リアルドラゴン桜プロジェクト

日本大学櫻丘高等学校

Vol 01
2019.4.13、4.15
なぜ勉強しなければならないのか?
自分の答えを見つけよう

まだ桜が残る4月初旬。日本大学櫻丘高等学校でリアルドラゴン桜プロジェクトが始まりました。このプロジェクトに参加するのは、日本大学難関学部(医・獣医)・国公立大学・難関私立大学への進学をめざす「特別進学(S)クラス」の生徒たち。まだ入学したばかりの1年生30名、2年生26名、そして来春の受験と合格をめざす3年生26名が参加しました。初回は講演会です。1・2年生向けが4月13日、3年生向けが4月15日に開催され、生徒たちはみな落ちつかない様子で静かに席についています。

ここにいるみんなの“未来”を広げて、
社会に出て活躍するお手伝いがしたい

「みなさん、なぜ勉強をしなければいけないのか、わかりますか?」。
これから一年間生徒たちのサポートをする、現役東大生の西岡壱誠コーチはこう問いかけました。

「勉強がつまらない・・勉強をしても成績が上がらない・・なぜ勉強をしなければならないのかわからない・・・。高校性に聞くと、こうした意見がよく出てきます。僕にはよくわかる。東大生へのアンケート結果でも、高校2年生の時にこう思っていた人は63%いました。だから高校生でこう思うのは普通です」。

西岡コーチは続けます。「でも本当は違うのです。アンケートを取った東大生に今どう思うかと聞くと、勉強は楽しいし、意義があると答えるのです。ここに大きな違いがあります。今日は、この根本的な“そもそもなぜ勉強をするのか?”を考えてみましょう。これに納得感があれば、勉強への取り組み方が変わります。“前のめり”に自分で勉強ができるようになり、成績は必ず上がります」。

「私たちはみんなが楽しく勉強ができ、成績が上がって自分が行きたい大学へ行けるようにサポートします。そしてみんなが社会に出て“活躍”できるようになってほしいのです。このプロジェクトは、みんなの“未来”を広げるお手伝いをするものです。その根本は、みんなが納得して勉強が出来るかどうかなのです。」

初回の内容は、“そもそもなぜ勉強をするのか”という根本的なところから始まりました。

問題:みんなが飲んでいる牛乳は、
どこで作られているでしょう?

「“なぜ勉強をするのか?”を体感できるように、ここで問題を出します。みんながいつも飲んでいるこの牛乳は、どこで作られているのでしょうか?」
西岡コーチは問いかけます。
「北海道!」「熊本!」「長野!」元気よく色々な答えが生徒からかえってきます。
「答えは北関東の3県です。理由は賞味期限があるため、できるだけ消費地の近くで作ったほうが新鮮なうちに運んで販売できるから。教科書には“近郊農業”と書かれています。小学生のうちに学ぶ内容です。でも教科書に書いてる内容をそのまま覚えるだけだと、答えられないでしょ?今日の帰りに、実際に手にとって確かめてみて下さい。」

「次の問題です。この4つの時刻表を見て下さい。それぞれ次のうちどの時刻表なのかを考えて下さい①成田空港の上海行き航空便②東京郊外の団地のバス停(駅前行き)③人口10万人の地方都市の駅前のバス停④人口5000人の山間部のバス停。理由も答えて下さいね。自分で考えても、みんなと相談しても良いですよ」
さっそく次の問題が出されました。生徒たちはあーでもない、こーでもないと意見を出しあい、次々に発表していきます。西岡コーチは正解と理由を解説したあとでこう続けます。
「いま話したように、それぞれ正解には理由があります。航空便の出発時刻は、騒音が問題となるために早朝や深夜の便がなく、切りの良い時刻になっているなどです。このように、日常生活で見たり経験したりすることが回答に生きてきます。ちなみにこれは、実際に東大の入試問題として出されました」。

「このように、東大をはじめとした国立大学で問われるのは知識を前提とした“思考力”です。これらの問題を通じて僕が伝えたかったのは、“勉強とは身の回りのことを知るため、そして活かすためにやること”だということです。学べば学ぶほど世の中を理解でき、活用できるようになる。だから知ることは楽しい!ということなのです」。

具体的な問題を通じて実感したのか、生徒たちも真剣に聞いています。西岡コーチは、その後もさまざまな例で“勉強が自分に役に立つ”ことを伝えました。そして最後にこう結びます。
「このように勉強は、意外なタイミングで役に立つのです。勉強したひとりひとりの“できることの幅”を広げてくれます。みんなはそれに気がついていないだけなのです」。

こうして午前中の講演が終わりました。問題を解く時間や周囲と話し合う時間があったので、講演というよりは“課外授業”のような雰囲気です。最初は緊張していた生徒たちも、すっかり生き生きとした目をして感想を話し合ったりしていたのが印象的でした。

東大生は、テストで満点だとがっかりする
その理由は?

午後の授業の冒頭、西岡コーチはこう語り始めました。
「突然ですが、世の中に出ると“PDCAサイクル”という考え方がよく使われます。Plan(計画)を立てて Do(実行)し、その結果を Check (評価)して失敗や問題があればAction(改善)する。これを繰り返して行く考え方で、仕事やプロジェクトなどでよく使われます。しかし、実は大人でもこれができない人が多いのです。ところが勉強をするとこの考え方が身につく。つまり勉強は世の中に出てから、とても役に立つという事をお伝えしていきます」。

西岡コーチは続けます。
「もう少し具体的な話をしましょう。東大生はテストを受けて、満点だとがっかりします。点数が悪いと喜ぶのです。なぜだかわかりますか?テストで間違ったところがあれば、なぜ間違ったのかを確認できます。そしてどのように改善すればよいのかを考えることができます。PDCAのCheckとActionができるのです。でも、満点だったら気分はいいけど何も学べませんよね。東大生はこの考え方が訓練されて身についているのです。みなさんはどうでしょう?テストを受けて点数を確認したら、問題や解答用紙はしまいこんでいませんか? そうした人は多いのですが、そこで大きな差がつきます。今日家に帰ったらテストを見直し、なぜ間違ったのか、そして次からはどのようにすればよいかを考えて下さい。CheckとActionをやり続けるだけで、必ず成績は良くなります。勉強は、PDCAの考え方を使って“失敗から学ぶ”事がとてもしやすいのです。模試や試験で結果がすぐに分かるのですから」。

西岡コーチはさらに続けます。
「そうはいっても自分は根気がないので勉強が長続きしない・・・などと思う人もいるでしょう。でも大丈夫。東大の脳科学の先生に聞いたのですが、脳の構造によって根気があるとかないとかは区別されるそうです。それはどうしようもない。でも、根気がないのであれば、効率よく学べる方法を考えて実行すればよいのです。これも東大生の話ですが、彼らは頭が良くて根気がある人ばかりだと思ってはいませんか?そんなことはないです。しかし、効率よくやることはものすごく考えています。最小限の努力で最大限の結果を出すために、勉強の無駄を省く訓練ができているからです。みなさんも自分の性格にあうやり方で勉強をして下さい」。

「英語で“授業を受ける”をどう言うのか知っていますか? Take a classです。つまり授業は“取りに行く”ものなのです。授業をしっかり聞くのはListenです。しかしこれでは先生から生徒への一方通行です。常に考えて疑問を持ち、わからないことを質問したり自分の意見を伝えたりするのが学びの第一歩です。東大生も授業が終わった後で、驚くほど多くの人が先生の元へ質問をしに行きます。この先の一年間、僕もみなさんへこの姿勢を持つことを求め続けます。何でも疑問を持ったら行動して下さい。Takeしてくれることを望みます」。

こうして西岡コーチの講演会は終わりました。とてもわかりやすい東大生のエピソードを数多く交え、勉強が社会に出てからも役に立つことと、勉強はやり方次第で誰でも最大限の結果を出せること、そして最後に勉強に向き合う姿勢について語ってくれました。

生徒たちはどのように感じたのでしょう。最後に、参加した生徒たちのアンケートをご紹介します。
・「何で勉強するのか」ということについて考える,良い機会になった。
・「失敗から学ぶ」ということを自分が実践する必要がある
・勉強は社会のことを知るためでもあるし,結局は自分に返ってくると感じた
・間違えた答案と向き合うことを心掛けて同じミスのないよう気を付けたい
・具体的な勉強方法を早く学びたい

頼もしい言葉が続きます。先生の感想も聞きました。
・予想よりも多くの生徒が、自分の言葉で答えてくれた
・1年生は通常の授業が始まる前のタイミングだったので、非常に良い機会だったと思う
・3年生は具体的な勉強方法を学ぶのを楽しみにしているようだ
といった言葉が並びました。

これからどのような一年になるのでしょう。素敵な変化が起こることを期待します。

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