活用事例

適性診断の利用で、学校選択の重要性を理解。主体的な学びのきっかけにもつながった

京都市立日吉ヶ丘高等学校(京都府)
2020.12.14
学年主任・保健体育/池田先生
課題
  • 生徒の進路に対する意識に差があり、一律での進路指導が難しい。
  • 自宅学習がただ、「こなす」だけの作業になっていて、「学び」になっていない。
活用ポイント

 

  • 学校の教育方針である学年ごとのテーマ(自律・協働・創造)と「適性診断」の結果を絡ませる。
  • コロナ禍の休校により充分な学習量がない中、3年次の科目仮登録前のワンクッションとして「適性診断」を行い、科目登録後のミスマッチを防止。
 活用効果
  • 「適性診断」により、学校選択のポイントを生徒たちに学んでもらえた。
  • スタディサプリを導入してまだ日が浅いため、生徒の利用率は均一ではないものの、『スタディサプリfor SCHOOL』をきっかけに学習機能も積極的に活用する層が出始めてきた。

「入学する」だけでなく、そこで「何がしたいのか」
意思を持った大学選びをすべての生徒に

本校は進学型単位制の高校で生徒のほとんどが進学を目指しています。幸い京都には国公立も私学もさまざまなレベルの大学がたくさんあり、その点では恵まれた環境といえます。そのため、ただ大学に入るというだけなら、そこまで必死に勉強しなくても何とかなってしまう。でも、大切な人生、なんとなく進学するなんてもったいないと考えていました。高校3年間を通して、自分が心から納得のいく大学を選び、進学できるよう指導を行っています。

本校が掲げる教育方針は「自律・協働・創造」。学年別にテーマを設定しており、1学年は「自律」がメインです。自分を知ること、きちんと自学自習ができること、基本的生活習慣などの確立ですね。2学年は共に助け合う「協働」、そして最終学年の3学年は高校生活を通して培ったクリエイティビティを磨く「創造」を軸に、指導しています。

近年の本校の課題は、一律の進路指導ができていないこと。進路に対する思い入れには生徒によって個人差があります。最後まで粘り強く頑張る生徒には、しっかり指導できているのですが、早く決めて楽になりたいと、深く考えず早々に「入れる」学校を選ぶ生徒もいます。早く決めること自体は悪いことではありません。ただ、その理由が「早く楽をしたいから」ではあまりにも主体性がない。せっかくの進学です。その大学で何かやりたいことがあるなど、目的を持って進学を目指してほしいですし、本校としても生徒の可能性を重視したいと思っています。

そんな中で目に留まったのが『スタディサプリfor SCHOOL』。生徒自身が気づいていない適性や興味を可視化し、自分の将来に対する積極性を引き出すというコンテンツに魅力を感じ、まさに本校で試してみたい教材だと思いました。導入の決め手は2点。デジタルコンテンツの質の高さに加え、コロナの影響で休校になってしまったことです。特にコロナでは、社会的に校外活動も難しくなってしまい、2学年の進級前に実施していた春休みの海外修学旅行も中止になってしまいました。貴重な学びの機会がなくなった分、生徒の視野を広げるために、何か新しいアプローチを試みたいと思っていたことも後押しになりました。

また、例年であれば、新学期から学年集会や進路行事を行うのですが、今年は休校措置で実施を断念しました。6月には授業が再開されましたが、本来ならば終えている3学年の仮の科目登録もまだの状態。少しでも早く実施したいと思いつつ、それまでに充分な学習ができていない状況で3学年の科目を選べば、その後に進路のミスマッチを起こす可能性が高くなります。実施の前にワンクッションが必要だと感じ、改めて『スタディサプリfor SCHOOL』を活用しなければと強く思いました。1学期中に「適性診断」を行ったことで、生徒は夏休み中「そろそろ進路について本気で考えないと」という意識を保てたはず。いろいろな意味で導入はギリギリのタイミングでしたね。3学年の科目登録はこの後他にも取り組みを行った後、11月に本登録を迎えます。

自分の適性を活かした進路を選ぶ
ベースとなるのは、まず自らを知ること

本校における『スタディサプリfor SCHOOL』活用の目的は大きく2点。まずは教育方針である「自律・協働・創造」を、3段階のステップとして学年ごとに指導するためです。例えば、2・3学年のテーマは「協働」と「創造」ですが、これを「適性診断」の結果と掛け合わせながら、自分の適性や目的とする将来のキャリアを導き出しています。この作業によって、以前から週に1回発行している、生徒調べによる大学情報レポートの質も上がるのではと期待しています。このレポートは、各クラスから選ばれた進路委員が、大学の情報を自分たちなりに調べて、週ごとに学年全体に発行しているものなのですが、これまでは大学のチョイスも内容も漠然としていました。掲載大学を「有名だから」「近いから」といった理由で選び、肝心の「何が学べて」「どのようなキャリアにつなげられるのか」といった充分な情報が伝えられていなかったのです。これを「適性診断」を行い、大学を選ぶ視点を身につけた上で取り組めば、まったく違ったレポートになるはず。もちろん進路委員の生徒だけでなく、ほかの生徒たちにも、学校選択のポイントや目の付け所を学んでもらえたと思っています。

2点目の活用は、分野研究・大学調べと「適性診断」を絡ませ、自分の中で整理してもらうため。『適性診断』の結果と、分野研究で1学年から取り組んできた活動をリンクさせ、どの大学なら自分の適性を活かせるのかという視点を持ってもらうために、ワークシートを活用してもらいます。一連の取り組みの後に「じゃあ自分はどうなりたいの?」と考えさせるのがこの作業のポイント。ただ志望校を決定するだけなく、実際に大学の4年間を将来のキャリアにつなげるため、どのように過ごすのかということまで落とし込んでほしいですね。情報と思考の整理の第一歩といったところでしょうか。

『スタディサプリfor SCHOOL』の良さはいろいろありますが、何よりも質の高いコンテンツを、手軽に利用できるのがいいですね。たくさんの学校から徹底的にヒアリングを重ねたうえで、プロが緻密に作り上げた教材なので、完成度が高いし使いやすさも抜群です。特に今年のような状況ですと、結果が出るまでのスピード感もありがたいですし、オンラインで生徒に連絡できる機能も助かります。併せて利用している学習版の『スタディサプリ』も同様です。1学期には学校の状況が不安定な中、成績下位層の生徒に対する学習の手助けとなり、この時期に成績が下降する上位層が何とか成績を維持し、踏みとどまってくれたことにも、この『スタディサプリ』の力が働いたと思っています。『スタディサプリ』は導入してまだ日が浅く、生徒の利用率も均一ではありませんが、『スタディサプリfor SCHOOL』をきっかけに積極的に活用する層も出始めてきましたし、今後に期待です。活用が進めば教員の負担も減るはずなので、その分、今まで忙しくて手が回らなかったことにも着手できそうです。

高校3年間で自分の軸を見つけ
ひとりの人間として真に成長を

進学校はどうしてもタスクが多く、生徒たちの主体性を育むべき時間がどんどん削られているのが現状です。どんな人生であっても、やりがいや生きがいを見出すのは、主体性がなければできないこと。だからこそ生徒には、在学中に主体性を身につけてほしいと思っています。この願いは、今も将来も変わりません。学習についても、空き時間を使って『スタディサプリ』を上手に活用してもらい、一定以上の学力を保持してもらいたいですね。学校の授業の内容と『スタディサプリ』をうまく融合しながら、弱点を強化し、大きく成長してもらいたいです。本校としても、本当の意味での学ぶことの楽しさや、生徒がひとりの人間として真に成長を実感できるような機会を、これからも可能な限り提供したいと思っています。その意味では、『スタディサプリ』や『スタディサプリ進路』は心強いサポート役ですし、目的達成の大きな要になると思っています。学力の担保はもちろん、生徒の主体性を育んでくれるフォローまでしてくれるのですから。
京都市立日吉ヶ丘高等学校(京都府)
学科:普通科
生徒数:1学年244名 2学年236名 3学年230名
ページ内容は2020年12月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
スタディサプリ進路
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