リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人誠恵学院 誠恵高等学校

Vol 03
2019.5.24
東大生との座談会とリクルートを訪問して受けた刺激は、必ず人生の役に立つ

5月24日に、リアルドラゴン桜プロジェクトの特別授業が開かれました。この日は誠恵高校の校舎を出て、東大とリクルートのオフィスを訪問。それぞれの見学後には、東大生やリクルートの従業員との座談会も行われます。目的は社会と大学の現実を自分の目で見て知ること。そして具体的なイメージを持つことで自分の進路に対する意識を高め、大学進学への意欲を高めることです。当日は、1年生から3年生まであわせて14名が参加しました。彼らは何を感じるのでしょう? まずは目黒にあるリクルートのオフィス訪問から始まります。

カフェのようなスペースで仕事をし、
自分の机がない会社・・・?

リアルドラゴン桜プロジェクトの授業に少し慣れてきた生徒たち。前回の授業でも積極的な発言が増えていました。しかしこの日は少し表情が硬いようです。目黒の大きなオフィスビルに入り、広くて高い天井のエントランスを目にして早くも緊張しています。

リクルートオフィス訪問の目的は社会(企業)を知り、そこで働く従業員の考え方や大切にしている事を学んで感じること。見学者の身分証を手渡されて入退館を管理する機械にかざすと、生徒たちはより緊張した様子です。オフィスに入ると、さらに驚きの光景が待っていました。まるでカフェのような間接照明のスペースで、コーヒーを飲みながらパソコンで仕事をしている人たち。生徒たちは緊張しながらも、「すげー!」「何、ここ?」と小さな声で興奮を隠せず感想を口にしていました。さっそくリクルートの従業員が説明しながら、オフィス見学がはじまります。「このスペースは誰でも使えます。仕事はもちろん、気分転換にコーヒーを飲んで休憩もできるスペースです」。生徒たちは一般的な『会社』のイメージと違いすぎるこの説明に、混乱気味です。説明は続きました。「私たちは効率を重視します。朝一番にお客様の会社で約束があるときは、いったん会社に寄らずに直接向かったほうが効率が良いと考えます。営業など、外に出かける事が多い人は自分の固定席がありません。だから、会社に来たときに誰でも使えるスペースが必要なのです。会社に来る頻度は減りますが、大切な情報共有だけは顔を見て話をします。日常の報告や相談は、情報共有ができるシステムがあるので問題ありません」。

従業員の説明は続きます。「もう少し、皆さんが『オフィスっぽい』と感じるような場所を見てみましょう。ここは打ち合わせスペースです。短時間で効率的に話し合えるように、立って打合せするスペースや、個室でテレビ会議もできるスペース、喫茶店のソファのように少しリラックスして打ち合わせができるスペースもあります。会議や打合せも、目的によって最適な場所を選んでいるのです」。

オフィスの見学がひと通り終わり、最後にスタディサプリを運営する部署を訪れました。いままで驚きの連続で静かに見学していた生徒たちが、ここで一斉に声を上げます。誠恵高校では全校生徒でスタディサプリの視聴時間を競っています。そこで見慣れた画面が、パソコンのモニターに出ていたからです。「おおっ!見たことある画面!」「ここで作っているの?」との声が湧き上がります。そしてさらに大きな歓声が上がります。スタディサプリの数学の講師、山内恵介先生が横を通り過ぎたからです。生徒たちは「本物だ!」と大騒ぎ。こうして画面の中でしか見たことがない先生を直接見ることができた興奮とともに、オフィス見学は終了しました。

自由があるということは
責任も増えるということ

次のプログラムは、リクルート従業員との座談会です。できるだけ自由に質問ができるように、少人数のグループに分かれて進められました。まずは「オフィスを見てどう感じた?」と問いかけられた生徒たちは、次々に感想を話します。「イメージしていた、一般的な会社と全く違って驚いた」「とても働きやすそうなオフィスだと感じた」。東大を出てリクルートに入社したいと宣言する生徒までいらっしゃいました。オフィス見学直後の興奮からか、とても好印象を抱いたようでした。また、従業員の働き方にも興味があるようです。「いつもみんな普段着で、ジーパンでも良いのですか?」「出社時間も退社時間も自由って本当ですか?」自由な働き方についての質問が相次ぎました。

ある従業員がこう答えます。「自由に仕事をしていて楽しそうって言ってくれるのは嬉しい。でも、大切なことがあります。自由と責任はセットだということです。出社が必要かどうかは自分で決める。自分で適切だと判断したなら、カジュアルな服装で仕事をしてもいい。このように、自由に働く事ができるのは、やることをやっているからです。たとえば営業であれば、目標を達成する。開発する人は、期限までに完成させる。社会人なんだから、自分で決めた仕事をやり遂げるのが最低限の責任です。これが出来る人が、働き方の自由も得られるのです。自由と責任がセットだということを、今日はぜひ覚えて帰ってください」。予想外に厳しい言葉を受け、生徒たちの間には緊張感が漂いました。

これ以降、生徒たちの質問内容が変わっていきます。「働く時に、一番大切なものは何か?」「就職の時、学歴は関係があるのか?」などの質問が続きました。答えは人によって違いますが、ある従業員はこう答えました。「リクルートの場合、働く上で一番大切なのは主体性。仕事は与えられるものではなく、自分がどうしたいのかを問われます。だから、たとえばうまくいかないことがあっても『なぜか?』と考え抜きます。あとはチームで働くので、仲間と一緒だとつらくないし、やらされ感もないです」「学歴が就職と関係あるのかと言ったら、個人的にはあると思います。リクルートでは出身大学を聞かれません。でも、難関大を卒業した人はそこら中にいます。個人的には、受験勉強を前のめりにやって合格した人は、仕事でも同じなんだと思う。自分で考えて主体的に動ける人かどうかを、就職の面接で見られているんだと思います」。

こうしてリクルート従業員との座談会は終わりました。最後に司会の従業員はこう語ります。「今日の経験がお役に立てたら幸いです。あちこちで言葉に出ていた『主体性を持つ』を、忘れないでください。受験勉強でも、社会人になっても大切な言葉です」。生徒たちも多くを共感したようです。ある生徒が、「授業で西岡コーチが言ってたことと全部同じだ…」とつぶやいたのが印象的でした。

夢は必ずかなうよ…と、
言い切る東大生たち

次は東大生による座談会です。
座談会に集まってくれたのは、西岡コーチと同じ東龍門に所属する三名の現役東大生です。簡単に三人をご紹介しましょう(敬称略)。

■正司 貫統:東京大学法学部4年生。中学・高校時代は陸上部の活動に打ち込み、ほとんど勉強していなかった。ケガで部活が不完全燃焼に終わった悔しさから東大受験を決意、学年順位を100位から8位まで押し上げるも8点差で不合格。諦めきれず一浪し、東大合格を果たした。

■立石ひなの:東京大学法学部3年生。小学生の時にドラゴン桜を読んで、東大入学を決意。医学部志望だったが高校3年生の時に文系に変更し、1年で文系科目を完全に習得し、みごと東大合格を果たす。将来は国連機関で働くことを目標にしており、大学に入ってから10カ国以上に渡航している。

■増子彩夏:東京大学教育学部3年生。もしもなんでも叶うなら何をしたいか、自分に問いかけたときに浮かんだ『アイドルと結婚したい』という現実離れした夢を本気で叶えてみようと、東大を目指し始める。誰もが無理だと思う目標だったが、高いモチベーションを維持する独自の方法をみつけて母校初の東大合格を果たした。

様々な経歴を持つ東大生たちが、質問に答え、アドバイスをしてくれます。さっそくグループに分かれて座談会がはじまりました。「受験勉強の秘訣は?」との質問に、正司さんは「逆算が大切。受験でも夢をかなえるためでも、逆算していつまでに何をやるかを考える。これをやりとげれば達成できるし、達成できなくても必ず自分の財産になります」とアドバイスしてくれました。「夢がまだみつからないです」との言葉に、立石さんは「私もそうだったから大丈夫。東大に入ると、驚くほど優秀な人達がたくさんいます。こうした人から刺激を受け、自分がやりたいことを見つければ良いのではないでしょうか。私はいま、国連か外務省で働くという夢が見つかりました」と答えてくれました。「教育学部に入った理由は?」と問われた増子さんは「受験勉強期間に出会った東大生が、成績が悪いのに東大を目指していた私に対して『なりたい自分には、誰でもなれるよ』って言い切ってくれた。このときの印象が強く、『夢はかなう』ということを他の人にも伝えることが出来ればと考えて教育学部に進みました。今は自分で合宿を企画していて、たくさんの生徒が実際に東大に合格しています」。

西岡コーチを含め、この日の座談会に来てくれた東大生は全員『夢をかなえた人たち』です。言葉の重みと、自信、そして説得力が違いました。

東大生との座談会を終えた生徒たちに、感想を聞きました。「東大に入った人たちは、最初から頭が良い人だけでなく、努力して入った人がたくさんいるとわかった」「夢はかなうと、自信を持って言い切る姿が輝いて見えた」「夢がなくても、東大に入れば見つかると言ってくれて安心した」「目標達成のためには逆算して計画するという考え方を複数の人が言っていたので実行したい」「正しい努力をすれば、東大なんて入れるからと明るく皆さんが言っていたことで勇気づけられた」…。

こうして刺激的なプログラムが終わりました。今日の貴重な体験で彼らが感じたことは、きっとこれからの人生で役に立つことでしょう。