活用事例

学校に行けない子どもにも「学び」の場を。
ICTを活用した不登校生徒の出席・学習評価

橋本市立隅田中学校(和歌山県)
2022.04.12
特別支援学級担任
課題
  •  特別支援学級の担任として不登校生徒を受け持つ中で、その生徒たちにとっては家庭で学習する時にテキストやプリントだけではどうしても理解できない部分があり、基礎を学べる分かりやすい授業や視覚支援の方法を模索していた。
  • ICTを活用することで、生徒の頑張りに応じて在宅学習の出席扱いや学習評価を可能にする方法を模索していた。
活用ポイント
  • 1日2教科2課題をベースに5教科の課題を配信。課題量が負担にならないようアンケート機能を活用し、生徒一人ひとりの進捗状況を踏まえて課題量を調整している。
  • 宿題の配信に合わせて、「寒いね」「今日もこの課題頑張ろうか」といった簡単なメッセージを送信。メッセージを送ることで、「先生が見ている」「気に掛けている」ことをしっかりと生徒に伝えるよう心掛けている。
 活用効果
  • それまでその生徒たちには「学び」の場が無かった中で、「毎日端末を立ち上げてスタディサプリにログインし、先生から出された課題を解く」ことが、その生徒たちにとっての「学校に行く」ことと同じ意味に。学校での学習に向けた第一歩に繋がった。
  • さらに学習を継続できたことで、生徒に高校進学への前向きな意識が芽生えるようになった。

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不登校の子どもたちにもテキストやプリントだけでなく
分かりやすい授業や視覚支援を届けたい

本校は和歌山県の北東端、大阪府と奈良県に接する橋本市の公立中学校です。「自由」「理想」「友情」「真理」を校訓として、今年度は「心を鍛える」「頭を鍛える」「体を鍛える」を生徒だけでなく教職員の目標にも据え、玄関に掲げられた書を見ることで、身を引き締めて日々生徒の育成にあたっています。
本校では2021年度から不登校生徒の学習支援に『スタディサプリ』を試験的に活用しています。特別支援学級で不登校の子どもたちの担任をしているのですが、その生徒たちにとって、家で勉強をする時にテキストやプリントだけではどうしても理解が難しい部分があり、分かりやすい授業や視覚支援が必要でした。そうした中、『スタディサプリ』には授業形式の講義動画があることで、分からない箇所を自分のペースで学習することができるため、家で学習するには最適だと考えていました。また、『スタディサプリ』を使うことにより、これまでできなかった不登校生徒の出席扱いや学習評価についても、その方法を考えられるようになるのではないかという期待もありました。

当初は生徒がしっかりと使えるか不安でしたが、保護者の協力もあり、7月中旬から本格的に『スタディサプリ』の活用を開始しました。

『スタディサプリ』での課題配信を通じたやりとりが
良いコミュニケーションに

導入当初は1日1教科1課題から開始。課題量が生徒の負担になってはいけないので、保護者と事前に相談し、難しかったら元に戻そうという話をしていました。しかし、やはり分からない部分を動画で何度も確認できること、また回答が選択式になっていることが学習に取り組みやすい要因なのか、多少提出が遅れたとしても生徒が毎日の課題にきちんと取り組み、ほぼ100%提出される様子が継続して見られるようになりました。そこで、導入後約2か月を経過したタイミングで課題量を増やすことにしました。

課題の量をどの程度にするか決める際には「アンケート機能」を活用。生徒一人ひとりに対して「現状維持」「2教科に増やす」「3教科に増やす」という選択肢を提示した所、頑張って2教科取り組みたいという回答があり、学びに向かう姿勢が表れていることを嬉しく感じました。それ以降は1日2教科2課題をベースに、5教科を万遍なく配信。一人ひとりの学習進捗に合わせて日々課題量を調整しています。
また、課題を配信する際には、出来る限り一言メッセージを添えることも心掛けています。「寒いね」「今日もこの課題頑張ろうね」といった簡単なメッセージですが、生徒に「先生がちゃんと見ている」「ちゃんと気に掛けている」ということを伝えるようにしています。それまでその生徒たちには「学び」の場がありませんでしたが、毎日端末を立ち上げて『スタディサプリ』にログインするということが、いつしかその生徒たちにとっての「学校に行く」と同じ意味合いになり、学校での学習に向けた第一歩に繋がりました。

日々の頑張りを出席や成績反映の形で評価。
学習保障だけでなく、生徒の自己肯定感向上にも繋がる

当初から『スタディサプリ』を使った在宅学習の出席扱い等は考えていたものの、いざ基準を定めるとなると、市内はもちろん、全国的にも前例が少ないところが悩みでした。そこで、検討にあたっては「不登校児童生徒を対象としたICTを用いた在宅学習における出席・学習評価のガイドライン」を参考にしました。

具体的に、まず出席については、毎日配信する課題を提出できたらその配信日を出席扱いとしています。正答率等も確認しますが、子どもたちにとっては毎日端末を開いてログインすること自体が大変なことなので、提出で出席を認めています。

一方で、当初は学習評価まで行える状況になるかどうかわかりませんでした。というのも、前例が無いことに加え、うまくシステムを運用できるかどうか未知数だったからです。しかし、活用を進めていく中で、ICTによる在宅学習ではあるけれども、毎日欠かさず先生から出された課題を解き、前向きに学習に取り組もうとするその意欲は、評価対象に値するのではないかと考えられる状況になりました。そこで、管理職に生徒の状況を定期的に報告し相談しながら、継続的・計画的に学習に取り組むことができるようになったとみなせた段階で「これなら成績反映を行ってもいいだろう」という判断を下しました。
自治体や学校によって出席扱いや学習評価の基準は異なるため、本校の考え方や基準が全てというわけではありません。ただ、本校の事例が学習保障はもちろん、「先生に頑張りを見てもらっている」「学校に頑張りを認めてもらった」という生徒の自己肯定感の向上にも繋がったのではないかと考えています。通知表には、数値だけでなく学習の様子を文章でも記載することで、評定の数字の裏にある頑張りが本人にしっかりと伝わるようにしたいと思います。

生徒の頑張りを出席や成績反映という形で評価できるようになりましたが、ここまで来られたのもひとえに生徒本人の頑張りと保護者の支えがあったからです。高校進学後は、様々な経験を通して少しずつ学校や社会に対してプラスなイメージを持ってもらえると嬉しく思います。そして、5年後、10年後に、「あの時は大変だったけど、頑張って勉強して良かった」と少しでも思ってもらえたら、教師にとってこの上ない喜びです。
橋本市立隅田中学校(和歌山県)
生徒数:1学年82名 2学年79名 3学年108名
この事例で取り上げられたサービス
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