活用事例

ICTの効果的な利活用を模索し、生徒の自発的な課題取組に活用。
生徒個々に向けた声かけを通して主体性を養う

松阪市立鎌田中学校(三重県)
2023.03.02
(左から)英語科 池山先生、3年生主任・咲花先生、奥永先生、別所先生)
課題
  • 2021年に新たな教育大綱を示した松阪市。ICT環境の整備から利活用へと舵を切る中で、スタディサプリは2021年度9月より中学校及び小学校4年生~6年生に導入。2022年度より小中学校一斉導入。学校教育(授業)とどのように連携させていくか、不安があった。
  • コロナ禍で学校の1クラス20人以下にする分散登校に伴うカリキュラムの変更など、前例のない事態が生じた。学びを止めないために、自前に動画教材を作成する教員もいたが、教材を用意する負担が大きかった。

活用ポイント
  • テスト前や大きな単元を終えた後に、授業内容の復習として課題を配信。生徒は休み時間や自習時間、自宅に帰ってからの時間を使って取り組む。

  • 課題配信を行う際は授業内で告知し、生徒が学習に取り組めるように、管理画面から生徒の取組状況を確認し、生徒個々に向けて声かけを徹底。
活用効果
  • 英語を苦手とする生徒が多い中で、タブレット端末を使って手軽に学習できる「使いやすさ」が生徒に響き、率先してスタディサプリに取り組む様子が見受けられた。
  • スタディサプリを導入したことで、プリントを印刷する手間や作問の業務負担を大幅に軽減。副教材のワーク(問題集)だけでは問題数が少ないため、スタディサプリと併用することで問題量を担保できるように。

生徒の学びを止めないために、教員自ら動画を作成するも
準備の負担が大きく、学校として対応する必要があった

当校が位置する松阪市は、三重県のほぼ中央に位置し、東は伊勢湾、西は台高山脈と高見山地を境に、奈良県に隣接しています。松阪牛の産地として知られているほか、農業、漁業、自動車関連の製造業が盛んな自治体です。松阪市では、2021年度を「松阪市GIGAスクール構想」元年と位置づけて、1人1台のタブレット端末の活用が本格的にスタートしました。タブレット端末は家庭学習での活用も視野にLTEモデルを採用し、児童生徒がWi-Fi環境がなくとも、いつでもどこでも使えるようにと配慮されています。また、学習者用アプリケーションにスタディサプリを市内一斉導入しています。

当校においてもタブレット端末とともにスタディサプリを一斉導入しています。スタディサプリの存在は以前から知っていましたが、学校教育の中でどのような位置づけをすると、効果的になるか予想がつかず、私を含め多くの教員が悩みを抱えながらスタートしました。令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて緊急事態宣言下の9月、松阪市は1クラスを20人以下とする分散登校に踏み切り、当校もカリキュラムの変更や、対面授業の制限などの対応を余儀なくされる中いかに生徒の学びを止めないか議論を重ねていました。一部の教員は自ら動画教材を作成したり、自宅学習用のプリントを用意したりするなどして対応していましたが、その負担は大きく、学校としての対応を迫られていました。生徒にとっても、膨大なプリントを管理、整理するのは大変だったと思います。

まずは校内の研修会において、スタディサプリの操作方法を知るところから始めました。課題配信の仕方について教わったところ、初めて触れるにもかかわらず直感的なボタンクリックで課題を出せることに驚きました。出題形式も選択式なので、英語の単語の意味や文法といった「知識・技能」の確認に最適です。教員同士で意見を交換しながら、「とりあえず使ってみる」というところから始めました。

課題を配信して終わりではなく
スタディサプリを最後まで計画的に取り組ませることを意識

スタディサプリは、「知識・技能」評価の確認に効果的であるため、テスト前や大きな単元を終えたタイミングで活用しています。英語科目では単語やキーセンテンス確認、文法など、教科書の範囲からまとめて課題配信しています。課題の量として単元テストは20項目とやや多めですが、生徒たちは休み時間や自習時間、自宅での家庭学習、塾での自習時間など、空いた時間を見つけて取り組んでいます。英語を苦手とする生徒が多いクラスでは活用が滞るのではないか…と心配しましたが、4クラス中最も活用率が高かったことに驚きました。やはり選択式なので、英語が苦手な子にとっても取り組みやすく、隙間時間を使って学習できるのだと思います。
なかなか課題に取り組まない生徒も中にはいますが、週に1回は管理画面から生徒の取組・提出状況を確認した上で、授業中に声かけをおこなっています。声をかけるといっても「まだ課題に取り組んでいない子もいるから、いついつまでにやろうね」といった程度のものですが、課題を配信して終わりではなく、生徒が自ら、計画的に取り組むよう、活用を促しています。

スタディサプリを導入したことで、教員の業務負荷も大幅に軽減されました。例えば英単語を課題として出そうとすると、こちらで問題を作成しなければなりませんし、他にもプリントの印刷や配付、答え合わせなど様々な関連業務があります。スタディサプリがあれば管理画面上でこれらの業務を一元化できるため、業務効率化につながります。現在は、ワーク(問題集)とスタディサプリを併用していますが、ワーク(問題集)だけでは単語や文法の問題数に限りがあるため、問題の「量」を担保する意味でもスタディサプリは重宝しています。

答えがない時代を生きていく生徒のために
主体的・能動的に考える力を養いたい

2021年度から、中学校でも新学習指導要領が導入され、育成を目指す資質・能力の三つの柱として「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等の涵養」が挙げられています。スタディサプリは「知識及び技能」を育成する際の手立ての一つとして大変役に立っています。一方で「思考力、判断力、表現力等」についてもスタディサプリで学ぶことができれば……と考えています。「知識及び技能」をうまく活用し、さらにその先を自分なりに考え、情報の真偽などを判断し、考えをわかりやすく相手に伝え、表現する力は、まだまだ試行錯誤の状態です。さまざまな実践例も参考にしてはいますが、評価の仕方が難しい現状です。
答えがない時代を生きていく生徒たちのためにも、スタディサプリには「よのなか科」があります。「ハンバーガー店をどこに出店するか」「制服の是非をディベートする」「英語を公用語にすべきか」など正解が一つではない身近なテーマについて、生徒が主体的・能動的に考える力が養える可能性があるため、ゆくゆくは当校でも試してみたいと考えています。

新型コロナウイルスの影響で学級閉鎖や学年閉鎖が相次ぎ、当校でも各教科でカリキュラムの遅れが見られます。例年であれば、中3は教科書の内容を早めに終えて受験対策に取り組んでいますが、コロナ禍では教科書の内容を終えることに精一杯となり、余裕がありません。そういう意味でも、生徒が自発的にスタディサプリも活用し、学びの幅を広げていってほしいと考えています。
松阪市立鎌田中学校(三重県)
生徒数:1学年 130名 2学年 124名 3学年 140名

ページ内容は2023年3月時点の情報です。
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