活用事例

脳をフル回転させる探究の授業で
新たな可能性と発想力を高める

私立近江高等学校(滋賀県)
2022.7.27
写真左から 教頭/伊東先生、探究担当/生駒先生(保健体育)、探究担当/喜田先生(数学)、第1学年部長/太田先生(保健体育)
 
課題
  • 2022年度から必修科目になる「総合的な探究の時間」の実施に向けて、ワーキングチームを立ち上げて教材を選定。1年前倒しで教材を導入し、試したいと思っていた。
  • 生徒一人ひとりが好きなことを探究すると収拾がつかなくなるため、考え方やモノの見方を学べる教材を探していた。
 活用ポイント
  • 担任が自分のクラスで、スライドを順番に説明しながら、個人ワークとグループワークを実施。コロナ禍のため、会話を減らしながらでも探究ができるように、ChromebookやGoogleの機能を積極的に活用した。
  • アイデアが出ない時も、脳をフル回転させて、各自しっかり考え抜くことをポイントに取り組んだ。
 活用効果
  • 大人しい生徒の中には、パソコン操作を得意とする者が多く、探究の授業でリーダーシップを発揮していた。その結果、入学当初から課題だったコミュニケーションが図れるようになり、クラスに溶け込むきっかけとなった。
  • パソコン操作に慣れたことにより、コミュニケーションスキルが向上。発想力の向上にもつながった。

必修科目となる「総合的な探究の時間」への準備として
考え方や視点を学べる教材を

本校は国宝彦根城を臨み、西に琵琶湖、北に伊吹の秀峰を眺め、豊かな自然と歴史・文化に彩られています。野球・バレーボール・サッカーなどのスポーツ強豪校として知られる一方で、京都大学や大阪大学をはじめとした国公立大学や、関関同立などの難関私立大学へ現役合格実績を伸ばしている文武兼備の私立高校です。企業人でもあった創立者は「企業は人なり、人は教育にあり」という思想を持ち、建学にあたり「誠実・勤勉」という校訓を定めました。これを現代に当てはめて、ただ人から言われたことを行う勤勉さではなく、何事にも正しく生きる誠実さを大切にしながら、自らの力で最良の道を選択していく生徒を育成したいと考えています。

2022年度から全国の高等学校で新設される「総合的な探究の時間」に向けて、準備も兼ねて一年前倒しで導入し、新しい教材を試してみたいと考えていました。ワーキングチームを立ち上げて検討を重ねる中で、生徒一人ひとりが好きなことを探究し始めたら収集がつかなくなるのではないかという不安がありました。

そこで、考え方やモノの見方を多角的に学べる教材が好ましいという結論に至り、『スタディサプリ』の探究講座を選びました。新しい教材を導入するということもあって、リクルートの営業担当が疑問や質問にすぐに答えてくれることも導入の決め手でした。授業のカリキュラムについても、学年部長の主導のもとリクルートからアドバイスいただきながら、学年全体で決めていきました。

コロナ禍での探究のグループワークに、ICTを幅広く活用。
答えを出すこと以上に、脳をフル回転させることを重視

活用方法としては、各担任が自分のクラスでスライドを順番に説明しながら、個人ワークとグループワークを行っています。生徒たちは、スライドのPDF上にパソコンで入力して、Googleクラスルームでの共有・提出を行います。クラスによっては紙ベースで提出しているところもありました。

探究の時間が「年間30コマ」あるうち、「興味研究型」の授業で12コマ、課題発表までの準備で16コマを使い、特に授業の第7回以降は時間を多めに取って行いました。グループで好きな内容の調査や実験方法を選んでもらったところ、コロナ禍でインタビューがままならない中、9割のグループが文献調査を選び、ネットで調べていく作業となりました。部活動で忙しい生徒が多いため、宿題にはせず、すべて授業の中で実施。遊びのワークで操作に慣れた後、その後の探究でPDFのデータをGoogle Jamboardに貼り付けるというように、段階を踏みながら活用を進めました。

各担任は、Chromebookでの共有テキストや共同編集作業、Google Jamboardを活用するなどICTを積極的に取り入れ、コロナ禍でも会話を減らしながら探究ができるよう工夫しました。教員は授業の前に、スライドに出てくる人物について調べるなどの準備を行い、教員同士で話し合いながら、教材理解に努めている姿が見受けられました。初回はなかなかハードルが高かったかもしれませんが、一度理解すると教える側の視野も広がったようです。
▲実際に活用したスライド
苦労した点は、課題が丁寧に分けられていて、何を考えればよいのか理解できるものの、生徒からなかなかアイデアが出なかったことです。初回で取り組んだ「色・形」の課題ではアイデアを出せても、「変化」や「仕組み」へ進むと思い浮かばず、1回目の授業でアイデアのほとんどを出し切ってしまった生徒が多かったようです。教員はアイデアを出すことをサポートする他、「この課題を乗り越えよう」と励ましながら進めていきました。探究の授業では、答えを出すことよりも脳をフル回転させることが重要と考えて、考える時間を十分に確保しながら取り組んでもらいました。
▲実際に活用したスライド

大人しい生徒がリーダーシップを発揮し、コミュニケーションが変化。
主体的な行動を引き出すため、教員間の会話も増えた。

本校ではアカデミーコース、アドバンスコース、総合コース、キャリアコースという4コースを設置していますが、コースごとに活用の効果が見られました。アドバンスコースはスライドで発表を行いましたが、授業が進むにつれグループで取り組むことへの抵抗感が薄れ、楽しみながら課題に向き合っていました。総合コースでは、普段から控えめで入学当初から生徒同士のコミュニケーションに苦労している生徒もいましが、得意のパソコン操作を生かしてリーダーシップを発揮、このことがクラスに溶け込むきっかけになりました。また、総合コースの生徒たちが行き詰った際に、アドバンスコースの授業を見に行ったことで、刺激を受けて意識が変わったこともありました。コース間の見学は今までになかったことで、印象的な出来事でした。

一方、アンケート調査を実施した2グループは、クラス内と学年全体に回答を募り、想像以上の回答数を得られて喜んでいました。特に、1学年は交友関係が部活動の仲間同士や同性に偏りがちですが、探究活動を通して様々な生徒と交流する機会になりました。また、「ブラックホールについて“分からない”ということがわかった」「犬や猫などの動物の歴史を遡って調べられて楽しかった」という声も寄せられ、問いに向かって一生懸命に取り組んでいるのがわかりました。

探究の授業をきっかけに、教員同士が教科の枠を超えて会話するようになったことも変化の一つです。未開拓の分野の授業を創造する負担はあったものの、生徒や教員の意識を変えられたことに手ごたえを感じています。リーダーシップをとった経験を今後の進路につなげていきたいという生徒や、パソコン操作に慣れたことでコミュニケーションのスキルが向上し、発想力も伸びてきた生徒の姿を目の当たりにし、探究の授業をより深めていきたいという意欲が高まっています。

今後については、生徒が探究の授業で学んだことを、自分の進路につなげられるよう支援していきたいです。ポスター発表については現在、評価シートの原案を作成しており、今後、試しながら取り入れていきたいと考えています。「総合的な探究の時間」は、今後の教育の要となっていくはずです。生徒たちが、進路選択に向けて自ら考えて行動する力に変えていけるよう、脳をフル回転させることで学力を向上させ、人間力を培っていけるようサポートしていきたいと思っています。

私立近江高等学校(滋賀県)
学科:普通科(アカデミーコース/アドバンスコース/総合コース) 商業科(キャリアコース)
生徒数:1学年267名 2学年266名 3学年265名 

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