活用事例

ICT教材の授業内活用で
主体的・対話的で深い学びを実現する

下仁田町立下仁田中学校(群馬県)
2022.2.3
数学科/大内先生、ICTファシリテーター・英語科/高橋先生
課題
  • 『スタディサプリ』の導入が決まるも、一斉利用をするにあたって具体的な活用のイメージが見えなかった。
  • ICT機器を使う上で目的と手段が逆転しないように利用すること意識している。スタディサプリについても機能価値を知り活用目的を明確にする必要があった。
活用ポイント
  • 『スタディサプリ』の講義動画を反転授業に利用する。生徒はインプットした状態で授業に臨むため、「なぜ」「どのように」など、深いところまで掘り下げた授業づくりができるようになる。
  • 英語では新出文法を指導する際に、講義動画と「確認テスト」を宿題として配信。次の授業で生徒の取り組み状況を共有した後、生徒に学んだ文法のポイントを発表させることで、言語活動の機会を設ける。
 活用効果
  • 授業時間外で、端末を片手に数学の課題について話をする生徒が見受けられるようになった。また、生徒はインプットした状態で授業に臨むため、授業の進行がスムーズになった。
  • 管理画面から生徒の学習プロセスがはっきりわかるため、個々のフィードバックがしやすく、教員の負担も軽減された。

多様な生徒を抱える中で、学び直しと
定着を把握するためにスタディサプリを活用

下仁田町は群馬県の西南端に位置し、町の北部と西部の長野県との県境には妙義荒船佐久高原国定公園が広がる自然豊かな町です。当校は、下仁田町唯一の公立中学校として、「愛する」「考える」「行う」を教育目標に据え、「ふるさとを愛し、たくましく生きていける子」を育てています。

近年は、下仁田町主導でネットワークの環境構築、タブレットパソコンの整備が急速に進んでおり、県内でもいち早くタブレットパソコンの実質的な1人1台配備を行いました。2020年2月から始まった一斉臨時休校の際には、インターネットを通じて健康確認やオンライン授業を実施するなど、県内では数少ない充実したICT教育環境を整備しています。

2021年度から『スタディサプリ』を導入することになりましたが、その存在は知っているものの、具体的な活用方法をイメージできていたわけではありません。また、ICT機器の導入は進んでいましたが、ICT機器を使うことが目的となってはいけません。当時はタブレットを持ち帰ることができない中で、授業内で活用することのハードルを感じていました。ただ、クラス内に授業だけで理解できる生徒、授業だけでは理解しきれない生徒が混在する中で、『スタディサプリ』の講義動画を用いることで、その差を埋められるのではないかと考えていました。また、管理画面上から生徒の理解度が単元レベルで把握できるため、個別フォローがしやすいとも思いました。というのも、英語の授業で発問をした際に、生徒の反応が薄いときがあり、発問した内容がうまく伝わっていないのか、生徒の参加意欲が低いのかがわからず不安になることがしばしばあったのです。『スタディサプリ』を用いることで、そうした課題を解決できると思い、活用をスタートさせました。

生徒一人ひとりのつまずきに連動した
課題配信、フォローアップまでを完結

『スタディサプリ』の活用方法は、教科や教員によって異なります。数学では単元を終えた後の学び直しとして、授業内で「単元テスト」に取り組む時間を設定。授業の前半で「単元テスト」に取りませ、後半には「フォロ―アップ配信機能」を用いて課題を配信しています。小問単位で、生徒一人ひとりのつまずきに連動した個別最適な課題を手間なく配信できるだけでなく、単元ごとに生徒の理解度を測り、フォローまでできるのはありがたいです。

また、『スタディサプリ』の講義動画を用いた反転授業も始めています。生徒は授業前に講義動画を視聴し、「確認テスト」を受けてから授業に臨みます。以前は授業の復習として『スタディサプリ』に取り組ませていましたが、「確認テスト」だけ取り組む生徒が見受けられました。それでは『スタディサプリ』の良さを引き出すことができませんし、生徒自身も『スタディサプリ』を利用するメリットを実感できていないようでした。講義動画の質の高さを最大限に生かし、かつ学校での学びを充実したものにするためにも、あらかじめ講義動画で知識をインプットさせることが、授業の充実につながると考えました。

例えば「図形の作図」においては、これまで作図の仕方に指導が集中して、なぜそういった作図ができるのかといった深いところまで指導するには時間が足りませんでした。講義動画で作図の仕方を理解してから授業に臨ませることで、深いところまで指導できるようになりました。

英語では、新出の文法が出てきた際に、関連する講義動画や「確認テスト」を授業の終わりに宿題として配信しています。宿題を配信する上では、正答率100%になるまで解き直すこと、必ず講義動画を視聴することをルールとして取り組ませています。また、次の授業では教員の管理画面をスクリーンに投影して、宿題の取り組み状況を生徒全員で共有しました。何回も挑戦して解き直している生徒や一回の挑戦で満点をとった生徒などを指名して、ターゲットとする文法のポイントをクラス全員の前で説明し、他の生徒はその説明に対して質問します。自分や友達の理解度がわかるだけでなく、生徒の口から説明させることで、言語活動の充実を図っています。

管理画面からは、何回解き直したのか、どこでつまずいたのか、学習時間はどれくらいか、講義動画は何回視聴しているかといった学習のプロセスを数字として把握できるので、生徒のフォローや、授業改善に生かしています。学習プロセスが可視化されることは、生徒にとって必ずしも良いこととは限りません。中には、くり返し問題を解いていることを恥ずかしがる生徒もいます。それが原因で英語を嫌いになってしまっては元も子もありません。生徒の取り組み状況を見せる前に、くり返し問題に挑戦した生徒には「よく頑張ったね」と声をかけ、何度も学び直すことは良いことだと伝えるようにしています。今では、そうした生徒の頑張りに対して、他の生徒が応援をしたり、拍手をしたりするなど、クラス全体の雰囲気も変わってきたように感じています。

「教員が教える時代」から「生徒が学び合う時代」に
求められる教員の役割

反転授業は、生徒が事前にインプットしていないと授業が成り立たないため、予習をしてこなかった生徒を考慮する必要がありました。予習をしてこなかった生徒には、「叱る」というスタンスを取ることなく、「どうしたの?」と声かけをしたり、「予習をしてくると授業がもっと楽しくなるよ」と予習のメリットを伝えたり。「やらさられている」というのではなく、あくまで「取り組みたくなる」空気づくりを意識しました。それでも取り組めない生徒には、授業の冒頭で「『スタディサプリ』の動画でこんな内容あったよね」などと話して、意欲を刺激することも忘れていません。

また、「講義動画を視聴する練習」と銘打って、クラス全員で講義動画を視聴する時間を設けたりもしました。一人の生徒を指名し、倍速・巻き戻し・一時停止などの機能を自由に操作してもらい、生徒の反応を見ました。すると「見づらい」という声が自然とあがりますが、「それぞれが見やすいように見ていいんだよ」という声かけで予習のハードルを下げました。

『スタディサプリ』導入の成果は確実に現れており、生徒の様子にも変化が見られるようになりました。高い学力を持っているのにもかかわらず、みんなの前で発表したり、説明したりするのを苦手とする生徒がいました。英文法のポイントを説明させても「それはこうだからです」のようなひと言で説明を終えてしまうのです。生徒の間に『スタディサプリ』が浸透し出した頃、その生徒に発表してもらったところ、他の生徒が理解できるように説明してくれました。「根気強く続けると、生徒は確実に変わる」と実感した瞬間でした。

1人1台端末が整備され、もはや「学びの場」は学校や教室だけのものではありません。個別最適な学びが重要視される昨今において、『スタディサプリ』のようなICT教材を授業や家庭での学習に活用するのはもはや当たり前のことなのかもしれません。だからと言って、その活用を生徒任せにしてはその効果も限定的です。だからこそ、生徒の主体性をいかに引き出していくかが重要なのではないでしょうか。「教員が教える時代」から、「生徒が学び合う時代」に変わる中で、これからの教員は生徒同士の学び合いを活発化させたり、生徒が自身の学習課題を見つけられるよう手助けするファシリテーターとしての役割が求められると思います。現状に甘んじることなく、これからも『スタディサプリ』の効果的な活用方法について検討していき、「主体的・対話的で深い学び」を実現していきたいです。
下仁田町立下仁田中学校(群馬県)
生徒数:1学年29名 2学年22名 3学年39名
この事例で取り上げられたサービス
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