活用事例

小規模校ならではの強みを生かした声かけで
生徒の自主的な活用を促進

片品村立片品中学校(群馬県)
2022.1.28
教務主任・社会/倉澤先生
課題
  • GIGAスクール構想初年度に、県主導でICT教材の導入が決定。手探りで活用方法を検討する必要があった。
  • 新型コロナウイルス感染の流行の最中、生徒の学びを止めないために、ICT教材を使って学習できないかを模索していた。
活用ポイント
  • 学校独自の取り組みである「補充学習」内での『スタディサプリ』活用をスタート。一律の課題ではなく、生徒の実態に合った課題を課して、個別最適な学びの充実にむけた手立ての1つとして活用している。
  • 課題への取り組みは、あくまで「任意」。生徒の自主性に任せた活用でなければ効果が薄いという信念のもと、教員から生徒の取り組みを認める声かけを行い、生徒の「やりたい」を引き出す。
 活用効果
  • 勉強が苦手な生徒や、紙で勉強しにくかった生徒が、必要に応じて課題を見つけて学習するように。『スタディサプリ』が学びの動機付けに貢献。
  • 勉強に対して意欲的な生徒は、授業の時間が余ったときに、自主的に『スタディサプリ』に取り組むように。

生徒の学びを止めないためのICT活用。
周囲のサポートを得てスムーズな導入を実現

当校は、群馬県の北東に位置する片品村唯一の村立中学校です。日本最大級の高層湿原を擁する尾瀬国立公園と、日本百名山のうち3つの名峰を有するのどかな自然が広がり、地の利を活かした観光と農業が主産業の村です。

国が掲げたGIGAスクール構想に基づき、当校にも電子黒板や1人1台の端末が整備され、2021年度より『スタディサプリ』を導入しました。国や県、学校全体の方針でICT教材の導入が決まったとはいえ、導入に当たって諸手を挙げて賛成したわけではありません。というのも、思考力や表現力の育成が教育現場に求められる今、果たしてコンピュータを使って学習することが、生徒にとって本当に良いことなのか疑問を感じていました。むしろ、紙ベースで書いて覚える方が効率的なのではないかと思いました。

ただ、当校の連携型中高一貫校である県立尾瀬高校が『スタディサプリ』を利用しており、尾瀬高校教諭に感想を聞いてみると、勉強を苦手とする生徒の学習への動機付けになるとのことでした。中学生はすべての学力の土台となる基礎・基本を身につけることが何より重要です。新型コロナ感染の流行の最中、「対面で授業ができない中、生徒の学びを止めないために、ICT教材を使って学習できないか」と手探りで導入しました。

生徒全79名の端末の登録作業は、当校に配置されている教育DX推進スタッフのサポートを得て、1日で完了。機能面や活用方法で迷ったときは、『スタディサプリ』のコールセンターや、リクルートの営業担当に質問しました。また、年度初めに実施されたリクルート主催の教員向け研修会には、学年ごとに1名の教員を派遣。学年に最低1人は『スタディサプリ』の活用方法を理解している状況にしました。活用1年目は何かとやることが多く、教員1人で全てをやろうとしないことも大切です。当校では、情報主任、スタディサプリ担当、各学年の情報担当3名の教員で業務を分けて、推進しました。手探りではありましたが、他の教職員のサポートがあったおかげで、スムーズに導入できました。

学校独自の取り組み「補充学習」に、サプリを活用。
下位層、上位層問わずに個別最適な学習を実現

当校では、生徒が自主的に復習する「補充学習」という取り組みを行っています。全校一斉学習として、年間15回、毎週月曜日の放課後20分間を利用して、生徒は復習課題に取り組みます。これまでは、教科を決めて担当教員が各クラスを回って指導していました。ただ、教員の視点で「この単元が苦手だろうな」という仮説を立てて一律の課題を用意していたため、勉強が苦手な生徒にとって、ハードルの高い課題となることもありました。

今年度からは『スタディサプリ』が導入されたことで、生徒が必要と考える課題に取り組むことができました。そのため個々の能力に応じた学習が可能になりました。学習する教科・単元も広がり、生徒の自主性に任せた学びの機会を提供していきます。とはいえ、勉強が苦手な生徒も少なからずいるため、これまで通り机間支援のような形でクラスを回り、わからない場合は講義動画の視聴を促したり、生徒からの質問に答えたりしています。
生徒が取り組む課題は様々で、直近の授業内容でわからない単元や問題の講義動画を視聴したり、受験を意識して、1、2学年の既習内容を復習したりしている3学年の生徒もいます。教員の中には、事前に宿題配信をしておいて、補充学習の時間に取り組ませるという方もいます。

今でこそ、この時間に『スタディサプリ』を取り組むことは、当たり前のこととして生徒に周知されていますが、導入初期は初めて取り組む教材に戸惑わないよう1回目の補充学習時間を使って、使い方の指導から始めました。また、当時は端末の持ち帰りを認めていませんでしたが、自宅での接続テストを皮切りに、土日の持ち帰り、夏休みの持ち帰り、2学期からの毎日持ち帰りと、段階を踏んで端末の持ち帰りを認めていきました。初めに時間をかけて使い方を指導し、段階を踏んで『スタディサプリ』に慣らしていったことで、その後の活用がスムーズになったと実感しています。

補充学習以外にも、単元の学習終了後の振り返りとして、宿題配信機能を用いて定期的に課題を配信しています。特に『スタディサプリ』は数学と相性が良く、月に約10回配信しています。「配信して終わり」ではなく、管理画面上から生徒の正答率を確認し、授業改善にも役立てられると考えています。

生徒の自主性に任せた活用と
頑張りを認める声かけで、学びの意欲を引き出す

『スタディサプリ』活用のポイントは、「任意」という形で課題を配信し、生徒の自主性に任せたこと。「やらせよう」としても、勉強に対する興味や動機を持てなければ、効果が薄いと考えたからです。生徒に「やりたい」と思ってもらうために、「課題を配信しておいたよ」と取り組みを促したり、タイムラインを見て「遅くまで頑張っているね」と頑張りを認めたり。三者面談前には、『スタディサプリ』の取り組み状況をプリントアウトして、生徒の頑張りがひと目でわかるようにもしています。デジタルの力を借りて生徒の学習への動機付けを行いながら、アナログな関わり方で生徒をフォローする。小規模校ならではの強みを生かして、『スタディサプリ』の活用を促しています。

生徒の取り組み状況は一人1人異なります。ただ、これまで比較的勉強が苦手だったり、紙で取り組みにくい生徒でも、必要に応じて課題を見つけて取り組んでいることがタイムラインでわかりました。問題の形式も選択式で、問題のレベルも基礎中心のため、勉強が苦手な生徒でも取り組みやすいようです。一方、勉強に意欲的な生徒は、授業で時間が余ったときに、「『スタディサプリ』やっていいですか」と、より意欲的に学習するようになりました。このように、『スタディサプリ』を通じて芽生えた意欲を削がないように、引き続き教員から声かけなど手助けをしていきたいです。

今年度は、『スタディサプリ』を「使ってみる」1年。今後はどのように基礎・基本を定着させていくかが問われますし、また、思考や活用の場面で活かせるような手法を模索する必要があると考えています。『スタディサプリ』には、短時間で知識や技能を習得しやすいという利点がありますが、『スタディサプリ』だけでは習得が難しい知識や技能も当然あります。その点では、従来の紙を使った学習の方が良かったり、思考力を育成するには話し合い活動も必要でしょう。デジタルとアナログ両者の良さを活かしながら、授業を行っていくことが大切だと思います。

これからの教員に求められるのは、「教える」ことに加えて、生徒に「機会を提供する」、いわばコーディネーターとしての役割。例えば、部活動の指導や地域人材の活用、英語力の向上を目的とした外国の人と触れ合う機会を作るなど、社会との連絡調整役としての役割も必要になると考えています。人生の土台づくりを行う中学生という時期に、様々な機会を提供していきたいです。
片品村立片品中学校(群馬県)
生徒数:1学年25名 2学年27名 3学年27名
この事例で取り上げられたサービス
スタディサプリ
|CONTACT|

お問い合わせ

スタディサプリ学校向けサービスの導入に関する
ご質問・ご確認は、お気軽にお問い合わせください。
ページトップ