活用方法としては、各担任が自分のクラスでスライドを順番に説明しながら、個人ワークとグループワークを行っています。生徒たちは、スライドのPDF上にパソコンで入力して、Googleクラスルームでの共有・提出を行います。クラスによっては紙ベースで提出しているところもありました。
探究の時間が「年間30コマ」あるうち、「興味研究型」の授業で12コマ、課題発表までの準備で16コマを使い、特に授業の第7回以降は時間を多めに取って行いました。グループで好きな内容の調査や実験方法を選んでもらったところ、コロナ禍でインタビューがままならない中、9割のグループが文献調査を選び、ネットで調べていく作業となりました。部活動で忙しい生徒が多いため、宿題にはせず、すべて授業の中で実施。遊びのワークで操作に慣れた後、その後の探究でPDFのデータをGoogle Jamboardに貼り付けるというように、段階を踏みながら活用を進めました。
各担任は、Chromebookでの共有テキストや共同編集作業、Google Jamboardを活用するなどICTを積極的に取り入れ、コロナ禍でも会話を減らしながら探究ができるよう工夫しました。教員は授業の前に、スライドに出てくる人物について調べるなどの準備を行い、教員同士で話し合いながら、教材理解に努めている姿が見受けられました。初回はなかなかハードルが高かったかもしれませんが、一度理解すると教える側の視野も広がったようです。
▲実際に活用したスライド
苦労した点は、課題が丁寧に分けられていて、何を考えればよいのか理解できるものの、生徒からなかなかアイデアが出なかったことです。初回で取り組んだ「色・形」の課題ではアイデアを出せても、「変化」や「仕組み」へ進むと思い浮かばず、1回目の授業でアイデアのほとんどを出し切ってしまった生徒が多かったようです。教員はアイデアを出すことをサポートする他、「この課題を乗り越えよう」と励ましながら進めていきました。探究の授業では、答えを出すことよりも脳をフル回転させることが重要と考えて、考える時間を十分に確保しながら取り組んでもらいました。
▲実際に活用したスライド