当校は1919年に島田町外3か村学校組合立島田実科高等女学校として開校し、平成30年(2018年)に創立100周年を迎えた県立高校です。これまでに当校を巣立った卒業生は2万2千人超。政治、経済、教育、芸術……さまざまな分野でリーダーとして活躍するなど、志太・榛原地区中等教育の中核を担う高校としての役割を果たしています。次の100年を見据え、教育目標として掲げているのは、地域のリーダーを育成すること。それを実現するために、強力な学習支援体制のもと、「自立した学習者の育成」「4人に1人が国公立大学合格」を目指しています。
生徒の大半は、卒業後に4年制大学に進学します。地元志向の高まりや経済的理由などで、国公立大学を志望する生徒も増えており、結果的に25~30%が国公立大学に進学しています。しかしながら、近年は少子化の影響で、入学段階における学力の分散が目立つようになり、生徒の学力も多様化。これまでも難易度の高い問題に挑戦する「発展クラス」を作ったり、放課後に「自主学習教室」を開設したり、職員室前に学習スペースを設置したりと、自主学習できる環境を整えてきました。こうした取り組みに加えて、生徒がより自主的に学習できる「学びのしかけ」を用意して、一人ひとりの学びを支援する必要性を痛感していました。
その解決策として選んだのが、前任校で活用していた『スタディサプリ』です。前任校は進路多様校だったのですが、さまざまな角度から教員・生徒・保護者をサポートするツールとしての有用性に着目していました。学習面においては、小学校4年生の学習範囲までさかのぼって学習することも可能です。当校に入学した段階から、中学時代のつまずきを把握して学習することで、学力向上に役立つのではないかと考えて、導入に向けて動き出しました。前任校では『スタディサプリ』を導入した学年で進路実績を上げることができていたため、他の教員や管理職に対して情報提供もしやすく、比較的スムーズに導入に至りました。『スタディサプリ』を一斉導入するにあたって、保護者や生徒の反応が心配でしたが、中学時代に利用していた生徒もいて抵抗も少なかったように思います。ただ、『スタディサプリ』を導入したからといって、生徒が自主的に活用するわけではありません。そこは課題を出したり、授業で活用したりと、教員側から働きかけを行う必要があると考えています。