基礎学力の向上につながる自学ツールを求めるも
教員間の意識やITスキルの差が課題に
本校が所在する高山村は、子持山・小野子山・中ノ岳・十二ヶ岳など、緑豊かな山々に抱かれた景観にも優れた地域です。四季折々に花が咲きほころび、訪れる人々の心を和ませてくれています。そのような豊かな自然の中で「心身共に健康で高い知性・豊かな感性・逞しい意志と想像力をもち、郷土を愛し、人間性豊かな生徒を育成する。」という教育目標を掲げ、「明るく、かしこく、たくましい高山っ子」の育成に全力で取り組んでいます。
自治体主導で『スタディサプリ』の導入が決まった際、個人的には「何ができるか知りたい」と前向きに捉えていました。というのも本校の生徒は、基礎学力や家庭学習の定着に課題を抱えていたからです。教科ごとに生徒一人ひとりがわからない範囲を学習でき、マイペースで進められる自学用の教材が不足していました。『スタディサプリ』内に細かい単元まで問題が用意されていることから、きめ細やかな学習の補完に役立てたり、効率的に復習を行う等、様々な活用シーンが浮かびました。
ただ、教員間では、ICT活用に対する意識やスキルに差がある点が課題であると感じていました。そこで、研修担当として各教員とコミュニケーションを図り、共通理解を促進した上で、どのシーンでどこまで活用するかの「学校内での活用ライン」を設定しました。
導入初期に意識したのは、活用のハードルを低くすること。まずは教員の負担を軽減するために、朝学習での活用を提案し、それ以外は自由度を持たせて各教員に任せることにしました。当初は、校内の通信環境が芳しくなく、動画がフリーズしてしまうケースがあったため、学校側に通信環境の整備を依頼するなど活用の土台作りに苦心しました。