リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人誠恵学院 誠恵高等学校

Vol 08
2019.8.8、8.9
2日間の夏休み特訓。スケジュールはすべて、自分で決める。

8月8日と9日、2日間にわたってリアルドラゴン桜プロジェクトの夏休み特訓が御殿場高原で開催されました。参加したのは誠恵高校の1年生から3年生まで、あわせて17名です。さらに西岡コーチをはじめとした東大生も5名参加してくれました。温泉もあるリゾート施設で開催された誠恵高校の夏休み特訓。はたしてどのような2日間になるのでしょう?

「自学自習」がキーワード
自分で決めて、実行する

合宿の冒頭、西岡コーチはこう語り始めました。「ちょうど昨日、東大のオープンキャンパスが開かれていました。東大のオープンキャンパスには、東大志望の高校生が数多く訪れます。彼ら彼女らがキャンパス内で、すこしの空き時間に何をしているか知っていますか?ベンチなどに座って勉強しているのです。こうした人達が東大をめざしています。今日、ここに来るまでのバスで何か勉強をした人はいますか?」。厳しい言葉に、生徒たちの表情が引き締まります。

西岡コーチは続けます。「教育学では、他人からやらされる勉強では身につかないことがはっきりわかっています。誰からも強制されず自主的に勉強する人や、すこしの空き時間にも勉強する人は、学んだことが身につく。『自学自習』が、最も大切な勉強の姿勢なのです。この夏休み特訓では、『自学自習』の習慣を徹底的に身につけてもらいます。だから、この夏休み特訓はスケジュールを作っていません。食事などの決まった時間以外は、何をしても自由です。ここは素晴らしい施設で、温泉もあります。このセミナールームも24時まで使えます。勉強するのも休憩するのも寝るのもすべて自由なので、自分で決めて実行してください」。こうして誠恵高校の夏休み特訓は、緊張感とともにはじまりました。

とまどう生徒のために
用意されたもの

しかし、生徒たちはとまどっています。そこで西岡コーチはこう語りました。「とはいえ、いきなり自由にしてよいって言われても困りますよね。だから、みなさんの『自学自習』の手助けになるものを用意しました。僕は基礎が大切だと最近の授業では言い続けてきました。夏休みは基礎を固める絶好のチャンスです。だから基礎を固められるテキストを用意しました。計算ドリル、中学英語の総復習、英文法の3冊と、僕が手作りした漢字プリントです。これらを自由に使ってください。どれをやるか、どの順番でやるか、どれだけやるかは自分で決めてくださいね」。

「もうひとつ。2日間、ただテキストをやるだけではつまらないですよね。そこでゲームをします。テキストをやり終わったら、そのページを東大生や先生に見てもらってください。全問正解になったらそのページに付箋を貼ります。最終的に付箋が一番多かった人には、ベスト・オブ・リアルドラゴン桜プロジェクトとして豪華賞品を用意しています! さらに良い質問をした人や、特に良くできた人には桜の付箋を貼ります。これもカウントしますので、頑張ってください!」。豪華商品が出ると聞いて、生徒たちは一気に盛り上がります。

西岡コーチは最後にこう締めくくりました。「ここには東大生が5人もいます。わからないことがあれば、何でも東大生に質問してください。今日は24時まで、ずっとみなさんと一緒にいます。頑張る人には全力で僕たちも応えます。こんな環境はそうそうないですよ。2日間、東大生を自由に活用できるのだから。みなさんは、今日、日本で一番幸せな高校生だと思います。それを自覚して、頑張ってください」。

生徒たちの顔色が変わりました。各自が自分で決めた教科のテキストを開き、いよいよ夏休み特訓がはじまります。

自学自習に対する
東大生の考え

『自学自習』について、東大生はどう思っているのでしょうか。今回の夏休み特訓に参加した東大生に、考えを聞きました。西岡コーチはこの夏休み特訓の狙いについて、「よく合宿などで成績を上げるというものがありますが、その合宿でやった範囲だけ成績が上がっても意味がありません。合宿は受験勉強の期間の中では一瞬の出来事です。家に帰ってもずっと続けられる『自学自習』のスタンスを徹底的に身につけてもらうことの方が重要です。また基礎が大切であることを、リアルドラゴン桜プロジェクトの授業では繰り返し伝えてきました。とはいえ普段はなかなか時間が取れないと思うので、この機会に基礎を固めることで成績を上げるという成果も狙っています」と語ってくれました。

今春東大に合格したばかりの1年生3名にも話を聞きました。高橋さんは、「とても共感できます。僕が東大に入った学力は、すべてこれで得られたと言ってもよいくらいです。やらされた宿題と自分で考えた課題とでは、あとで覚えている量も質もまったく違います」と答えてくれました。安部さんも、「間違いなく素晴らしい考え方です。実は高校受験の時に、すでに実感していました。小中学生の時は勉強していなかったのですが、公立の一番難しい高校を受験すると決めてからはみずから学ぶようになり、無事に合格できたのです」。田之倉さんは「本当に大切だと思います。私は塾に行っていなかったので、自分で勉強の計画を立てる必要がありました。先生はよく見てくださっていましたが、自宅に帰ってからの状況やちょっとした空き時間まで把握しているわけではありません。すべては自分次第なのです」。

驚いたのは、東大生全員が自分の経験上『自学自習』が絶対に必要だと語ったことでした。

『自学自習』を
やりきった生徒たち

生徒たちの様子をご紹介しましょう。苦手科目を徹底的に勉強する生徒や得意科目を完璧にしたい生徒など、自分で考えて学んでいました。ひたすら集中して問題を解いていく生徒や、お互いにわからない点を教えあう生徒たちなど、勉強のやりかたもバラバラです。東大生にも積極的に質問していました。問題のわからない点を質問するだけでなく、効果的な勉強方法やモチベーション維持の方法、東大に入って感じたことを質問する生徒など、貴重な機会を無駄にしないという生徒たちの意気込みが感じられます。事前に決められていたスケジュールは食事の時間だけ。豪華な夕食バイキングのあとも、勉強をするセミナールームは24時まで開放されています。多くの生徒はセミナールームへ戻ってくると予測していましたが、全員が戻ってきました。そしてなんと、ほぼ全員が24時まで勉強を続けたのです!

2日目も、朝9時から夕方まで夏休み特訓は続きました。生徒たちのテキストは付箋でいっぱいになっています。さすがに疲れが出て勉強のペースは落ちるのではと思いましたが、まったくそのような気配はありません。それどころか、ラストスパートをかけているように感じるほどでした。

こうして2日間の夏休み特訓が終わりに近づきました。最後に付箋の枚数を数えます。1位は106枚、2位は104枚、3位は101枚。西岡コーチは驚いた様子で「さすがに100枚を超えてくるとは思いませんでした。その努力を讃えたいと思います」と感想を述べ、1位から3位までの3名を表彰しました。1位になった2年生のK.K.くんは、「この夏休み特訓を通じて成長したいと思って頑張ったら、結果がついてきたという感じです。難関大学を目指しているので、これからも『自学自習』で頑張っていきたいと思います」と、語ってくれました。また、特別賞としてMVPに3年生のY.S.くんが選ばれました。もっとも東大生への質問が多く、熱心に学んでいたからだそうです。

締めくくりとして西岡コーチはこう語りました。「最後に、次につなげる話をします。みなさんは2日間、日本の高校生の中でもかなり勉強した方だと思います。しかし、夏休み特訓という非日常の中で勉強しただけではダメです。同じことを残りの夏休み期間中と、2学期からも続けることが大切なのです。非日常から日常に戻った時に、どれだけ頑張れるかが大切です。今日、家に帰って一問でも問題を解いて勉強すれば、その一歩になります。そして日常で同じことができるようになれば、みなさんの勝ちです」。

『自学自習』をやりきった生徒たち。その姿は疲れの中にも大きな達成感があるように感じました。彼らが日常でも『自学自習』を貫くことができるのか、これからも楽しみです。