思いやる心をそなえた人間を育てて行くことが使命と考えています。
学習面では、普通科と工業科の2つのコースを有する中、いずれも「学力向上」を最大の目標として掲げています。生徒一人ひとりの意欲を引き出すための取り組みを行っていくほか、教員は成長したいと考える生徒に寄り添い、全力でサポートしていきます。また資格試験等にも積極的に挑戦し、達成感を味わいながら大きな自信を手に入れられるよう常に応援していきます。
人間性の向上についても、仲間とともに苦しさを乗り越え、感動を味わえる機会としてクラブ活動やボランティア活動、実行委員会活動への参加を勧奨し、これらの活動を通じてコミュニケーションの大切さを学べる場があります。

そんな中、本校の学習面においては、学力の多様化に対する取り組みが求められていました。特に総進コースは、生徒の数が多いため、入学時の学力にばらつきがありました。例えば中学で3の評定をもらっていた生徒が、4に近い3なのか、2をなんとか免れた3なのかによっては理解度や対策が異なり学力幅があり、教員もいかにしてそのバラつきに対応すれば良いか苦慮していました。全体の学力も低下するなか、担任によって対策に差が生まれていたのも課題でした。ちょうどその頃、校内自習室におけるICTツールを検討する必要が生じていました。一人一台のipadの導入を考えるにあたり、個別最適化が可能な自主学習ツールとして、スタディサプリが良いのではないだろうかという提案が上がりました。
プリント作成や添削などの教員の業務を削減しながら、生徒たちはそれぞれのレベルに合わせた学習を進めることができ、教員間での指導や対応に差が生まれず、全体として取り組めることなどが利点として受け止められました。

1年生からの2年間、毎日英語の課題を配信。
取り組みはマストとして、出来なかった生徒に補習も行う。

選抜クラスなどは3年生になったら進学に向けて各自勉強するのは分かっていたので、基礎学力定着に向けたポイントは1年生、2年生の取り組みであると考えました。到達度テストと連動課題配信を活用し、中学までの内容でそれぞれ理解できていない範囲に取り組んでもらい、個別最適な学び直しを実施しています。1年生から2年間、毎日、中学講座の英語の配信を行い、取り組みはマストとしました。もし終わらない生徒がいれば放課後に補習を行って徹底しました。正答率8割を超えていない生徒は学習範囲のレベルアップができないなどのルールも設けるほか、クラス内に学習状況を掲示するなど、モチベーションの醸成を図っています。

一人一台の端末導入の機会になったばかりではなく
生徒と教員の相互理解や関係性構築にも役立つ

スタディサプリの導入は、全学年にipadを一人一台持たせるきっかけとなっただけではなく、ソフト面でも、教員と生徒の関係性を構築する一助にもなりました。毎日課題を配信し、そこで終わるのではなく「追いかけ」をすることで、生徒の側は「この先生は、こういう先生なんだ」と教員の指導の仕方や宿題の出し方を知る機会が増え、相互理解が進んだ側面があります。また、もし、スタディサプリがなければ、教員は毎日プリントを用意して進度にバラツキのある生徒に対応しなければならなかったため、教員の負担軽減にもつながっています。学力の伸長についてはこれから効果が見えるフェーズではありますが、基礎学力の徹底や学習習慣の定着に役立っていると思います。毎日の課題配信以外にも、長期休暇の宿題を出すのにも活用できるなど、学習方法の選択肢が増えてきたと感じています。
これからも、生徒の自主性を重んじながらも、教員は頑張りたいと思う生徒のそばに寄り添って可能性を伸ばす指導を心がけていきたいです。
大森学園高等学校(東京都)
●生徒数:普通科:549名 工業科:190名  
ページ内容は2023年11月時点の情報です。
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